若かった頃に居てほしかった人になれ
先日、日頃お世話になっている先輩の隆介さんと、カミングアウトをきっかけにお会いさせていただいたみっつんさんの2人がInstagramにシェアしてくれていた投稿。
タイトルの言葉、「若かった頃に居てほしかった人になれ」と書いてある。
この言葉を受けて思い描く像は人それぞれきっと違うと思う。
僕個人が若かった頃に居てほしかった人ってどんな人だろうと想像してみたら、いろんな像が出てきた。たとえば"いじめから守ってくれる先生"なんて本当に居てほしかった。学生時代の嫌な思い出も、こういう人が居てくれたらもう少し違っただろうと思う。
ただ、今自分のセクシュアリティを主題に話すのであれば、カミングアウトなんてことを考えたこともない若い頃の自分にはこういう人が居てほしかった。身近ではなくとも。
こういう存在が居てくれたら、結局自分のセクシュアリティを悩むことになったとしてももう少し明るい未来を想像できたような気がする。理由は記載の通りで、クローズドだった自分にはそういう人の存在を知る機会も、出会う機会も一切なかった。
どう自分のセクシュアリティを受け入れればいいのかもわからなかったし、誰にどう相談すればいいのかもわからない。指標にできる人もいない。
通っていたスイミングクラブでは「〇〇ってホモっぽいよな!」とチームメイトが、本人がいないところで馬鹿にして笑っていた。
思春期の自分にとってはなかなか酷な状況だった。
なかなかではない。かなり。正直怖くてしょうがなかった。
自分が無理をしてでも先述の"若かった頃に居てほしかった人"になりたい訳ではないが、そういう人が身近に居なかったからこそ、なんとなく目標にしてきた部分もある気がする(これはこれでまた弊害なのかもしれないが…)。
先日、2月の僕のカミングアウトを受けてDMをくれた当事者の学生と直接会うことができた。いろいろ話した中でその学生はこう言ってくれた。
自分もカミングアウトをするまで見たことがなかった人に、若かった頃に居てほしかった人に、たぶんなれているとは思っていたが、実際に自分の姿に救われている人が居る事実を知ることができて本当に、本当に嬉しかった。
あのとき苦しかった自分と同じ思いをする人が1人でも減ればいいという願いも一旦叶えることができた。それによってたぶん、昔の自分も救われた。
その学生の友人の一言が、この先自分がつまずきそうになるたびにきっと何回も心を支えてくれる。
「若かった頃に居てほしかった人になる」
とても難しいことだけど、目指す価値のある目標だと思う。