見出し画像

CDLE Hackathon 2021にメンターとして参加してみて

メンターとしての参加

@yutakikuchi_ です。

日本ディープラーニング(JDLA)が主催したCDLE(Community of Deep Learning Evangelists) Hackathon2021にメンターとして参加しました。CDLEはJDLAが開催する検定(G検定・E資格)に合格したメンバーが参加できるコミュニティであり、上に掲載したようにコミュニティサイトが最近Openされたようです。

JDLA(一般社団法人ディープラーニング協会)が開催するG検定、E資格を受験・合格することがコミュニティ参加要件です。G検定・E資格を受験・合格した方は全員CDLE”(Community of Deep Learning Evangelists)”のメンバーとなります。各プラットフォームへの参加方法は各サイトのリンク先をご覧ください。

CDLE Hackathon 2021の前提

今回のHackathonのテーマは「都市課題をデジタル・データを活用して解決するサービス・ソリューションの開発」であり、このテーマに対して三菱地所様からカード会員の情報、DENSO様から車の加速度などのデータを頂き、6週間の期間で課題解決の成果物を出すというものです。

CDLE Hackathon2021はG検定・E資格保有者からHackathonへの応募を受付、その中から選抜されたメンバー30名程を5〜6名で1チームに振り分け、合計6チームでアイディアとモノ作りで競い合う形となりました。メンターは各チームに1〜2名ずつアサインされ、メンバー側のお悩みやチームの進行が止まってしまったときに、そのサポートを行うのが役目です。(多分)

メンターとしての学び

僕のチームはメンターもメンバーと一緒に課題を考え、モノ作りを進めるアドバイスをしてきましたが、メンターも学びが多い6週間でした。ある意味会社の中で新規事業のはじめの一歩であるMVPを作るプロセスをマネージャーとして経験したような時間でした。学びとしては、Hackathonで作ったものよりも、Hackathonを実施するプロセス側の方です。

やはりHackathonは最終発表(今回は1チーム10分)と成果物が命であり、本気で賞を取りに行きたいのだとすると、その成果物を徹底的に磨き込む必要があります。説明資料や説明なども含めて。

その前提に立ったとき、成果物の磨き込みにこそ時間を使うべきであり、解くべき課題の決定や作るものの選定をできる限り早めに意思を固めて、準備の時間に当てることが重要です。でもそれが解っていても、うまく行かない。今回のHackathonのテーマは都市課題であり、「都市課題」というものがメンバーそれぞれで見ている視点が異なったり、解くべき課題と企業側から与えられるデータとの接続性が見えづらかったり、テーマから解くべきものを決める・データから解けるものを考えたりなど、トップダウン・ボトムアップ思考の両軸が必要なものでした。

また成果物もどこまで作り込むのかというのを事前に決めることも重要だと感じました。発表会における成果物の見せ方として、現状の仕組みとデータだとここまでできて、追加でこういったものがある・できるとより良い仕組みになる。などの最初にストーリーがあるともう少しスムーズに進んだかもしれません。(そういう意味では、最終資料からまずは作り始めると良かったかも。)

またコロナ状況下・全国各地からメンバーの参加ということもあり、6週間でのやりとりのほとんどがオンライン中心での議論となってしまい、重要事項を流れで決めてしまうようなケースも見られました。Hackathonが終了した後に何人かで話したのですが、チーム内の重要な意思決定については集まれるメンバーはオフライン(集まれないメンバーはオンライン参加)で意見を出し尽くした上で、決定するようなプロセスもあった方が良いという話もありました。

その他として、最終発表に関わった審査員の方々は、提出・発表した最終成果物が技術的な面白さだけではなく、どれほどの提供価値があり世の中にどう受け入れられて広がって行くのかを気にされていた様子を受けました。HackathonのKickoffの際に、「産業社会的なインパクト」「独自性」
「技術力」という項目で採点されると聞いていましたが、現実的に世の中に使ってもらえるイメージを全ての参加者にしてもらうための説明が重要かと個人的に思いました。

まとめると
・Hackathonは最終発表(今回は1チーム10分)と成果物が命。課題設定はできるかぎり早めに。
・最終成果物の磨き込みにこそ時間を使うべき。最終資料から作り始めると良かったかも。
・チーム内の重要な意思決定はオフラインでも行うべき。
・最終成果物が世の中にどのように受け入れられて広がっていく姿が誰でもイメージできる説明が重要。

その他

普段はAIの技術を提供する側としての仕事をしていますが、CDLEのようにAIスキルレベルが一定以上の方が集まったHackathonなどを通して、様々な業界の中でもAI・DX人材が育ってくると、単なるデジタル化ではなく、新しい事業や仕事が生まれるスピードが加速してくると思っています。大きく考えるとこういったHackathonメンターの役目は新しい日本の事業加速のためでもあるかも知れません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?