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さいたま拘置支所刑務官が被告から金品受け取りか

 前記事〈さいたま拘置支所が被告に違法な便宜供与〉の背景が、しだいに明らかになってきた。

 2020年10月29日、森山貴生こと徳留隆成被告(覚せい剤取締法違反でさいたま地裁で公判中)から国選弁護人の村木一郎弁護士に手紙が届いた。

「まず村木先生にオレがあやまらんとあかん事があります」(原文ママ。以下同)

 こう始まる手紙で、徳留被告は次のように打ち明ける。

「貴金属(カルティエの時計180万とシャネルのライター23万とか)はオレの物なのですが、あれを先生に送ってもらった先が刑ム官(さいたま拘の刑ム官)の実話は嫁さんがやってる店(川口市元郷)」

「このオヤジには現金で500万円レターパックで送ってくれた人もいてその金でオレも5万円や小説など50冊程もってこさせたりさせていたのです」

 どうやら、徳留被告は村木弁護士に、「前妻へ貴金属を送ってほしい」と頼みながら、実は、刑務官の妻へ貴金属を送らせていたらしい。

 さらに徳留被告の告白は続く。

「結局刑ム官数十名抱き込み刑ム官めいぼ等も入手」

「誰もがもってない刑ム所の見取図とか平成23年からめいぼある」

 相当数の刑務官が徳留被告から金品の提供を受け、見返りに、様々な便宜をはかるほか、極秘の刑務官名簿や刑務所見取図まで漏洩していた疑いがある。実際、徳留被告は「管区(東京矯正管区。法務省矯正局の地方支部局)が金品とうの流れとか10月6日にだいたいの証拠をもってきてバレてるしオレも認めました」とも書いている。

 村木弁護士に話を聞いた。

「時計とライターは前の国選弁護人が拘置所の手続きを経て徳留被告から宅下げを受けたものでした。その後、私が預り、徳留被告の依頼で、彼の知人女性宅へ宅配便で送付しました。徳留被告の手紙を前提としますと、刑務官が被告人と意を通じて弁護人を『配達人』に仕立てたら防ぎようがありません」

 筆者は法務省矯正局に「現在わかっていることを公表してください」と質問したが、「個別の事案につきましては回答を差し控えさせていただきます」とのことだった。

手紙

徳留被告から村木弁護士へ送られた手紙(人名は筆者が黒塗り)

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