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未経験からスタートアップ1人人事となり、採用立ち上げで注力したこと3選


自己紹介

はじめまして、しんどうです。
2022年10月に社員数が1桁のタイミングでSUN METALONに入社しました。入社して最初の半年は事業開発として営業したり、オンボーディング立ち上げ、法務、輸出、PRなど、なんでも屋として幅広く経験した後、2023年4月より正式に1人人事となりました。

これまでのキャリアは、文系ながらものづくりや新しい技術に興味があり、調達を中心にサプライチェーン(自動車メーカー、IoTスタートアップ、コンサルティング)と呼ばれる領域でキャリアを積んできました。

なぜnoteを書くか、誰に読んでほしいか

SUN METALONは独自の効率的な金属加熱技術を持ち、金属業界の脱炭素を目指すディープテックスタートアップです。
ディープテックについての説明は別の記事にて執筆しようと思うので詳細な説明は割愛しますが、すごい技術の種を持っているスタートアップです。
事業の成長には、「金属R&Dエンジニア」「金属生産技術エンジニア」「金属造形装置開発エンジニア」などハードウェアエンジニアの採用が必要不可欠です。
※厳密には「金属R&Dエンジニア」「金属生産技術エンジニア」はハードウェアエンジニアと呼ばないことが多いですが、本noteでは便宜上、「製造業で物理的なものづくりに携わるエンジニア」という意味で使用します。

SUN METALONでは創業初期にリファラルで数名ハードウェアエンジニアが入社して以降、採用に苦戦する状況が続いていました。そんなある日、上長である瀧澤(現日本法人代表)から1on1の場で、HRにキャリアチェンジして採用をなんとかしてほしいという提案を受け、個人的にもHRへの興味があったことからキャリアチェンジすることになりました。

1年後の現在、なんとか約30名の組織拡大に貢献することができ一定の成果は残せたと思っていますが、最初はわからないことの連続。とりあえず「未経験 スタートアップ 採用」とググるところから始まりました。

初期の一番の悩みはスタートアップの採用に関するhow toの記事は溢れているが、何から始めればいいか、注力すればいいかわからない、といいうことでした。キャリアチェンジしてちょうど1年という区切りということもあり、当時の自分に向けて、具体的に言うと「アーリーフェーズのスタートアップで未経験ながら1人人事となり、採用の立ち上げを担当されている方」向けに頭の整理がてら書くことにしました。

それではここから本題に入りたいと思います。

採用立ち上げで注力したこと3選

①泥臭く手を動かして採用媒体を「ハックする」

【なぜ重要か】
私が採用を担当するようになってからの直近1年間で見ると、80%以上がスカウトツール経由で採用できたことで採用コストを抑えることができています。また直近で2024年度採用計画 / 予算を作成しましたが、今年1年間の手を動かした経験により、「どのポジションを」「どの経路 / 媒体で」「どの程度のコストで採用するか」具体的に考えられるようになります。 

きっかけはLayerX 石黒さんの投稿でした。(2021年と少し古いですが)

HRキャリアに転向してから、「deep techスタートアップにおいてLayerX 石黒さんのようなキャリアを積みたい」と思って𝕏の投稿やnote、podcastの発信から勉強させていただいています。あの石黒さんが「1つハックすべし」とおっしゃるのなら、未経験の自分は量をこなすために3つハックしよう!と一念発起しました。

【具体的にやったこと】
まずは10媒体ほど触ってみて採用したい人材プールが多そうな3つに絞った後、石黒さんがおっしゃる「ハックする」を以下3つと定義しました。
・媒体ごとの特徴を掴む
・ヌケモレなく求める人材を表示させる検索条件を理解する
・返信率を上げるための求人票 / スカウト文をアップデートし続ける
そして自らのリソースの7割程度を投下して手を動かし続けてきました。

