家づくりを楽しむために夫婦が話し合うべき10のテーマ|夫婦喧嘩ゼロへ!
「家づくりを始めてから、夫と喧嘩がふえた」
「夫とは性格がかなりちがうから、家づくり大変そう…始めのうちに夫婦で話し合っておくことってある?」
という方のための記事です。
この記事では、
わたしたちが家づくりを始めた頃に話し合った、10のテーマ
をご紹介します。
この記事を読むことで、
・夫婦喧嘩がへって、家づくりが楽しい思い出になる
・お互いが大事にしたいことが見える化し、歩み寄りやすくなる
・自分たちの思いが設計士に伝わりやすくなり、理想の家が提案してもらえる
ようになります。
わたしたち夫婦も、2019年に家づくりをしました。
家づくり最中に喧嘩や言い合いをしたことは、0です。
そして、新しい家に住んで2年たった今も、お互い「建ててよかったね~」と満足しています。
「もともと価値観があってたんじゃないの?」
いえいえそうではありません。
じつは、夫もわたしも設計士。おたがいこだわりがとても強いです。
なのに、夫は「楽観的・なるようなれ精神」、わたしは「神経質・慎重」と性格が全然ちがいます。
それでも、家づくり中は喧嘩もなく、打ち合わせもサクサク進み、どちらかが妥協することなく、全力で家づくりを楽しむことができました。
どうして性格真逆のわたしたちが、夫婦喧嘩0で家づくりができたのか?
それは、「家づくりを始めよう!」となったときに、家を建てる目的、家づくりのゴールを、お互いしっかり話し合ったからだと思っています。
といっても、
「どう話し合えばいいの?」
「家づくりしたことないし、目的とかわからん」
という方もいますよね。
なので、もし参考になればと思い、わたしたちが話し合った、家づくりの目的をハッキリさせるための、話し合いのテーマを10、ご紹介します。
じつはこの10のテーマは、設計士としてお客様にはじめてお会いしたときに、意識的に聞くことでもあります。
この質問を深堀りすると、「あぁこの人はここを大事にしたいんだな」と、家にもとめる価値観がわかりやすくなるからです。
つまり、その人にぴったりな家を提案するための、質問です。
この10のテーマを話し合えば、夫婦同士、理解がふかまり、
「そうか、君はここを大事にしてるから、こう言うんだね」
「そっか、あなたはこんな価値観があるから、こうしたいんだね」
と歩み寄りやすくなるんです。
さらに、打ち合わせでは
「自分たちの考えが伝わってない」
という問題がでてきやすいのですが…
始めのうちに、自分たちの考えをきちんと見える化しておくと、いざというときに、希望や要望を言葉にして伝えることができます。
プロに気持ちが伝われば、それだけズレのない、良い提案が受けられるようにもなります。
それに、家づくりでは、とにかく決めなくちゃいけないことが多いです。
土地、お金、会社、間取り…etc
頭がいっぱいで、混乱してきてしまいます。
そんなときに、この10のテーマが、「そうだ、わたしたちが大事にしたいことはこれだ!」とふりかえる原点になります。
家づくりの判断基準、道しるべになってくれます。ブレない家づくりができます。
そして、妥協せず、「建ててよかった~」と思える家づくりができます。
この記事にたどりついてくださったあなたは、きっと家づくりで失敗したくない、後悔したくないはずです。
それは、真剣だからですよね。
自分と家族の幸せが、この家づくりにかかっている、ときちんとわかってるからだと思います。とても素晴らしいことです。
本当は、妥協も、喧嘩もしたくない。
家づくりを楽しみたい、ステキな思い出にしたいと思っているのではないでしょうか。
でも、このままだと喧嘩やイライラで、イヤな思い出になってしまいそう。
せっかく良い家が建てられても、家づくりのせいで夫婦の仲が悪くなるのは嫌だ、と不安になっているかもしれません。
でも大丈夫です。
ちょっとした相手への理解をふかめる意識、歩みよる意識があれば、家づくりは楽しいものに変わります。
ぜひ10コのテーマを使って話し合って、後悔のない、満足のいく家づくりを楽しんでください。
この記事の活用方法
各ステップ順にすすめていけば、あなたたち夫婦の家づくりの目的、大切な価値観が、見えるようになります。
あとから見返せるように、紙とペンをつかって記録してきましょう。
かなり時間がかかると思うので、
・食後の15分だけ
・子供が寝たあとの晩酌タイムで
と日をわけて話し合っても大丈夫です。
それではさっそく始めましょう!
話し合いのルール|これだけはおさえておこう!
