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映画「ジョン・ウィック」をNetflixで見ました。「犬」の映画なのかもしれない。

映画「ジョン・ウィック」を見ました。ほぼずっとアクションで面白かった。ずっとドキドキしながら見ていた。

主人公であるジョン・ウィックが亡き妻から亡くなる前に贈られていた犬が車泥棒(マフィアのボスの息子)に殺される。その復讐劇を描いた作品。
ジョン・ウィックは元々力ある殺し屋だったが、妻との結婚を機に引退してた。復讐ために封印していた銃器を取り出し、あるマフィアとたった一人で抗争を始める。

テーマはなんでしょう。「復讐」「たった一人で組織と戦う男(助けはあったけれど)」「暗殺者の掟」などかな? でもこれは物語のテーマ。映像表現としてのテーマとしては「アクション」を見せることなんでしょうね。

ジョン・ウィックの妻のお葬式。犬との交流。ジョン・ウィックの華麗な運転場面。そして、車泥棒があり、復讐に至る。
復讐に至るまでがけっこう長かったりします。いきなり不幸なことから始まる作品ですから、これがきっかけで主人公が変化する昨日ということは予想されますよね。それがどういう方向に行くかを考えながら、見ているのであまり飽きませんね。変化の予感が最初からあるからでしょうか?
私はそう思ったけれど、変化を予測できないと飽きてしまうのかな? そう思っているから、映像が提示される全てが「変化の予感」に繋がってそうで、常に緊張感を持ちながら見られました。
昔の友人に会う、犬を飼うこと、ガソリンスタンドでチンピラと会う、などの出来事です。
その後に、車を超絶技巧で運転するエピソード(倉庫みたいなところで自由に運転)があるのですが、これは後にもっと凄いテクニックを見せる予感になっていていいですね。ジョンの性格描写にもなっています。

そして車泥棒、その際亡き妻から贈られた犬が殺される。犬とは数日しか暮らしてないですが、妻との最後の絆を切られてのはジョンにとって復讐には十分だったのでしょうね。ジョンは車泥棒への復讐を決意します。

車泥棒は、昔主人にしていたマフィアのボスの息子です。マフィアたちの会話から、ジョンが伝説の殺し屋である断片が語られていきます。そんな人物が一人で、組織と戦う、期待感がめちゃくちゃ上がりますよね。
そして実際のアクション。マフィアがジョンの家を強襲します。ここまでは伝説、語りだけでジョンがすごいと言われたわけですが、実際の強さを映像に見せるのはここが初めてです。ここで、あんまりすごくないと続きへの期待が減退しちゃうわけですが、そんなことはなく見ていて凄いと思えるアクションが続きます(ジョンは一人なんだから、もっとどうにかなる方法あるでは? とは思いましたが)。実際に見せるのは良いですね。

この映画の世界観だと、殺し屋が殺した人間を始末する掃除屋みたいのがいて、殺し屋専門のホテルがあるようです。実際はないと思いますが(あるのかな?)、こういう一部のファンタジー(嘘)を許容できるかどうかで、物語を楽しめる、楽しめないがあるのかもしれないですね。
ジョンの昔を知っている人も出てくるので、「昔と変わって、印象が弱く見える」的な人も出てきます。こういうセリフは後の戦いの困難さを予感させますね。
ということで、殺し屋のネットワークがあるらしく、復讐の対象であるマフィアの息子の情報がはいってきますね。都合の良すぎるだろと、少し思いました。まあ、そこきちんと調査するとかだと物語の方向性、アクションを見せるというテーマから外れてしまいますが、テーマ(映画の目的たる映像)を見せるために「多少の強引な脚本もいいのかな」なんて思いました。

マフィアのボスは他の暗殺者にジョン殺しを依頼します。その中には冒頭でジョンと出会っていた人もいました(というか実際に依頼場面が出てきたのはこの人だけ)。彼は依頼を受諾します。ジョンと戦うと思うと、期待が上がりますね(親友らしいし。まあ、この人は裏でジョンを助けていたので、殺す気はなかったようですが)。

舞台はマフィアの息子が隠れているクラブ? みたいなところ、暗殺者のホテルでジョンが狙われての戦い、マフィアの隠し金庫(教会)を破壊、そこにきたマフィアのボスの一団との戦い、マフィアのボスの息子の隠れ家での戦い、親友の殺し屋がマフィアのボスに殺されて、その復讐のためにマフィアのボスとのカーチェイスからの戦いと続く。

