会社でどんな役割を担うかを本人に委ねる経営について
今回は、私が所属している会社の話をしたいと思います。
私の所属している会社は、100名くらいのコンサルタントがいます。
現場に入り込んで、支援先の社員と一緒に進めるという形態が多いため、多くの社員は普段、全国各地に散り散りになって仕事をしています。
ちょくちょく情報交換はしたり、複数のプロジェクトを掛け持ったりはしていますが、毎日同じように顔を合わせる同僚がいないという、特殊な職場だと思います。
勤務時間についてもフルフレックスの週当たりみなし労働時間制となっており、目安として週40時間働けば、自宅であろうと、カフェであろうとどこで働いてもかまいません。
同様に、一日の労働時間も極端な話、今日は4時間だけ働いて、翌日は12時間働くということも可能です。(ただ、まだ私は能力が追い付きませんが・・・)
労働時間の申告も基本は相互信頼に基づく自己申告制となっています。
こう聞くと、さぼる社員が出たり、あるいは水増し申告をして残業時間を請求する社員がいたりするのではないかと思うかもしれません。
実際のところ、そういうこともありえるかもしれません。(確かめたわけではありません)
ただし、簡単に40時間で終わるような仕事はないということも前提としてありますし、仮にそういうことをしたとしても、そのような社員が長く会社に在籍することはできない状態が実現できています。
その理由はいろいろありそうですが、私が思うに、会社が社員を雇用し、「役割を与える」ということを基本的に「していない」ことが大きいように思います。
つまり、働かされている、という感覚を持たずに働いている状態をつくれています。
採用時に社員が何をしたくてこの会社に入ったのかを丁寧にすり合わせし、お互いに一緒にやりたいと思わなければ契約していないということもあると思います。
自分の仕事をやるために会社を選んできている人をちゃんと集めているということです。
もちろんこうしたことは業態によって実現の難しさはありそうですが、考え方はとても参考になります。
そのためかわかりませんが、会社は多様な個人の働き方を応援してくれます。
私も、この会社に所属しつつ、個人で組織開発の仕事をさせていただいておりますし、中には地元のサッカークラブのコーチ業に精を出していて、週3勤務に勤務形態を変更した方、つい先日は男性で育休をとった方など様々な働き方が許容されています。
会社の大きな方向性はもちろんありますし、ビジョンもあるのですが、今のところそれを実現する道は、社長や経営陣がきっちり考えて、皆をその方向に向けて強制していくような感じではありません。
そこにいる人がその人なりのやり方で会社を使って活動すること、
あるいは集う人が化学反応的に起こすプロジェクトや活動、
そのようなことを会社が後ろからそっと背中を押すくらいのかかわり方でいます。お客様やビジョンのための会社であると同時に、社員のための会社でもある、というのが面白いところです。
また来月もよろしくお願いします。
VOL58 2015/3/31 sakaguchi yuto
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