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『はっきりした目的をもち、その実現に一生懸命取り組み、きっと実現できると自分を信じること』 それは、どうやって実現していけるだろう

 組織が何を目指しているのかがわからない。周囲のメンバーと自分の考えが食い違う。そういった感触があると、少しずつメンバーの前進する力は失われていく。ミッション、ビジョンが設定されていても、なぜそうなってしまうのか?ケン・ブランチャードのVisonを参考に考えてみた。はっきりした目的をもち、その実現に一生懸命取り組み、きっと実現できると自分を信じるためには、説得力あるビジョンが必要である。

まとめ
・なぜ?、どこへ?、どのように?が明らかになっていると、力を発揮しやすい。これがビジョン
・個人、チーム、組織、それぞれにビジョンの描きなおしが必要なのだろう。本来、目標設定というのがこれに相当すると良さそう。
・一人一人が充実感を得るには、個人と組織のビジョンに連携している感触が必要。それがなければ孤立した感覚になってしまうだろう。
・ビジョンを描いた上で、目の前の現実を直視して、軌道修正していくことが必要。それが創造的な緊張を生む。挑戦の原動力になる。
・完全には一致し得ないという前提に立てば、組織のビジョンが設定される前に、チームや個人のビジョンを整理しても大丈夫。まずはそれぞれが前向きに動きはじめられることが大事。個人やチームのビジョンを互いに知った上で、組織のビジョンを見直すという順序もあり得るだろう。
・ビジョンづくりは現在進行中のプロセス。1度設定したら終わるというものではない

『成長企業が失速するとき、社員に何が起きているのか?』で指摘されている方向性の喪失、満足感の喪失、アイデンティティの喪失、エンゲージメントの喪失は、ビジョンでつながっていることの裏返しと言えそう。

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【ビジョンとは何か?】

・ビジョンとは、自分は何もので、何をめざし、何を基準に進んでいくのかを明らかにすることである
・自分は何ものかを知るとは、自分の目的を明確にすることである。どこを目指すかとは、自分の未来のイメージを描くことである。何を基準にするかとは、あなたが大切にする価値観のことである。

【ビジョンはなぜ重要なのか】

・優れたリーダーシップはビジョンから始まる。そしてリーダーシップとは、何かを目指すものである
・ビジョンによって集中力が高まり、意欲が増し、卓越した結果を生み出すことができる。
・ビジョンがあれば、逆境にあっても前進できる。

【説得力あるビジョンにある3つの要素】

・自分は何ものなのかという目的
・どこをめざすのかという未来のイメージ
・ビジョン実践の羅針盤となる価値観

【目的】

・目的とは、自分たちの存在意義のことである
・単に自分たちの役割や活動を述べるのではなく、その理由に答えるもの
・目的とは、われわれはなぜこの会社で働いているのか、わが社はなんのために存在しているのかを理解することだ。わが社の真の使命はなんなのかをみんなが理解して、その目的の達成に向かって力を結集させることだ。
・偉大な組織は、奥の深い、崇高な目的を持っている。つまり有意義な目的だからこそ、従業員の熱意をかきたて、やる気を起こさせるのだ。
・表面的な言葉使いより、従業員に伝わる意味の方が重要である

【未来のイメージ】

・最終結果のイメージ。目を閉じた時、まざまざと目に浮かぶようなイメージ。偉大な人間になるといった曖昧なイメージではない
・何をなくしたいかではなく、何を生み出したいかに注目する
・場当たり的ではなく、先を見据えたイメージ
・思い描くのはあくまで最終結果で、そこに至るプロセスではない

【価値観】

・特定の資質を望ましいとする、心の底からの信念。何が正しく、本質的に重要かを示すもので、様々な選択や行動の基準となる。
・日々の出来事に対して、どう行動するかの答えとなるもの
・価値観を実際の行動に移したとき、どのような行動になるのかを説明するもの
・価値観は少数に絞り、優先順位をつける
・価値観はどんな状況でも実践すること。さもないと単なる意欲で終わってしまう。
・個人の価値観と組織の価値観が一致する必要はないが、その人が充実感を得るためには、両者が連携している必要がある。
・価値観とは、ある種の特質を好ましいと考える、強い信念のことである。自分にとって何が正しく、何が大切かは、その人の価値観によって決まる。人は価値観を目安にして、判断や行動を選択していく
・目的が重要なのはなぜの部分を説明するからであり、未来のイメージが重要なのはどこへを明らかにするからであるとしたら、価値観が重要なのはどのようにを説明するからである。
・目的を達成して、未来のイメージに向かって進んでいくとき、日々どのような行動をとればよいかという問いに答えるのが価値観なのである
・メンバーひとりひとりの価値観と、組織の価値観を調和させなければならない

