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映画「戦争の犬たち」をDVDで見ました。テンポが良いね。

冒頭は戦場(中央アメリカ)からジープに乗って逃げている場面から始まる。オープニングでスタッフロールなど流れず、人物たちも動く、周りの環境も動くことが予測させる、そしてこの物語の主となるであろう人たちが逃走の飛行機に乗り込もうとした時に、小さな諍いが起こる。冒頭で話だ、それが大きな出来事になることはないが、興味をひく始まり方としては完璧ではなかろうか。いきなり何の説明もなく、戦場から始まるから驚いてしまった。逃げる飛行機の映像も良い。

物語は、冒頭の戦場にいた兵隊一人シャノン(説明がなかったような気がするが、傭兵らしい)が、依頼され西アフリカのザンガロ(架空の国)に偵察しに行く。シャノンは拷問の末にザンガロから脱出。シャノンは政権転覆(大統領の暗殺)の依頼を受け(依頼した人間が取引できる政権を作り、鉱脈から利を得ようとした)それを達成する。

あらすじから漏れているけれど、政権転覆のための準備の過程がこの物語の醍醐味。最後の戦闘場面も派手だけれど、この準備の描写も戦闘場面と同じくらいの時間をかけている。と言いつつ、「そんな準備いつやったんだ?」と言う部分もある。傭兵たちはいつのまに依頼したのか? 荷物を積む業者が仕事をやらないと言ったのに、それがどうなったのか(結局、行ってもらえたようだが)?

二人の人が会話しているとして、一人ご質問、もう一人が答える場面を映さず、答えている前提で画面が変わることが二回くらいだろうか? あった。「うまくカット繋いでいるなあ」と思った。そんな感じで物語がサクサク進む。多少、説明不足の感もなくはない。原作は「ジャッカルの日」のフレデリック・フォーサイト。日本語訳で上下本である。原作は読んだことがないが、映画手羽説明不足のところを、ふんだんに描写していることが想像される。その原作のなかから、取捨選択したのだろう。最後も敵のアジトに簡単につく。シャノンが自分で偵察し、戦闘の計画も自分でしたのだからあり得なくはないが、作戦会議の場面とか作って説明しておいてほしい。あまりに簡単に国に入って、大統領の隠れ家についてしまう。

冒頭つかみは素晴らしく。そのあとはテンポよく話が進むので、飽きない。シャノンが子供に荷物を持たせて、駄賃を与える場面などからはなんとなく性格が読み取れる。主人公であるシャノンに、それほど強いキャラクター性は与えてないが、真面目な性格であることがうかがえた(性格が真面目と言っても、拷問などは行うけど)。俳優の力か、役柄なのか、シャノン役の人は格好良かったけど、人物に不安定感がなかったので、「この人は次どう動くのだろう」という期待感が葛藤などあれば人物のキャラクター性がが立ち上がったかもしれない(この映画にとってよいかはわからないが)。りあまりなかった。良くも悪くも安定した大人なんだね。戦場のリーダーとして優秀そうだったので、優秀ゆえに仲間と対立など、優秀さゆえのシャノンの自宅の冷蔵庫の中に銃が置いてある場面は、シャノンという人がどういう人か表すよい場面だ。シャノンがどのような生活をしているのか、想像させられる。常に自分が狙われる危険がある、という事だろう。元奥さんと出会う場面はいるのかわからないが、最初行うのを嫌がっていたサンガロの大統領暗殺を行う事を決心するために必要だったのだろう。シャノンたちが極秘に作戦立案しているのに、追っている者がいる。ややすれば作戦の準備の場面は飽きやすい場面なので、緊張感を与えるために良い演出をしていると思う。最後の戦いのために仲間を集めるのだが、冒頭にシャノンが仲間と共に戦場から逃げる場面があり、その戦場での仲間を集めているので、仲間集めに時間がかかることなく、それでいて納得感があった。始めに仲間がいる事を伝えておくのは、よいアイディアだなと思った。

80年台の映画なのに、黒人差別など現代でも考えさせる部分が多いにある。私は欧米の人と関わることがない、今は差別というものは良くなったのだろうか? 多分大いに良くなったのだとは思う。内情を知らない自分が言うのもなんだが、80年代当時と今でもそれほど変わっていないのではなかろうか? という事を思ってしまった。

物語は淡々と進む。小説でいう「描写がない」という感じに見えた(描写がないことご悪いわけではない)。

最後の場面は迫力あってよかった(と思いつつも、今の時代の派手な戦闘場面に慣れていると、少し地味ではある)特に多彩な武器の扱いが(バズーカとかグレネードランチャーとか出てくる)。中盤の仲間集めから、準備の場面も面白かった。時間かかるけど、もう少し説明してくれたらもっと面白かったのに、と思う。男性が好んで見る映画ですね。偵察や、生活描写ではあまり感情の動きが感じられなかったが、最後の戦闘に向かうあたりは楽しそうで、職業傭兵として戦争の犬(犬といっても「政府の犬」などで使う犬でなく、猟犬などのイメージ)としての狂気を感じた。BGMが少なかったからだろうか、映画全体が静かな感じがあった。

シャノンへの依頼主は、一企業のビジネスマンだと知って驚いた(政府関係の人と思っていた)。一企業が、金鉱から儲かると言って、大統領暗殺を依頼するなんてことあるのね。

現代の目から見ると派手さが足りなくもないが、面白かったのです。も四十年くらい前の作品になるが、傭兵稼業の一端が見られてよかった。


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