深夜徘徊日記

そうだ深夜徘徊、しよう。「そうだ京都、行こう」と同じくらい軽やかに街に繰り出した。

何故かいきなり深夜の街をうろつきたくなった。でもただ徘徊するだけでは面白くない。だからルールを設けることにした。

ルール

1靴は必ず左右で別のものを履く 深夜徘徊に相応しいしょぼいスリル

2お金を少し持っていき、必ず何かを購入する

3キョロキョロしながら歩く、そして気づきを得たら写真を撮る

この鉄の掟に従い徘徊する。

深夜と言えど東京の街は明るい。ファストフード店やカラオケ、居酒屋などの明かりが煌々と輝いている。深夜徘徊の世界とのファーストコンタクトがこれでは味気がありすぎるので深夜徘徊界のディズニーランドこと公園へと向かった。深夜徘徊は味が薄い方が望ましい。

深夜の公園には人っ子一人いない。むしろ子供はいちゃダメ。近所の公園はベンチ、遊具、砂場、トイレ、自販機があり、そこそこの広さがある。最高サイコー。こういう公園は何時間でも居られる。ベンチに座ってジュース飲みながらボーッとするのが至高かつ至福である。しかし今は深夜徘徊をしなければいけない。断腸の思いでベンチには腰掛けず徘徊を再開した。


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キョロキョロしながら住宅街を歩いてたら今日の気づきを得た。家政婦(夫)さん募集中の看板。家政「ふ」と聞けば女性だろうなと思うが、この看板は女性だけでなく男性もOKだと言っている。近年は看護婦ではなく看護師と呼ぶように、家政婦など特定の性別を連想させる名前はなくなるのだろうな。英語からそのまま持ってきてハウスキーパーがスタンダードになるのかな。

住宅街を抜けて再びメインストリートに出ると酔っ払いの集団が楽しそうに騒いでいるところに遭遇した。自分は酒が全く飲めない。比較的アルコール度数が低く飲みやすいと言われるほろ酔いシリーズですら、一口飲んだら頭が痛くなってくる。自分の家系はお酒を飲む人が早死にするので、お酒が好きではないのはいいことだと思っていた。でもお酒を飲んで楽しそうにしている人を見たり、お酒が飲めないことで場の空気を悪くすると、あー自分もお酒が飲めたらなーって思う。ちょっぴり悲しい。涙ほろり。

少し遠いミニストップまで行きソフトクリームを食べようと思ったが、実際行って販売してなかったらすごくがっかりすると思ったので、24時間営業のスーパーに行くことにした。東京のすごく好きなところの1つがこの24時間のスーパーだ。コンビニは田舎にもあったが(徒歩30分以上の隣町にしかなかったけど)コンビニの商品は少し高い。その点スーパーは商品が安いので夜中でもついつい買いすぎてしまう。商品を物色しているとプライベートブランドのエナジードリンクを見つけた。スーパーのプライベートブランドは大抵美味しくないので一瞬躊躇したが、心引かれるものがあったので購入することにした。商品の値札の上に消費者の声が書いてあったのだが、その声が50代の男性と60代の女性のものだった。エナジードリンクって徹夜したい大学生や働き盛りの2、30代のサラリーマンが飲むものなんじゃないのか!?それなのに消費者の声には5、60代の声が採用されている。5、60代と言えば青汁の感想を言っていてもおかしくない。はっきり言って青汁の反対の極に位置するのがエナジードリンクだ。本来なら青汁で元気になるべき方々が健康度外視で飲みたいくらい美味しいものなのだと思い、購入した。飲むのが楽しみだ。今これを書きながら飲んでいるがそんなに美味しくない。チクショウ、騙された。サクラの声だった。でもエナジードリンクで体を酷使する5、60代はいなかったんだ。良かった。

戦利品も手に入れたのでもっと徘徊しようとした矢先、急にお腹が痛くなった。幸い家からそれほど離れていなかったので、今回の徘徊はここで終了して帰宅することにした。深夜徘徊を急な腹痛で終了。自分らしい終わり方だ。初めての深夜徘徊は、美味しくないエナジードリンクと腹痛と少しばかりの気づきを得て幕を閉じた。




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