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映画「ラストタンゴ・イン・パリ」をU-NEXTで見ました。どう解釈していいかわからなかった。

映画「ラストタンゴ・イン・パリ」を見ました。難しい映画ですね。当時、衝撃的な映画として見られていてたらしく、現代の私から見て「そんな、衝撃的な場面あったか?」と思ってしまいましたが、バター使っている場面ってそういう意味だったのねと、視聴してからwikipediaを見てわかりました。この場面の後に、男は女に自分の尻の穴に指を入れることを要求してますね。

中年男ポールと20歳のジャンヌの恋模様を描いた作品です。物語はポールが叫ぶところから始まります。恋は、たまたま部屋探しで一緒になった時、ポールがジャンヌを襲ったところから始まります。襲ったと言っても、ポールがジャンヌを抱きかかえた時、ジャンヌの方から抱き返しているので、襲ったという感じでもないですが。しかし、そんなことあるんですかね。知らない中年男に抱きかかえられて、その気になるなんて。百歩譲って、ポールがジャンヌと同年代で格好よかったらまだわかりますが、20歳以上歳上の男に抱きかかえられて、その男に好意なんて抱くんでしょうか? 男の妄想のような展開ですね。そう言う展開なので、「そういうものなのだろう」と思いながら、視聴し続けることになります(ジャンヌは恋人とうまくいってなかったのかな? ジャンヌがそういう気持ちになるだろう感情を色々考えました)。まあ、二人に何かが起こることは、予測されていたことです。部屋で目を合わせるまで互いに認識しない、二人ですが、映画が始まってから何度も同じ画面内に入っていました。ジャンヌがポールを好きなるのは、納得はいきませんが、許容範囲の中です。「作品の中で、そうなったのだからそうなのだ」と無理やり思います。今の時代では、こんなふうに描けないと思います。「セックスすれば、女性は男性を好きになる」と間違ったメッセージを伝えてしまいますからね。奔放の女性もいますから、テーマとしてそういう人を描くならまた別ですが。それはそれできちんと注意深く描く必要があります。部屋は二人の逢引きの場所になります。

そんなふうに物語は始まるわけです。物語は互いに自分の過去を語らないというかたちで付き合う二人(ポールとジャンヌ)。ジャンヌ、ジャンヌを主役? に映画を撮る恋人の場面。ジャンヌと母の場面(ジャンヌっていいところの子なんだなとわかりました)。ポールの経営しているホテルの場面。ポールの妻ローザは不倫の後、自殺していることがわかります。ポールとローザの母の場面。ポールとローザの不倫相手の場面。そんなふうに物語が語られる中に(特に映画内映画のところとか)、何かテーマがわかる部分があるのかなと考えるのですが、特に見えません。ポールのパートを見ていると、ポールは傲岸さがわかります。妻が不倫し、そして自殺してしまった理由はなんとなく見えてきます(映画上で、夫のせいで妻が自殺したと示されているわけではないです。私が思っただけです)。ポールは見ていて不快ですね。妻の死体の前で、ポールは「死にたい」「死に方がわからない」と言っています。

ジャンヌが過去を語ること、自分が過去を話すことを嫌うポール。そんな関係の中でも、ジャンヌはポールをますます好きなり求婚すらしますが、ポールは拒否します。そして、ポールは部屋からいなくなります。全てを無くしたかのように、泣くジャンヌ。ジャンヌは恋人と、ポールがいなくなった部屋を見ます。恋人はこの部屋には住みたくなさそうです。一人、部屋がある集合住宅から出てくるジャンヌの前に、ポールは現れるのですが、今度はポールがジャンヌに求婚します。ここから全くわからなくなります。「さっきまで、あんなに求婚を拒否していたのに、なんで自分から求婚しているんだ」と思います。特段、ポールの心が変わるような描写はなかったのに。タイトルにあるタンゴが見られる食堂で、二人は酒を飲みます(セリフは続いているのに、道から食堂に変わるカットの変化は良いですね)。タンゴの踊りを見せて、時間経過を示すのも素晴らしい。酒場でジャンヌはポールに「愛している」と言ってますね(でも、本気ではないかも)。二人が急に踊り出します。ここら辺を見ると、心は元に戻っているようにも見えます。すぐ後に「終わりよ」と言ってますが。このあとは、逃げるジャンヌを追う、ポール。それっぽい音楽も流れるし。追う、追われるの構図はホラー映画みたいですよ(少し、笑ってしまいました)。ジャンヌも「助けて」と叫んでいるし。ポールがジャンヌの住まいがある集合住宅に入るとき、大きな鏡があって、姿が2つに別れているように見えます。これは、心の分裂を表しているのでしょうか? ジャンヌを捕まえたポールは、過去にあんなに聞かれるのも、聞くのも嫌がっていた名前をジャンヌに聞きますが、聞き終わる前にジャンヌに銃で撃たれて死にます。撃たれてからベランダに行くポール、カメラをまっすぐ見ているので、視聴者である自分が見られているようで、これまた深いです。このポールの変化は、私の許容範囲を超えてました。作中で作られた人物を、最後にそれまでの経過を関係なく壊してますからね。制作者が作ってきて、見ている人を納得させている作品内ルールを壊してしまってはよくないですよね。私は、そういう部分は許容できないみたいです(大体の人がそうだと思いまうが)。

最後の場面で、ジャンヌがポールについて「誰なの」と言っているので、初めの襲ったところから食堂まで、ポールの妄想って話なのかな? なんて思った。ポールは本当は何もせず帰っていて(ジャンヌは「帰ったと思った」と言っているあたりから、妄想が始まる。妄想だとしたら、いきなり受け入れるジャンヌにも納得いく。男の妄想だから)、妻が自殺したことがショックで妄想していた。で彼女をストーキングしていて、街で見つけて追いかけた。食堂の場面は暗いのに(建物が屋内ってだけかもだけど)、街の場面はお昼っぽいし。だとしたら、ジャンヌの一部のパートが映画というフィクションを撮っている場面と対になるように、二人の場面はポールの妄想というフィクションということなのかな。もひとつの誰なのの解釈としては、「私が知っているポールではない」ということ。最後の鏡の場面で示されているように、ポールに二面性があるとしたら。妻の死を受け入れられない自分と、妻の死を受け入れている自分の二人が。ジャンヌの妄想という考え方もある(女性はいつでもセックス望んでいる、という男の妄想を反映した存在の妄想だが)。

自分から離れても、結局戻ってくる存在の妄想のジャンヌだったけれど、逃げられてしまう。妻の死を受けいれて(ジャンヌに会う前に、ポールは妻の遺体と会う場面がある)、決心して直接の行動に出るも、ジャンヌに本当に逃げられたのだろう。

どちらにしても、中年男の恋を破滅的に、しかもみっともなく描いた話だな。こんな妄想はするなって話ですね。自分で感想を書いていて、納得してしまった。の割には、あまり女性への優しさは作品から感じないので、違うかも。

冒頭の場面、ジャンヌが道を歩いているときあえて掃除している人の箒を飛んで避けている場面は。ジャンヌのおてんばさが示されていてよかった。特に、ジャンヌのおてんばさがその後の物語に発揮されるかというと、そうでもないが。些細なことへの行動で、強い性格づけになるなと感じました。

「押井守の映画50年50本」だと、階級の話とある。そのテーマは日本人の私には気づけない。


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