②採用ターゲットの解像度を上げる

【なぜ重要か】
採用要件を要求部門任せにすると、幻のポケモンのような「こんな人材いる?!」といった採用要件になりがちです。要求部門は常に人材不足で即戦力が欲しがるため仕方のないことで、スカウトツールや人材紹介者の窓口、カジュアル面談担当として1次情報に触れている採用人事が採用要件をコントロールすることで要件の最適化ができると思っています。
またターゲットの解像度を上げるとスカウトの無駄打ちが減りますし、構造化してドキュメントを人材紹介者に共有するだけでご紹介いただく方のミスマッチも減るのでオススメです。

しんどうの場合、大学まで東海地方で過ごしたこともあり、製造業で働く友人が多いこと、調達時代にエンジニアと席を並べて一緒に仕事をする機会が多かったため、文系ながらハードウェアの技術や職種、エンジニアの人となりやライフスタイルへの理解が強みだと自負していることから、自分の強みをより活かすため、人材マーケットと要求部門(特に開発チーム)を接続する役割を担うことを強く意識しています。

【具体的にやったこと】
必要なスキル/経歴の要件は3つに分ける
採用要件を「幻のポケモン」状態にしないため、スキル/経歴のペルソナを大きく3つに分けて整理しています。
 -どんピシャ:ど真ん中のスキル/経験を持っている
 -ややピシャ:ど真ん中ではないが近しいスキル/経験を持っている
 -ちょいピシャ:少し遠いが本人の気合とサポートがあればキャッチアップできるスキル/経験を持っている

スカウト返信のきっかけになりそうな候補者心理を探る
当たり前ですが、自社が採用したい人材だけを定義してスカウトを送っても返信は来ません。ターゲットが返信して話を聞いてみたいと思えるフックが必要です。
一例ですが、製造業は地方が勤務地になることが多く(𝕏でも度々悲痛の叫びが見られますね)、転勤なく首都圏で働きたい人が一定数いることから、スカウトのフックに使用しています。

要件レベルとフックは一度設定して終わりではありません。繰り返しになりますが、1次情報に触れている採用担当が要求部門と議論しながらアップデートしていく。これが採用人事の存在価値だと思っています。

③有識者に助けを求める

【なぜ重要か】
「1人HRの孤独を紛らわす」「最短距離を模索する」この2つに尽きると思います。
1度目の転職で「自分は調達 / サプライチェーン領域の専門家である」という意識が強すぎるあまり、肩肘張って空回りした失敗した経験がありました。その時の学びに加えて人事や採用は全くの未経験だったこともあり、抵抗なく周りの助けを借りることができました。(←成長しました!w)

【具体的にやったこと】
前職の採用担当者と飲みに行ったり、スタートアップへの紹介経験が豊富な人材紹介エージェント経験者にヒアリングしていました。またいろんなスタートアップの採用ページやnoteを見て気になるスタートアップがあれば、所属している友人/知人や知り合いの知り合いを探して、人事担当の紹介をお願いして話を聞きました。
「紹介してなんて厚かましくて頼めない!」と思われたそこのあなた。「紹介してください」が言えない人に「自社に来てください」が言えるでしょうか?(いや、きっと言えない!!!)

そもそも繋がりがなく紹介を頼める人もいないという方は、コミュニティに参加したりイベントに行ってみてはいかがでしょうか。スタートアップのHR界隈はコミュニティやイベントが豊富です。

最後に

偉そうに書いてきましたが、1人目の採用が決まったのは4月から半年以上が経過した11月でした。誰も入社が決まらず何も価値を出せていないことに焦っていました。「採用は長期戦と捉え、結果が出ないことを焦りすぎない」「人事を尽くして天命を待つ」の精神でやれることをやり続けることが何より大事だと感じています。

ディープテックはもちろん、スタートアップで働く方との繋がりも広げたいので、コメントやご感想など頂けると幸いです。

ちなみにSUN METALONでは採用担当も募集していますので、少しでも興味がある方は遠慮なくご連絡ください。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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