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ながしの職人

Netflixで劇場版「名探偵コナン」を観るのが最近のブームになっている。

多くの作品は幼少期に見たことがあり、改めて見ると「ふ~ん、こんな話やったけな~」と、昔と今とで理解の答え合わせをしている。

「そんなんありえへんやろ~」という穿った大人の目線でも映画を見ている。

先日観たのは「劇場版 名探偵コナン ゼロの執行人」。2018年の映画なので割とあたらしい作品だ。

その中で小五郎のおっちゃんが、ある事件の被疑者として逮捕されてしまうシーンがある。裁判に向けて弁護士を立てるのだが、その弁護士が自身のことを“ケーベン”と呼んでいた。

“ケータイ弁護士”の略で、事務所に所属せずにスマホ一つで依頼を受けて事件に関わっていくもの。

弁護士というと、自分の事務所を持っているのが普通かと思っていたが、今はそんなカタチもあるのかと知った。

“事務所を持たない、設備を最小限にする”ということで思い出したのが、SNSで話題の「おにぎり太郎」さん。

土鍋で炊いたあっつあつの米を、熱さに耐えながら手の中で転がし、おにぎりを握る姿がなんとも一生懸命で見がいがある。何よりおにぎりがめちゃおいしそう。


彼は自分の店舗を持たずに、各地の飲食店を転々として、おにぎりを振る舞うというカタチをとっている。設備も最小限。土鍋と食材とユニフォームぐらい。

飲食業界では店舗をもっているのが普通だが、あえて店舗を持たないというカタチ。本人は「私は“ながしのおにぎり職人”です」と言っていた。

“ながしの職人”ってなんやねんと思ったが、まさに昨日、今度は“ながしのピザ屋”と知り会った。各地のイベントを転々としたり、飲食店とコラボしてピザを振る舞うらしい。


これらは私にとっては少々驚きだった。何かを始めるには場所やそこそこ大きな設備が必要と思っていたが、最小限のものだけで意外と商売はできてしまうのだと

飲食=店舗を持つ。という概念に囚われていると、店舗を持たないってことが「ありえへんやろ~」って直感で思ってしまう。しかし、穿った考えはなるべる捨てようと思った。

名探偵ももっと純粋な目で観ようと思った。

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