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ふしきの 〜和酒会席、器違いで愉しむ〜

「ふしきの」という神楽坂にある日本料理と日本酒のペアリングを楽しめるお店に行ってきました。

一応、前編がありそこでは先付〜お造りまでの流れの料理が書かれていますが、こちらだけでも十分読めるものとなっています。

https://note.mu/yutaro13m/n/nb2e7108b51cd

では、お造り以降の料理に移っていきます。

義侠のブレンド なま原酒と熟成酒 7:3

生原酒らしい強さに熟成感をプラスさせた一品でした。

蜂蜜のような熟成香、ビリビリとした酸、熟成由来の旨味と甘味のバランスが絶妙です。

余韻は長く、樽っぽさを感じられます。

それに合わせる料理はこちらです。

鴨ロースと焼き野菜

旨味がしっかりとしている鴨ロースてすが、強過ぎないマスタードのおかげで臭みが全くありません。その上、辛味が強くないので舌の上で酒をヒリヒリさせる事もありませんでした。

おそらく出来上がりに甘辛いタレをかけていて、炭の香りがそのタレに移っているため、焼物らしい香りがずっと楽しめます。

野菜も同じ理由で楽しめました。

その香りと日本酒の香りが交わるペアリング。

圧巻だったと思います。

その流れで次行きます。

越前岬 特別純米酒

穏やかな米の香り。

非常にシンプルで、オーソドックスな日本酒なという印象。旨味、甘味、酸味のバランスが良く、余韻も程良いです。

冷酒で最初いただきましたが、ぬる燗にしても旨味が強くなり、すこぶる美味しかったです。

そんなお酒を3種類の酒器でいただきました。

酒器違いによる飲み比べ。

店主いわく、そこまで多くのお酒を揃えなくても酒器が違えば色々な味を楽しめるよとの事。

確かに味が違う気がするんです。

最初にあたる舌場所が違うから感じ方が違う、などの説がありますが、今のところ何故味の違いが出るのかと言うのは科学的にはわかっていないそうです。

人間の舌というのは、ほんとうに複雑に出来ているようです。

この汎用性のあるお酒のお供に出てきたのは八寸でした。

大まかな内容は

・山椒の香りを楽しめる衣被と山椒味噌。

・紫ずきんという名前の塩味強めの冷えた枝豆。

・濃厚で美味い自家製カラスミ。

・とろける脂と酸味のバランスが絶妙のサンマの押し寿司。

・レーズンで甘味の追加された鶏の松風焼き。

・素材の味が生かされている穴子の炊き物。

・柿の胡麻和え。

・舞茸の香りに大根おろしの辛味が追加されたいくら舞茸。

・凍らせてから酒盗で和えているイカの塩辛。

・おろし生姜との相性抜群のアジの酢の物。

と、多種多様で美味な肴と一緒に色々な器で酒を楽しみながら、店主の話をゆっくりと聞ける素敵な時間でした。

酒はここで一回終わりで、最後の食事は

きのこの炊き込みご飯に湯葉と三つ葉と餡掛け

キノコと三つ葉の香りが絶妙でした。

餡掛けで食べやすくなっていて、三つ葉の香りがアクセント。一緒に出てきた大根のシャリシャリとした食感のせいで食べ飽きもしません。

この後、甘味なのですその前に食後酒のような役割で

土田酒造 山廃 仕込 9割9分

甘めのメロン香り。吟醸香とは違うメロンの香りが珍しかったです。

味わいは強いが酸も立っていて、余韻も甘い。飲んだ後に甘いものを食べたくなる人間にとって、絶品の一杯でした。

コースの中で、その後に出てきたこちらが料理の甘味

自家製の栗きんとん

濃厚な甘味と香り、栗を凝縮させたような味でした。栗と和三盆のみを使用して作っているそうです。

これと共に出てくる抹茶で〆。

目の前で立ててくれる、この香り立つ一品で最後は落ち着きました。

この日飲んだお酒のラインナップはこちら。

どれも美味しかったです。

「料理には酒が必要だし、酒には料理が必要だな」

と思わせてもらえる、素晴らしい経験の出来た日でした。

お値段は高いですが、行く価値ありです。

来月は蟹と新酒がメインのコースをやるとの事。

蟹の甲羅酒を飲むと皆さん何故か

「日本人で良かった」

と言うそうです。

行きたいなぁ。


読んでいただき、ありがとうございました。

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