【全社的なビジョンがなくても、チームや部門のビジョンはつくれる】

・ビジョンはどこからでもつくれる。社内にビジョンがなくても、遠慮する必要はない。あなたがチームリーダーなら、チームのビジョンづくりに取り組んでみよう。チームの輝きは社内で注目され、関心を集めるだろう。並行して上司や同僚を説得し、ビジョンをつくろうと呼びかけよう。つまり上にも、下にも、横にも、360度見回してみるのだ。

【ビジョンをいかに創造するか】

・未来のビジョンと同じくらい、現実を正直かつ正確に見据えることも重要である。ビジョンのみでは絵空事にすぎない。逆に目の前の現実にばかり目を奪われていては、動きが取れなくなる
・ビジョンを描きつつ、目の前の現実を直視しようとすれば、両者のギャップから生み出される創造的緊張にさせられる。そうした緊張を進んで受け入れつつ、あくまでビジョンを見失わなければ、現状からの軌道修正に成功し、ビジョンに近くことができる。
・全社的なビジョンがなくても、ビジョンづくりはどこからでも始められる。チーム、部門、あるいは個人で取り組もう
・ビジョンづくりにみんなを巻き込んで、協力して取り組むこと。ビジョンを巡る踏み込んだ議論を引き出して、みんなが意見を言えるようにしよう
・夢や希望を語る場を与えられたり、ビジョンづくりの議論に加わったり、意思決定プロセスに参加を許されたりすると、ビジョンへの理解が深まるし、ビジョンへの思入れも強まり、率先してビジョンの実現に取り組むようになる
・大きな変化を起こす時は慎重になるべきだが、小さな行動によって、リーダーが率先して取り組んでいる姿を見せることも大切である

【ビジョンをいかに伝達するか】

・ビジョンづくりは現在進行中のプロセスなので、絶えず話題として取り上げる必要がある
・ビジョンの理解が十分になったら、その内容を凝縮したスローガンを作るのも良い。ただしスローガンは、みんなに共有されたビジョンに基づいて作ること。例えば、販売促進のみに重点を置いたスローガンにならないように。
・ビジョンが忘れられたり、誰も実践しなくなったりした場合は、スローガンは意味を失い、かえってみんなんお意欲を削ぐものになる。
・定期的に情報を流し、ビジョンが牽引力になっていることを知らせよう。
・様々な事件や変化が起きた時、ビジョンの視点から解釈するよううながそう。

【ビジョンをいかに実践するか】

・ビジョンに基づいて、一連の具体的目標を設定しよう
・過去に学び、未来に備え、現在を生きること
・支援の仕組みを作ろう。以下はその一例。
 -ビジョンにもとづいたプロセスやシステムを構築し、みんなが軌道を外れないようにする
 -組織の運営方針や業務手続きを、ビジョンと連動したものにする
・ものごとの順番を考えよう。船が沈みそうになったら、まず穴を塞ごう
・リーダーはビジョン実践のお手本となって、本気であることを示そう
・ビジョンを書いた額を飾るだけではダメ。本物のビジョンは実践されるもので、飾られるものではない

【あきらめずに進み続けるコツ】

・ビジョンを念頭に置きつつ、具体的目標を定めたり、戦略プランを考えたりしよう。
・変化は必ずやってくる。それでもビジョンから目を話さないこと。
・軌道を外れたと思ったら、ためらわずに目標を切り替えよう。
・行動に移そう。ビジョンが出来上がったら、一貫してそのビジョンを元に行動することが大切だ。プランや構造を採用する時は、少しずつ進むのがいい。最初から完璧なプランを立てることは不可能だ。
・3つのいかにを思い出そう。みんなを巻き込み、オープンな対話を心がけ、行動によってリーダー自身の本気度を示そう。
・ビジョンづくりは現在進行中のプロセスだ。1回切りで終わるものではない。たえずビジョンについて語り続けなければならない

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