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映画「デス・プルーフ」をPrime Videoで見ました。ホラーものとも言えるな。途中までは……

わざと昔風の映像にしているのね。なんの効果を狙っているのかわからないけど、原色が強く出ていて好きです。タランティーノ監督だったので見ました。

物語はほぼ三、四人のちょっと有名そうな芸能関係の仕事をしているらしい女性たちのおしゃべりが続くだけです。でもなんとなく、それが面白い。いい感じで、会話に緊張感をはらませています。徹底的に対立することとはないですが。

最初、女性が三、四人出てくるのですが、誰を中心に見ていいかわからないので少し戸惑います。主人公というものがいないようです。そして、その女性たちは途中で全員死にます。全編通して出てくるのは、その女性たちを殺し、またその後も女性の集団を襲う男のみです。

女性たちのおしゃべり場面(おしゃべりしている場所は変わります)と、その男がその女性たちを車で追う。それだけの話です。

特になんの脈絡もなく、女性たちは男に襲われます。女性たちが乗っている車を男の車(カースタントのための耐死仕様(デス・プルーフ)らしいです)が追って、追突を何度もし、最終的には正面から突っ込みます。男自身も死ぬかもしれないのに……。

狂気をはらんだ人間が、普通に過ごしていた人間をなんの脈絡もなく襲う。殺した女性たちに恨みがあったわけでもなく。もしかしたら女性にコンプレックスなどがあったのかもしれませんが、劇中では語れませんので、それもないと考えます。なので地震や台風など自然災害と同じような形とも言えます(盗撮などしていて、最初から狙っていたようではありますが)。自分の命さえも顧みない行動もまた、その点が強調されます。といっても、女性たちを殺した男性は「男」は襲わないでしょう。「女」だけを襲います。女性にとっては男性は、自然災害と同じようになんの脈絡もなく自分たちを襲ってくること存在でもあることを示しているとも言えます(男がそういう存在であることは、拳銃持っている女性の、拳銃を持つ理由として軽く触れられます)。それは、男が自然災害の暗喩だととらえれば、男は人間ではない。意思を持った災害です。車という存在が、映像的にも奇妙なまでにグロテスクに仕立て上げられた車はまさに災害そのものです。

人間でもないものを、どうしようと問題ないでしょう。ラストで男は何度も殴られ、めちゃくちゃにされます。

最初に出てきた女性たちを殺した十四ヶ月後に話が飛びます。再び、女性たちのおしゃべりが続きますが、最初と違うのはその災害的存在の男性のことを私たちが知っていることです。女性たちがおしゃべりしている、ところどころに男は現れ、見ているものに緊張感を与えます。そしてまた、男の車は女性たちの車を追うのです。

一人の女性は車のボンネットに乗っている(そういうのが好きなようです)。その状況で、男の車が女性たちの車を追う。とてもハラハラしてみました。

ホラーの定石では結局再び女性たちは殺されたで終わるかと思いきや、物語終盤では男は女性に追われる存在になります。こういう展開になると少し違和感を感じました。私は男を絶対的に避けることができない自然災害と見ていたからです。といっても、話は面白いのでそのまま見続けます。カーチェイスがとても面白い。

男が反撃するのかと思いながら見てましたが、男は反撃できず最後は女性たちに殴られて終わります。これはこれで良い終わり方だと思います。


カメラワークで気になったところ。

最初に殺す女性たちと、男はバーで話します。その一人の女性との会話。

最初は、正面の画を交互に見せる形で会話が進みますが、会話の最後らへんで男の横顔からの映像になります。急に今までと違うカットの画面を見せられたので、男の言葉をそれまでの言葉と違って強いものであることが伝わりました。


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