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ベントレーより高い新薬「キムリア」体験談

はじめに

このnoteは、白血病の新治療薬であるCAR -T治療(キムリア)についてや、実際にキムリアを経験した際の体験談を書いたnoteです。

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CAR -T治療(以下キムリア)を受けられた方は非常に僅かで、まだまだネット上に体験談が少ないです。これからキムリアを受けられる方やそのご家族にも分かりやすく書いたので、是非読んでみて下さい。

”3500万円”新治療「キムリア」とはCAR-T細胞療法(キムリア®)とは

CAR-T細胞療法は、通常の免疫機能だけでは完全に死滅させることが難しい難治性のがんに対する治療法として開発されました。患者自身のT細胞を取り出し、遺伝子医療の技術を用いてCAR(キメラ抗原受容体)と呼ばれる特殊なたんぱく質を作り出すことができるよう、T細胞を改変します。CARは、がん細胞などの表面に発現する特定の抗原を認識し、攻撃するように設計されており、CARを作り出すことができるようになったT細胞をCAR-T細胞と呼びます。このCAR-T細胞を患者に投与することにより、難治性のがんを治療するのがCAR-T療法です。(神戸市民病院機構より引用)


出典:https://www.kymriah.jp/hcp/moa/car_t.html



更に詳しい説明や治療の流れ等は、以下のリンクをご参照下さい。


簡単に言うと、一度自分のT細胞を取り出してがん細胞を攻撃するように強化し、それを体に戻すといった流れです。

日本ではなんと約3500万円(保険適用)
出典:https://answers.ten-navi.com/pharmanews/16237/


キムリア治療の適応患者

出典:https://www.juntendo.ac.jp/hospital/clinic/ketsuekinaika/patient/

僕の場合は
①19歳
②同種造血幹細胞移植後の再発
だったので、キムリアを受けることが出来ました。

いざ本番

残念ながら白血病が再発してしまったので、アイクルシグべスポンサによる治療を行いキムリアを受けるべく大きな病院へ転院。時期やどこの病院かは控えさせて頂きます。

①白血球アフェレーシス

まずは自分の白血球を採取する白血球アフェレーシスを行いました。

僕は血管が細かったので、イラストのように両腕に針を刺し血を採取するのではなく、足の鼠蹊部からカテーテルを挿入し採取しました。数時間で終わります。

無事に採取が終わり、僕の白血球は海を渡りアメリカへ🇺🇸 アメリカで1ヶ月程かけ製造され、ムキムキになって帰ってきます。

その間治療をストップしてしまうと白血病細胞が増えてしまう可能性があるので、白血球アフェレーシス前と同じくべスポンサによる治療を行いました。

②リンパ球除去化学療法

1ヶ月程かけキムリアが無事完成し、いよいよ投与の日が近づいてきました。

キムリアの投与前に、キムリアの効果が十分に発揮されるように体内のリンパ球を減らすため、数日間の抗がん剤による化学療法(リンパ球除去化学療法)が行われます。

出典:https://www.kymriah.jp/hcp/treatment/flow.html

僕は元々リンパ球が少なかったので、通常点滴される抗がん剤の量を少し減らしました。

③キムリア投与

白血球アフェレーシス、リンパ球除去化学療法を終え、いよいよ投与です。

この小ささでベントレーと同じくらいの値段。恐ろしい。

数人の医師立ち合いの元、カテーテルから点滴をし、ものの数分で終わりました。「こんなものか」と思っていましたが、投与してからが大変でした。

アレルギー反応&高熱

DAY0

キムリア投与してから20分後、急に寒気と震えが止まらなくなり、熱を計ると38度後半。キムリアの副作用ってこんなにすぐ出るのか?と思っていましたが、この震えと熱は、キムリア製剤の中に入っている成分に体がアレルギー反応を起こしていたことが原因でした。すぐにアレルギーを抑える薬を投与し一連の症状は収まり、DAY0はその後何事もなく終了。

DAY3〜DAY10

キムリア投与から3日後、段々と熱が上がってきました。酷い時には40度近くまで熱が上がり、解熱剤無しではしんどい期間がキムリア投与後から10日程続きました。この熱はサイトカイン放出症候群と呼ばれるものらしく、大体の患者さんに現れるそうです。また、高熱の他に出た症状として 手足の神経痛・食欲不振・頭痛・汗を多くかく がありました。これも恐らくサイトカイン放出症候群によるものだと主治医は仰っていました。
これら一連の症状は日を追うごとに落ち着いていきました。

DAY 11〜現在

現在はサイトカイン放出症候群も落ち着き、体調も安定してきています。
元々血球が低かったこともあり血球の回復が遅く、数値が上がってくるのを待ちながら入院をしています。

「キムリアは移植に比べたら楽」という声が多い気がしますが、リンパ球除去化学療法の際の副作用やキムリア投与後の高熱など、決して楽な治療ではない、が僕の感想です。

長くなってしまいましたが、以上が僕のキムリア治療に関する経験談です。一人でも多くの情報を必要としている方にこの記事が届いてくれれば嬉しいです。

2023年4月19日

引用元①
引用元②
引用元③


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