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映画「ブルーベルベット」をDVDで見ました。サスペンスの緊張感で物語を進めている。

バラの花を映し、消防車を立ちのりして手を振っているおじさんを映し、映画は始まる。映画の終わりは、消防車を立ちのりして手を振っているおじさんを映し、バラの花を映し、ドロシーと息子が出会う場面で終わる。

奇妙な始まり方で、奇妙な終わり方だ。同じような場面を冒頭と終わりに持ってきている。手を振っているおじさんは最初はテーマーパークにやってきた人に手を振っているようであり、ラストはテーマパークから出ていく人に手を振っているようである。映画はフィクションであるが、劇の中では現実であるはずだ。それ自体もまるで幻想にするかのような演出だ。

物語の動きは、老人が倒れるところか始まる。倒れる前に、ホース絡んでいて不穏な感じを映像から感じさせる(倒れたのはホースのせいかとも思える演出だが、それは関係ないよね)。美しい芝の中で大量の虫がわらわらしている場面が象徴的に映される。この物語の行く末が暗示させられる。

父が倒れたことにより都会の大学から、故郷に戻ってきたジェフリー。父の見舞いの帰りに、道に落ちる人間の「耳」を見つける。そのことを父の知り合いの警官ジョンに伝える。その事件の進捗を聞きに言ったジェフリーだったが、何も教えてもらえない。ジョンに家から、自分の家に帰る途中ジョンの娘サンディからドロシー・ヴァレンズというクラブの歌手が事件に関係していることを教えられ、ジェフリー落ちた耳について自分で調べ始める。

「耳」にまつわる事件についてジェフリーは調べるという形で物語は進んでいく。暴力にまつわる出来事に絡んでいくわけなので、緊張感が高まるわけである。その緊張感が惹きつけて見続けさせるわけだが、ジェフリーがドロシーのアパートに侵入したときは、見つかる未来しか見えなくて、どうなるか気になりつつもちょっと見ているのが辛かった。

ドロシーはフランクというギャング? に夫と息子をとらえれておりフランクの言うことを聞いている。立場的にはフランクは上なはずなのに、体の関係の中では下であることを求めているようだった。それでいてすぐ切れる。ドロシーもドロシーで望まない関係でありながら、痛みを求めている。倒錯した関係性が描かれ。覗いていたジェフリーが出てきた時も、包丁で制しているときも、自分に痛みを与えることを求めている。

ジェフリーは捜査の中で、ドロシーと関係を深めていく。捜査の情報をサンディと共有することにより、サンディとの関係性も少しずつだが近づいていく。そんな男女の関係性を見せながら、先を気にならせてもいる。

ジェフリーはフランに捕まってしまうが(ドロシーの息子がいるだろうところにも連れていかれる)、殺されまではしない。エンディングまでドロシーの息子が画面に出てこないから、ドロシーの言っていることすら狂言なのではなかろうかと言う視点で物語を見ていました。

ジェフリーは今まで知ったことをジョンに伝え(ジョンの同僚の警官も絡んでいた)。事件とは決別する。

いつの間にか付き合うようになっていた、ジェフリーとサンディの前に裸のドロシーが急に出てきて(ジェフリーとサンディの元恋人が言い争いそうになった時)、物語はラストに向かって急に動き出す。ジェフリーはドロシーの住まいに向かい、死にかけの警官(事件に関係あった男)と耳をなくした男の死体を見つける(この男はドロシーの夫だったのかな? ドロシーの息子がいた家の主にも見えたが)。警官たちはフランク一味と別の場所で争っている。フランクのみドロシーの家に戻ってくるも、ジェフリーが銃で撃つ。簡単に書いているが、かつてジェフリーがドロシーとフランクの情事を覗いていたクローゼットの中に隠れているので、緊張感が高まった末の銃撃である。

仲良くしているジェフリー一家とサンディ一家。冒頭で出てきた虫を加えるコマドリ。美しい芝の中で、蠢いていた虫。それを食べるコマドリ。世界の理でも象徴していると言うことだろうか。

ラスト突然、耳の謎が未回収のまま怒涛のごとく進んで、終わってしまった。耳のこともよくわかない(ただのマクガフィンでどうでもいいのかな)。発端を作り、サスペンスでみせて緊張感をはらませて視聴者を釘付けにする。発端で見せた謎をほったらかしでも面白かったね。

ジェフリーは劇中で「隠されていた世界を見た」と語る。きれいな世界に裏側、倒錯した関係そういう世界があることを映し出すことがテーマだったのかな。それを見せるために、物語という形式としてサスペンスを選んだのだろう。なので「耳」が誰の物とかはどうでいいんだろうね、たぶん。

ジェフリーがフランクに捕まり、遠くに連れていかれて殴られる場面。突然、女(フランクの仲間の恋人?)が車の上に乗って踊り出したのは少し笑った。多少の変なところも必要だよね。

ドロシーの息子がいた家の主がテープの音楽に合わせて、口パクしているところもあるな。面白いけど、なんの意味があるんだ。最初、歌が上手いのかと思ったら、口パクだし。


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