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映画「メッセージ」をNetflixで見ました。相互理解というものを考えさせる。

映画「メッセージ」を見ました。原作「あなたの人生の物語」は読んでいるはずですが、全く覚えていないです。原作の原題は「Story of Your Life」で映画の原題は「Arrival」です。物語は宇宙船(未確認飛行物体)、その中にいる宇宙人との邂逅を描いたものです。彼らは何のためにやってきたのか。軍の依頼で主人公であるルイーズは言語学者です。「言語学」の考え方で、彼らと意思疎通を図ることをら中心に物語は描かれていきます。

最初は「何かが起こったか」ことしか、わかりません。未確認のものがやってきたものはルイーズが見ている映像からわかるのですが、何が来ているのかわかりません。「いったい何が来ているのか? 起こっているのか?」と緊張感を持って見られます。そして、半円のような宇宙船を見せて、その次は宇宙船に入る過程でも緊張感を持って見せてくれます(無重力状態で危険性がある)。そして、宇宙人との邂逅。しかし、最初の出会いは映像としては一瞬で終わってしまいます。「何かあったのか?」と見られます(実際は何も収穫はなかったのですが)。次のアプローチは会話でなく、文字から。宇宙人が自分達の文字を伝える瞬間はなかなかスリリングです。次への展開の未来を見せてくれてますね。これからは、この文字からのアプローチが描写されます。とは言いつつ、なかなか宇宙人との意思疎通は進まないので、軍との軋轢などを見せて緊張感出してますね(ルイーズの説得にすぐ納得してましたが)。次の意思疎通の機会では、今まで来ていた防護服をルイーズは脱ぎます。段階的に緊張感をだす行動をえいぞうは見せていきますね。盛り上げ方は物語の教科書みたい。宇宙船は地球上に12隻来ていました。中国の将軍は、宇宙船に宣戦布告をします。ルイーズたちが宇宙人たちとの会話も、制約されていくことが示唆されます。宇宙人との会話(文字での)で「武器を提供」ということが示されます。「戦争の匂い」をさせますね。緊張感が高まります。ルイーズたち化学者と軍の軋轢。各国との協力も途絶えていきます。さらに会話しますが、一部の軍人の暴走で、宇宙船内部で爆破が起こります。ルイーズたちは無事でしだが(爆破までの場面は時間も示され、緊張感がありましたね)、宇宙人たちの合うことはできなくなります。最後のメッセージから、12の宇宙船全ての意思疎通から得た情報を合わせないといけないとわかりますが、各国は力を合わせません(ルイーズたちがいるアメリカも、他の国に情報を渡すこと躊躇している)。「非ゼロ和ゲーム」という言葉がてできます。ルイーズ単独で宇宙人と会話の機会を得、彼らと最後の会話をします。ここも「何があるのか?」とドキドキしますね。宇宙人たちは人類を助けに来たそうです。3000年後に自分たちの助けが居るために。彼らは未来が見えるのです(人間とは時間の感覚が違うようです)。そして、ルイーズも未来が見えるようになってました。映画の中にたびたび出てきた、ルイーズと子供の交流はルイーズが見ていた未来だったようです(過去だと思って見ていた)。「武器は時を開く」という言葉とともに、宇宙人は去っていきます。ルイーズは自分が見た未来をもとに、世界を救います(未来で教えてもらった電話番号で中国の将軍に電話)。ルイーズは同僚のイアンの愛を受け入れます。将来、二人は子を持ち、二人はルイーズが未来が見えるために別れ、ルイーズの子は不治の病で早逝することがわかっていても。ルイーズは「この安らぎ、忘れてたわ」と言います。この安らぎは、未来で夫と得ていた安らぎでしょう。彼女もまた、宇宙人のように時を超越した存在になったことを示唆して物語は終わります。

未知との遭遇がテーマですよね。もっと深掘りすると、遭遇の一つの可能性(言語という)を見せるのがテーマです(思考実験みたいなものですね)。その過程を丹念に、そしてエンターテイメントとしても楽しく見せるように構成されています。人が未知とのものと出会ったらどう行動するかも、描いています。そして、宇宙人のかたちも描いています。3000年も未来のために行動しているとは、スケールが大きいですね。ルイーズが未来を見えるようになるというのは、宇宙人の感覚が人間と違うことを視聴者に強調するために与えられたものだと思います。あと、映像的な「謎」を作るためでもあります。度々、挟まれるルイーズと子供の交流が過去のものだったのか、と思うと驚きはありますもんね。あと、物語のオチつけるため(中国の将軍との交渉や、ルイーズが未来を見ながらイアンを受け入れる、ところなど)。ルイーズに与えられた未来視は彼女に影響を与えてますが、ドラマの中心にはなってないので、この感覚が宇宙人の強調と私は考えました。ルイーズにその能力を与えることで、見ている人が宇宙人への想像をつきやすくするとい効果があると考えます。そう考えると、これは人間と宇宙人だけの問題でなく「相互理解」ということを伝えている映画なのだと思います。私たちは他者を理解しないことで、争いを生むことがあります。そういうことを出来るだけ、少なくするには他者を理解する心を持つことが大切です。人間と宇宙人の意思疎通という寓意から、それを見ている人に伝えています。一番のテーマは「相互理解」なんだと考えました。

私はこの映画のテーマは「相互理解」と読み解きましたが(正しいかわかりませんが)、直接それを伝えてはいないですね。宇宙人と人間との交流という寓意を見る経験を経て、ルイーズに宇宙人の能力を与えられたことを知る。それによって映画を見ている人が宇宙人のことを理解しやすくする。宇宙人のことを理解するという疑似体験を通して、宇宙人のことを考える。そこから私は「他者のことを考える大切さ」に想いが至り、「相互理解」というテーマに行き着きました。もっとわかりやすく描くこともできると思うのですが、こうやって考えさせてテーマに行き着くのもいいですね。SFやファンタジーというジャンルは寓意から考えさせることに長けていますね。

ルイーズはヘリコプターで宇宙船のそばに来るのですが、降りる場面はないです。宇宙船側にヘリコプターが来て、下にテントとかあるところを見せて、次の場面ではテントに向かって歩いているルイーズたちが映されます。降りる場面はカットしているんですね。うまい映像の繋ぎでした。

考えさせられる映画でしたが、物語自体は物語の教科書のように盛り上げていくので面白かったです。面白すぎて、「面白かった」て終わりそうですが、ラストが分かりにくいので、思考をら促してくれます。物語の構成も考えられた、良い映画でした。


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