ネットワークの価値

メタ社の株価が一時19%急伸したという。Facebookユーザ数の伸びが予想を上回ったためと考えられている。

ユーザが多いほど価値は高い

FacebookはSocial Networking Serviceなので、アクティヴユーザ数が多いほどサービスの価値が大きくなる。SNSを使うのは、ユーザがネットワーク上で他の人と繋がるためだからだ。繋がり先が多いほど、意味がある。

SNSはほとんどのケースで会費は無料である。運営者はアクティヴユーザ数を集めることを重視するからだろう。一度これらを運営する基盤を作り、ユーザを集められれば、あとはその規模を拡張していく。そういった意味では、安価に規模を拡張できなければネットワークの価値は最大化できない。

インフラは通信料金を取るべきか

日本のモバイル通信量は高いと言われてきたが、モバイル通信もネットワークだとしたら無料にして利用者を集めた方が良いのではないか。
今までの考え方では少なくともNoだった。通信事業者はインターネットに接続するというサービスを提供しているに過ぎないため、会員数が増えること自体で劇的には価値が高まらないからだ。
もちろん、利用者が多いほど基地局といった設備投資の効率は高まる傾向にあるだろうから、間接的には恩恵はある。

変わり始めた通信のあり方

一方、新規参入した楽天モバイルは無料ではないものの、他の通信事業者と比べて低価格なプランを展開し始めた。楽天モバイルの場合、楽天市場、楽天カードといったオンラインとリアルを繋げるプラットフォームを持っており、楽天経済圏と呼ばれる一連のお金の流れを確立している。
楽天が今後、何で利益を出していこうとしているかは分からない。しかし、一つの方向性としてはモバイル事業でモバイルインターネットを無料に近い形で提供し、Eコマース、エンタテイメントといったサービスと連動・送客することで新たなビジネスモデルを構築するということもあるかもしれない。この時、楽天はユーザ数が多いほど送客の機会を得られるため、会員数の多さが価値になる。よって、モバイルインターネットへの接続の料金を下げる一定のモチベーションになるだろう。

また、povoは月額料金を無料とし、オンライン契約やeSIM対応により利用の障壁をかなり下げている。課金はトッピングと呼ばれる仕組みで行われ、主には通話定額やデータ量のチャージがメインだが、これに加えてDAZNなどコンテンツ利用+定額通信というトッピングも用意されている。これは、povoのユーザが多いほど送客の機会を得られるため、月額料金を無料としてアクティヴユーザを増やす戦略と親和性は高そうだ。

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