ジョンはすごく強くておよそ負けなさそうだけれど、相手は物量が多いですからね常に緊張感はありますね(組織に一人で戦う場面はアクションゲームみたいな道程ですね)。ジョンは強いですが、そこそこ怪我もしますね。
マフィアのボスに捕まったりしますが、基本的にジョンのアクションで見せていきます。
クラブでは一般人が交わる中での、個対団の屋内の戦い。ホテルでは、ジョンと暗殺者の一対一。隠し金庫からのマフィアとの戦いでは、屋外、今までマフィアたちの集団とはいえ、屋内ではだいたい一対一の状況で戦ってきたけれど、見通しのいいところでの集団との戦い(ここではジョンはさすがに負けて捕まる)、マフィアのボスの息子を殺しに行く時は、遠隔からの攻撃、最後のマフィアのボスとの戦いはカーチェイスからの、マフィアのボスとの一対一と色々な戦いの場面を見せてくれて、飽きさせません。

感情移入はしなかったと思う。車泥棒が出るまでは、ジョンがどんな人間かを見せていくわけですね。ここで、ジョンに対して視聴者は「好感が持てるかな。面白い人物かな。興味深い人物かな」などとと考えますね。で、主人公がどこに向かって進むか示された時、「この人の目的を応援しよう、どうなるか見届けたい」となると物語に入り込みますね。私の感情はここで止まって、というかアクションを見せられて、物語よりアクションを見せてくれて思ったのかもしれない、ただただアクションから伝えられる危険が緊張感を伴い、その緊張感から映像の連続から目が離せなくなりました。まあ、これも感情移入というなら、感情移入かもしれませんが。「応援したい」という思いの先に、さらに映画の人物との一部感情の同化があると思うのですが、そこまできて「感情移入」というものがあると私は考えています。そもそも、感情移入は物語の必須条件ではないので、なくても面白く思う作品はたくさんあります。
この作品が私が定義している感情移入まで至らなかったのは、ジョンが超人的な強さを持っているとされているかだと思います。同化するよりも、外から見て楽しむ形になったのだと思います。
もし感情移入させるのなら、クラブに行く前に集団の中から「どのようにして集団との戦いを避けながらマフィアの息子を探すか」という描写をして、その困難さを示していたら感情移入というものをしたかもしれませんね(困難さを予感させ、視聴者に一緒に考えさせる)。
実際にはジョンは単独で考えもなしに(描写が描写がないだけで、考えていたかもしれませんが)進んでいくので、ジョンと感情の一部を同化させる瞬間がないわけです。
視聴者に困難さを一緒に考えさせること、もしくは登場人物が目的について考える過程を見せることが「感情移入させる」方法のひとつなのかもしれませんね。それのありなしが、作品の傾向にも関わってくるのでしょう。どちらがいいともいえませんが。

マフィアのボスとの一対一での戦いに、ジョンは困難ながらも勝利して物語は終わります。
マフィアのボスが特別強いという描写はなかったので戦いが始まるまでの盛り上がりはあまりなかったかなと思います。まあ、カーチェイスアクションからの戦いですから、あまりそんなこと考えることはなかったですが。
最近見た「シン・仮面ライダー」では「最後派手な戦いが欲しかった」と書きましたが、この映画でそれをやったら興醒めしちゃいますね。
戦い始まるまでの期待感はそれほど高くなかったですが、最後の戦いの肉弾戦は良かったです(希望としては親友の殺し屋と一対一にたる脚本だったらもっと盛り上がったとは考えますが)。
作品によって求める戦い方も違いますね。

ラスト怪我を治すために医療施設に侵入するのですが、なぜか犬がいます。その犬の一匹を連れて帰る場面は、物語の始まりが「犬を殺された」ことだけに感動的です。
こう考えるとこの映画のものがたりのテーマとしては「ペット」だとしても、復讐に値するほど大切なものになりうる人もいるということを示す物語でもありますね(「たかが犬」で台詞も作中にたくさん出てきますし)。ラストはテーマを見せる大切な場面ですね。
続きとして、二作目、三作目もあって評価も高いようなので、鑑賞しようと思います。作品を統一するものして、失ってはいけないテーマやメッセージがあると思います。アクションは一番だと思いますが、「犬」についても失ってほしくないですね。これがなかったら「別に『ジョン・ウィック』でなくでもいいじゃん」と思ってしまいそう。

アクションでずっと緊張感を持って鑑賞できます。面白かったです!

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