まず話し合いのゴールだけ意識しておきましょう。
この話し合いのゴールは、相手の価値観を知る、です。
相手は99%、自分とちがう考えをもってる、くらいの気持ちでかまえておきましょう。
残りの1%を見つけた時は、「それわたしも一緒!」と共感をしめすと、お互いとても嬉しくなるのでやってみてください。
共感できないところがあってもOK!「この人はこう考えてるんだ」と受け入れれば大丈夫。
「えー、わたしはこう思うけどなぁ」と決して否定や意見をしてはいけません。自分の理想をおしつけないようにしましょう。
STEP1 家づくりの目的を書き出す
↓の4つの質問に答えてください。書きだせるだけ書きだしましょう。
①どうして家を建てたいの?
例:家を建てるのが夢だった、憧れがあった
周りに気をつかわない生活がしたいから
今の家が暑いし寒いので、もっと快適な暮らしがしたいから
ガーデニングやプール、バーベキューと家族でのびのびしたいから
②家を建てようと思ったきっかけは?
例:コロナで在宅がふえて、家にもっと快適性がほしくなった
音を気にして子供を叱ってばかり。もっとのびのび暮らしたくなった
家賃よりも、自分の家にお金を払ったほうがいいと感じた
ママ友の新築にお邪魔して、とてもステキだった
③今住んでる家は、なにが良くてえらんだの?
例:駅が近くて、仕事に行きやすい
保育園が近い
静かだけど、子育て世帯が多く住んでる環境
ほどよく広く、収納もあって、ヘヤも足りてる
陽の光がよく入って明るい
④今の家で、気に入っているとこ
例:近所に友達がいる
LDKがつながってて使い勝手がいい
窓からの景色がいい
水回りが広い
STEP2 家づくりの目的を深掘って、自分にとっての豊かさに気づこう
それでは、STEP1で書きだした、②~④の答えを深堀りします。
コツは、「自分の幸せにどうつながるか」「自分にとっての豊かさとはなにか」を見つけるように、「なんで、どうして、どうしたい?」を繰り返すことです。
もうそれ以上答えがでてこないところまできたらOK
「○○になったら、今よりもっと豊かになる」
○○内に、最後に出た答えをあてはめてしっくりくるか見てみましょう。
(例)
音を気にして子供を叱ってばかり。もっとのびのび暮らしたくなった
→他の家に迷惑になるから、仕方なく叱ってるけど、これは親の都合…罪悪感がある
→毎日心おだやかでいたいし、ご機嫌でいたい
「毎日心穏やかで、ご機嫌になったら、今よりもっと豊かになる」
家賃よりも、自分の家にお金を払ったほうがいいと感じた
→賃貸だから自分のものにはならない
→自分のものにしっかりお金をかけたい
→自分や家族のためにお金を使いたい
「自分や家族のためにお金を使えれば、今よりもっと豊かになる」
駅が近くて、仕事に行きやすい
→通勤時間が苦痛になっていた
→通勤時間がみじかいと、体力も時間も余裕がある
→家族や趣味に時間を使いたい
「家族や趣味に時間を使えれば、今よりもっと豊かになる」
水回りが広い
→朝家族が入り乱れるけど、問題ない
→朝の支度がスムーズだし家事も同時にできる
→仕事から帰ってきたときに家事が片付いてると気持ちいい
→水回りは常にスッキリしている方が好き
「水回りは常にスッキリしていると、今よりもっと豊かになる」
「そっか、わたしってここを大事にしてるんだ」と自覚ができてきたのではないでしょうか。
相手とちがうところがあっても嘆く必要はありません。むしろ「そう考えるんだ、面白い!」と新しい発見ができたとプラスにとらえてみてくださいね。
そして、「あれ?もしかして根本は相手と同じ?」ということも出てくるのではないでしょうか。
そう、ゴールは同じなんです。「家を建てて幸せになりたい、今より豊かになりたいとお互いに思っている」、ということに気づくことができれば、夫婦は最強のパートナーでいられます。
STEP3 家づくりに本当に求めることがわかる、10コのテーマについて話し合おう
STEP2では、「家づくりは家族の幸せ、今より豊かになるためにするものだ」、という共通のルールを認識できたかと思います。
STEP3では、「じゃあ自分にとって、相手にとっての豊かさって?」に気づくための質問をしていきましょう。
相手の答えに興味がもてたら、どんどん聞いてみましょう。話しているうちに、相手も自分も芋づる式にでてきますよ。
①何をしてる時に安らげる?
②ずっと続けてるストレス解消法は?
