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映画「マッドマックス:フュリオサ」を見てきた。少女の復讐の昂まり。

映画「マッドマックス:フュリオサ」を見てきました。すごく面白かったです。何がそんなに面白かったのでしょうか? 常に緊張感がある展開が、視聴者にも緊張を与えます。目が離せません。あとフュリオサ役の女性が格好いいですね(役者は違うと思いますが子供時代も。フュリオサの母親も格好いいね)。やはり、格好良さを感じてしまうと「見ていたい」と思ってしまうのだと思ってしまうのでしょうか? 
「怒りのデスロード」は見ています。二回くらい見たかな。しかし、内容はほぼ忘れていました。

二人の少女が森でりんご? をとっている場面から始まります。森の中にバイク団がいて、彼らの視察に行ったフュリオサが彼らに捕まるところから物語は始まります。
フュリオサが捕まり母親が追うのですが、この物語の始まりから、物語の終わりまで緊張感がずっと続きます。ずっと面白く見られる作品です。
タイトルからわかる通り、フュリオサが主人公です。物語の主人公というのは、どうしたら主人公たり得るのでしょうか? ほぼフュリオサの人となりもわからず、バイク団に捕まったフュリオサに対して「捕まってしまった。どうなるんだ?」と思ってみてました。まだ感情移入とかはできていないと思います。
フュリオサの母親は強くて、バイク団をどんどん狩っていくので、その時は「バイク団」はどうなるんだ? という点で見てました。要するに何が言いたいかというと「肉体的な、想像しやすい危険の予感に対しては、その人物が主人公だろうがなかろうか、その人物の人間性などにも関わらず」感情移入のきっかけは与えられるのではないかな、と思いました。攫ったとはいえまだバイク団に対して「倒してスカッとする」と思えるほどの感情は私の中になかったです。
そしてディメンタス(バイク団のボス)に捕まり、母が殺され、ディメンタスの元で育っていくフュリオサを見ていて、フュリオサを中心に映画を見ていくことになります。
物語はフュリオサの成長を中心を、ディメンタスとイモータンジョー、砂漠の勢力争いを背景に描いて行きます。
フュリオサはディメンタスから、イーモータンジヨーの元へと居場所が変わりますが、自由のない状態なのは変わりません。捕まっている状態という、常に命の危機がある場面ですから緊張感があって見ていて飽きません(イモータンジョーに捕まっている場面は少ないですが。飽きないといっても、あまり長い時間何もなく捕まっている場面を見せらたら、さすがに飽きるとは思いますが)。
イモータンジョーの嫁候補という立場から逃げ、労働者のような立場になる経過が描かれています。フュリオサと警護隊長ジャックが乗ったトラックが襲われる場面は、結構長めなんですが「まだ続くのか」と思いつつ、飽きはこなかったですね。
その戦いでジャックに認められます。フュリオサは逃げることも選択できたけれど、ジャックの元で生きていく選択をします(荒廃した大地で生きていく力ができるまで)。
この作品残念ポイント1なのですが、ジャックがフュリオサを特訓する場面が一切ないんですよね。カットしちゃってますね。ほんの一分くらいでもいいから映して欲しかった。
フュリオサがイモータンジョーの元から去れるほど力をつけたとき、フュリオサはジャックにだけは心を許していました(フュリオサが常に隠している種のようなものを見せた場面から心を許していることがわかる)。二人で逃げる、ことが示唆されます。
イーモータンジヨーの荷物を運びつつ、逃げる機会を伺う二人。しかし、その過程の中でジャックはディメンタスに殺される。その時捕まっていたフュリオサは腕を切って逃走。
残念ポイント2です。この後、イモータンジョーとディメンタスが戦う展開になるのですが、ディメンタスの騙しうちを逆にイモータンジョーが利用する描写はあるのですが、二つの軍団がぶつかり合う場面は描かれません。確かに、この争いはフュリオサの戦いとは関係ないですが「エンターテイメント作品の一場面として大きな戦い見せてくれてもいいんじゃないかな」なんて思いました。戦いが描かれていないので、逃げているディメンタスの状況への理解がすぐにできませんでした。
腕をなくしたフュリオサがイモータンジョーの砦に戻り、腕を直して(メカとして)ディメンタスとの戦いに参加するまでの展開はすごく整っていて、良かったです。
バイクで逃げるディメンタスの仲間たち、それを追いかけるフュリオサ。最初のフュリオサの母がバイク軍団を追う展開とおなじですね。
ディメンタスを殺そうとするフュリオサ。ここの場面の二人の会話にはこの作品の「テーマ」、少なくともこの作品の見せたい場面と感じさせる場面でした。
フュリオサがディメンタスをどうやって復讐したのかは、伝聞の形で語られます。復讐の色々な形をしめし、幻想的な復讐方法示唆します。
テーマは復讐かなと思います(一番はフュリオサの人生を描くことだと思いますが)。ディメンタスとフュリオサの会話。複数の復讐方法提示など色々考えさせますね。
物語は「怒りのデスロード」の冒頭を予感させて終わります。

フュリオサの人生を描いた作品でした。彼女は常に囚われの状態で、緊張感を与えます。それが物語を面白くしていると思うのですが、それだけじゃありません。
バイクやトラックを使ったアクションが素晴らしい。けっこう私はアクション場面では眠くなるのですが、この作品はそんなことは起こらなかった。同じようなアクションの展開がなかったのでしょう。テンポよく一連のアクション場面で小さな見せ場を作っていたのだと思います。序盤の砂漠の勾配を利用した追跡劇。中盤のトラック襲撃時の、複数のアイディアがある襲撃方法(一人一人順番に仲間が減っていく、そのひとつとひとつがと言うと大袈裟だが、別のアイディアでいなくなっていく)。それに生身の戦いはそれだけで、緊張感を感じさせます。

そしてもう一つ人物描写です。ディメンタス、イモータンジョーの陣営にはたくさん敵役として人物が出てきます。それぞれにワンエピソードがあるわけではないのですが、印象が残る人物造形でした。これはすごいですよね。その人たちが画面に出てくるのが楽しみになるし、彼らがどうフュリオサと関わってくるのか楽しみになります(大半は関わりないですが)。

章立てになっていて、わかりやすかった。

森とかがCGっぽさを感じた。バイクで走っているの合わさっていたからかな?

メカ、フュリオサの腕も含めて見ていて楽しいですね。この作品、この腕を作る場面に限らず「きちんと手続き」を描写しているのが良いですね。時系列が急に(といっても時間経過がわかる映像は流れるけれど。木にかかったかつらの場面とか)飛んだりする場面もあるけれど。

すごく面白く楽しみました。展開は整っていました。それだけに「怒りのデスロード」にあったような、物語を力で捩じ伏せている感はなく、突き抜けた興奮は前作よりは劣るとは思います。とはいえ、ものすごく面白かったです(前作はオールタイムベストに入るような作品だと思うので、比べるのは酷ですね)。


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