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映画「ペット・セメタリー」を見てきた。これぞ西洋ホラーかもしれない……。

ペットセメタリーを見てきました。

最初からガンガンに恐怖を煽る暗示を映像で示してきます。

上空から映される火事。

後々人を轢くであろうことを予測させる、急に飛び出すトラック。

意味ありげな仮面を被り、並んでペットの遺体を運ぶ子どもたち。

鬱蒼としげる森は霧に包まれている。

不安を煽ります。ホラー映画の手法ですね。

主人公である医師のルイスとその妻レイチェル、子どもたち(姉のエリーとまだ幼い弟ゲイジ)、そして家族の飼い猫のチャーチは周囲を森に囲まれている田舎に越してきました。

ペットの遺体を運んでいた子どもたちが気になったエリーは森の奥へと入っていきます。そこにはいくつもの十字架らしきものが。ペットの墓です。森の中をさらに進もうとするエリーでしたが、近くに住んでいる老人のジャドに止められます。ジャドは気のいい老人で、ルイスたち親子と付き合うようになります。昔からこの土地に住んでいるので、土地のことを知っています。説明的な役割を課せられる人物です。

そんな生活の中、ルイスは自動車事故に轢かれた青年を看取ります。ルイスはもうすぐ9歳になるエリーに対して死の意味を教えたかったですが、病気がちの姉を見殺しにしたレイチェルがそれを拒んでいました。

こういう場面から「死」というものがテーマと伝わってきますね。

飼い猫のチャーチもまた交通事故でなくなってしまいます。「死」について伝えたいルイスでしたが、やはりレイチェルが「まだ早い」と止めます。

エリーの悲しみを見たくなかったジャドはチャーチを行ってはいけない禁断の場所に埋葬することをルイスに勧めます。

ここからただ不穏だった雰囲気が、直接的な暴力展開へと変わります。

チャーチは甦るのです。大人しい猫であった昔の姿ではなく、あからさまに人を威嚇する態度をとるような凶暴な猫に変わって。

猫のチャーチを埋めた場所は死者を甦らせる埋葬地でした。

原因は土地の呪いでした。原作者が同じの「IT」もペニーワイズが出てくる理由はそんなのでしたから、このアイディアはもう少し他の理由にできなかったのかなと思いました。

恐怖のためルイスに捨てられたチャーチでしたが、家に戻ってこようとします。それをエリーは見つけてしまったのです。そこに走ってくる暴走するトラック。エリーは亡くなります。

予想通りですが、ルイスはエリーを甦らせます。生前習っていたバレエを踊りながら、物を壊していくエリー。甦ったエリーの狂気は見てて本当に怖かったです。エリーはジャドを殺し、さらに母にも刃を向けます。それでも最後はエリーを仕方なくルイスが2度目の死を与えて終わると思ったのですが。まさか、そんなことになるなんて……。

バッドエンドです。そして開いた終わり方です。ゲイジを覗いた家族全員が……。

多分、小説だと心理描写が克明に書かれてレイチェルと見殺しにした姉の関係が物語に深く関わっているのだと思います。この映画だと、いまいち噛み合ってません。レイチェルがその過去を乗り越えて、母として子ども(ゲイジ)を守ってエリーを止めるのとかそういう展開があれば、物語とリンクしたと思いますがそんな展開にはなりません。過去のトラウマに囚われたまま、レイチェルは死にます。甦ったエリーの心の中に、レイチェルの姉の心が憑依しているような場面はありましたが。

甦りの理由も土地の呪いということにはなってますが、あまり掘り下げがありません。猫のチャーチの甦りもちょっと急でしたのでまずもう少し小動物を甦らせるとか、甦りの予感をさせるような説明もしくは場面があった方が良いと思いました。これも多分ですが原作ならもっと丁寧に書いているとは思います。自動車事故の多い土地らしいのですが、その説明もありません。見れていれば「そういう土地なんだな」と思わないでもないですが、セリフに一言入れておけば「そういう土地なのか」と思えて、より効果的だったと思います。

全体的に少し話の展開が唐突な感じがしました。上に書いたように予想させる部分を端折っているせいでしょう。その代わりとはなんですが、心に恐怖を呼び起こす雰囲気は十二分に画面から感じられました。監督、脚本家は話の辻褄よりこの「恐怖」を取ったのかもしれません。わたしはずっと驚いていましたし、先を見るのが怖くて目を背けたくなりました。そういう心持ちにさせる予測が物語の展開にいくつもありました。

物語という点では「もっと良くできたのでは」と思わないでもないですが(時間的な制約はあると思いますが)、ホラーと考えた場合すごく良いと思います。本当に怖かったです。あまりホラーは好きでないので観賞経験が浅いだけかもしれませんが、わたしが見たホラー映画の中で一番怖かったかもしれません。最初こそ雰囲気や予感で恐怖を煽りますが、ラストは西洋のホラーらしく身体的な恐怖に訴えます。

ラストの開いた終わり方は、物語の終わり方の1パターンとして知っておくべきで展開です。この終わり方はよかったです。


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