③何をしてる時が1番楽しい?
④「快適だ、心地いい」と記憶に残ってることは?
⑤休日は家でどんなことをして過ごしている?過ごしたい?
⑥思わず「あぁ幸せだぁ」ともらしてしまうのはどんな時?
⑦自分にとっての豊かさとはなに?
⑧子供には、何を大切にして育って欲しい?
⑨どんな家で死にたい?
⑩街にとって自分たち家族はどんな存在でありたい?
10コの話し合いテーマ|わが家の回答例
もしSTEP3で「答えにくいなぁ」というものがあったときのために、わたしたちの答えも発表します!
お恥ずかしいですが、「こんな考えもあるんだ、それならわたしは…」というように、自分の答えを引き出すために使ってみてください。
①何をしてる時に安らげる?
木のさわさわという音をきいているとき
ベッドでゴロゴロしてるとき
膝枕してもらってるとき
仕事がおわって帰りの車で話をするとき
②ずっと続けてるストレス解消法は?
神社巡り、散歩
ゲーム
お酒をのむ
絵をかく
植物をながめる
本を読む
③何をしてる時が1番楽しい?
2人でゲームをしている時
④「快適だ、心地いい」と記憶に残ってることは?
お寺の縁側に腰かけて、軒下とお庭をぼーっと眺めていた時の、鳥の声や苔の匂い、雨音
ケーキ屋のテラスでコーヒーを飲みながら、かわいい建物や飾りをじっくり眺めていた時
⑤休日は家でどんなことをして過ごしている?過ごしたい?
ゲームをしている、2人でゲームをしたい
窓をあけてグリーンのお手入れをしたい
畑でとれた野菜を、丁寧に調理して、おいしいって一緒に食べたい
⑥思わず「あぁ幸せだぁ」ともらしてしまうのはどんな時?
ただぼーっと窓の外をながめている休日
朝起きたときに横をみると同じ寝顔がならんでるのを見た時
描きたいものを描いているとき
昼からお酒を飲みながらやいやいゲームをしているとき
⑦自分にとっての豊かさとはなに?
好きな人たちと、好きな空間で、お気に入りの物に囲まれながら、美味しいものを食べたり、おしゃべりしたり、新しいことを経験すること、穏やかな気持ちで相手を受け入れられること
⑧子供には、何を大切にして育って欲しい?
自分を1番好きでいること、自分を受け入れること
「楽しい」と感じられる生き方を、自分でえらぶこと
自然や風景を美しい、懐かしいと感じられる心
⑨どんな家で死にたい?
大好きな家族が一緒に暮らしてきた家
自分で手をいれて、長年つきあってきた愛着のある家
⑩街にとって自分たちの家はどんな存在でありたい?
ここにあることで、街の雰囲気がよくなったと思ってもらえる家
前を通る人や、車窓から見て、「今日もステキだな」と元気になってもらえる家
STEP4 答えを客観的にながめて、大事な価値観に気づこう
↑のわが家の答えをながめてもらえると、「あーこの人達が大事にしてることはこういうことかな?」となんとなくわかりませんか?
そんな感じで、STEP3で出した自分たちの答えを、全く別の夫婦の答えとして、俯瞰してながめてみてください。
こうすることで、自分たちの大事な価値観に、はっきりと気づくことができます。
家づくりは、自分の人生と向き合うほど、ステキになる
お疲れさまでした。これで、後悔しない満足する家づくりのための夫婦の話し合いはおわりです。
始める前とくらべて、相手のこと、自分のことがより深くわかったのではないでしょうか。
家づくりの道しるべがみえてきたのではないでしょうか。
実は、自分にとっての豊かさや、幸せに向き合えば向き合うほど、家づくりは良くなります。
なぜなら、家は人生の2/3を過ごす場所で。家は自分の生き方といってもいいくらいだからです。
つまり家に、自分が幸せや豊かさを感じられる要素をたくさんつめこんであげればあげるほど、自分にとってとても良い家になるのです。
いくら要望を引き出すプロの設計士でも、完璧にお客様のことを知ることはできません。
自分の人生に向き合って、自分を、家族を喜ばせることができるのは、あなたたち夫婦しかいません。
家づくりは、とてもたくさんの困難があります。疲れてもうやめたい、早く楽になりたい、と妥協したくなります。
そうなったときは、この話し合いを思い出してください。
きっとガチガチになってしまった肩や頭が、ほぐれるでしょう。
もう一度スクッと立てる力にもなるでしょう。
あなたのパートナーと一緒に、素敵な家づくりができますように。
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