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健全の4つの質感。 「バランス」編 (2022年12月コラム)

11月のコラムでは、「健全の4つの質感」の中でも、「秩序」に関して書いてみました。今月のテーマは、「バランス」についてです。

2、「バランス」について

 「バランス」、よく聞く言葉だと思います。この言葉が身体に対して使われる時には、「きっちりと左右対称で、ピタッと安定している」というイメージを持つ人が多いのかなと想像します。「静的な安定」と言ってもいいかもしれません。

 僕としては、身体には、「動的な平衡」という表現を使いたいなと思っています。「いろんな要素が、様々なレイヤーで関連し合っていて、それが、一時的に安定している状態」という感覚です。

 身体って、大きさの違ういくつかのダンボールが積み上がっていて、それが「上下左右、どこから見ても、視覚的に対称である」というような「シンプルな構造」をしているわけではありません。骨や筋肉、神経、血管、リンパ、内臓、そして筋膜など、「いろんなものが複雑に関係し合っている、生きたダイナミックな構造」をしています。なので、「外からの見た目が、形として対称」であったとしても、「内側がしっちゃかめっちゃか」ということもあります。(その逆の場合も、もちろんあります。)

 みなさんの身体には、「常に動的な平衡を保とうとする働き」があって、そのおかげで、冬の寒い日でも体温が一定に維持されたり、片足を怪我しても、「新たな歩き方」で安定しようとしたりします。けど、その怪我が治った後でも、「ずっと同じ平衡が続いている膠着状態)」と、足とは違う部分に負担がかかってきたりします。

そうやって、「(痛みや違和感があったり、本人にとっては)不都合な平衡」もあったりするので、そういう時に、ロルフィングやヨガをすることで、「新しい平衡」を見つけていくことのきっかけになったりします。

 「バランス」という言葉を使う時には、「静的」「視覚的」「部分的」な視点で、「整っているかどうか(そして、それをいかにキープするか)」ばかりが気になってしまいますが、「動的な平衡」の場合には、「新しい今」しかありません。そういう意味で、「身体は、常に新しい可能性に開かれている」と言えます。

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 今年最後のコラムなのですが、メッセージを一つ。

年末年始だけが、リフレッシュする機会ではありません。今日のこの瞬間にも、みなさんの身体は新しい今次の平衡を見つけることができます。12月の残りの時間も、新しい1年も、可能性を楽しんでいきましょう。

みなさん、Happy New 今!!

※「健全の4つの質感」に関しては、僕のオリジナルの考えではなく、「SourcePoint Therapy®」というエネルギー療法のコンセプトを元にしています。「ロルフィング」と組み合わせて、いつものセッションで提供しているものです。

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