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まるでフォアグラ?大根ステーキの鮟肝のせのレシピ。

アンコウの季節になってきましたね。

飲食店に行けばちらほらと「季節のお勧めのアンコウ鍋」なんていう文字が見えるようになってきました。

見た目がグロテスクな上に、ヌルヌルしていている鮟鱇。


まな板の上で捌くのが難しいことから「吊るし切り」という方法で捌かれています。(料理人はまな板の上でやってしまう人の方が多い印象ですが。)


それでも江戸時代の頃のから「三鳥二魚」と呼ばれる5大珍味の1つであり、歴史的にも名高い高級食材でした。

ちなみに「三鳥二魚」とは鳥は鶴(ツル)、雲雀(ヒバリ)、鷭(バン)の三鳥で、魚は鯛と鮟鱇の事です。鶴を食べると聞くと、ちょっとギョッとしますね。長寿の象徴を食べるのかと。

話が逸れました。

「アンコウの七つ道具」(身肉、皮、水袋、キモ、卵巣、えら、ヒレ)とも言われるほどに美味とされているアンコウ。

そんな鮟鱇の七つ道具の中でも美味される鮟肝を使った、ちょっと凝った料理「大根ステーキ鮟肝のせ」を今回は紹介しようと思います。


鮟肝は煮付にします

「鮟肝 処理」

とgoogleで検索したら色々な方法が出てきますが、僕のお勧めの方法を紹介します。

一、筋をとり、血管に穴を開けて、流水にさらす。
 2時間ぐらいできたらベストですが、水道代が勿体無いので30分ぐらいで十分です。この工程の目的は血抜きです。血生臭さをとるために行います。


二、強めに塩を当て(全体を覆うぐらい・満天の星空ぐらい)30分放置。
 これも臭み抜きの方法の一つです。塩を食材にすると、その塩の濃度を薄めるために食材から水が出てきます(浸透圧)。その出てきた水の中に臭みの成分も入っているので、結果的に臭みが抜けるというわけです。焼き魚を焼く時に焼く直前ではなく、少し早めの段階で塩をふっておくのと同じ理由です。


三、塩を洗い、調理する。
 出汁:醤油:みりんを5:1:1で合わせたものに少々の砂糖を入れ、70度で40分ほど加熱します。これで鮟肝の煮付けの完成です。飲食店とかだと鮟肝ポン酢になっていることが多いですが、蒸し器の準備が面倒なご家庭ではこっちの方が作りやすいかと思います。これだけで食べてもトロトロで美味しいです。


大根も煮ます

大根はシンプルに煮ます。

今回は源助大根という加賀野菜の大根を使いました。煮崩れしにくく、出汁が染み込見やすいという点からおでんに向いてる大根です。

一、米のとぎ汁で大根を戻す。
 竹串ですっと入るぐらいまで。とぎ汁を使って煮ます。とぎ汁を使う理由はとぎ汁に含まれている成分が大根のアクを引き出してくれるのが理由です。

二、流水で米の香りを飛ばす。
 大根に火が十分に入ったら、米の香りを除くために10分くらい流水にかけておきます。大根らしい香りを出汁にも残したいという料理を作る時はこの「とぎ汁で戻す」の工程はスキップします。今回はこの後焼きます、それに加え鮟肝の味も楽しんで欲しい料理なので、大根らしさを前面に出さないような味付けにしたいので、戻しました。

三、煮る。味をつける。
 ここまできたら、後は味を入れていくだけです。ポイントしては甘い調味料(砂糖、味醂)から入れていき、後から醤油を3回くらいに分けて入れていきます。糖分の方が分子の大きさが大きいので、先に塩分を食材に入れてしまうと、甘さが食材に入らなくなってしまうのが理由です。砂の入った瓶に砂利を入れるのは無理だけど、逆ならいける。そんなイメージです。


仕上げる

これら大根と鮟肝を使い、仕上げます。

一、大根を焼く
 大根は水分を拭き取り、塩コショウをし、小麦粉を両面にだけつけます。その後、温めたフライパンにサラダ油を敷き、焦げ目がつくまで焼きます。

二、鮟肝を焼く
 大根と全く同じ要領で、塩コショウをし、小麦粉をまぶし、大根の横で焼きます。こちらはちょろっと焼き色がつけば大丈夫です。むしろ火を入れすぎてしまうと、せっかくトロトロに煮た鮟肝がパサパサになってしまいます。イメージは外はカリッ、中はふわっ、です。

三、盛り付ける
 大根を皿の上に乗せ、その上に鮟肝をのせ、餡をかけ(8:1:1(出汁:味醂:醤油)でとろみをつけたもの)、天に芽ネギを盛れば完成です。


手は混んでいますが、間違いなく美味しいので「今日はすごい料理をしたい!」という日があったら是非お試しくださいませ。

一緒に飲む飲み物としては味がしっかりしていて、旨味があり、この料理にはない酸のある、ぬる燗にしたら美味しい日本酒が合いそうです。福千歳なんかいいかもしれません。


そちらもよろしければ是非。

では^^

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