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平塚市 海岸公園整備計画への見直しの声、一万筆を超えて増えつづける署名・・「プール跡地だけの整備を。樹林帯は切らないで!」

2023年2月
豊かな海と暮らす平塚市民の会

砂に埋もれた廃墟、海岸プール跡地・・・住民は再整備を望んだ

神奈川県平塚市。海岸と国道134号線の狭間、龍城ヶ丘の一角。
かつてそこにはプールがあり、市民が集った。
昭和12年設立のその龍城ヶ丘プールは、平成25年、老朽化による膨大な修繕コストを理由に廃止が決定された。
砂に埋もれゆく廃墟と化したプール跡地を見つめて、住民は思った。
このプール跡地は再整備されるべきなんじゃないか。
平塚市も当然そのように考えた。
プール跡地の窪んだ地形を活用したスケートボード練習場など、現地の区画内で実現可能ないくつかのアイディアが、パブコメを通じ市民から提示された。
しかし平塚市は平成29年、現地の三倍以上の面積を開発・整備する計画を発表した。その候補予定地にはプール跡地のみならず隣接する海岸樹林帯が含まれていた。

海岸樹林帯を切るなんて、住民は提案も了承もしていない

プール跡地整備計画の発表を遡ること数か月前、平塚市は、Park-PFI制度を盛り込んだ都市公園条例の一部改正案まで可決させている。
地元住民はどよめいた。
プール跡地に隣接する海岸樹林帯は、湘南海岸に強く吹き付ける相模湾からの風を遮り、穏やかなそよ風に変えて、住民の暮らしを守る「砦」の役割を果たしている。
それを切るなんて、提案も、了承も、していない。

豊かな海と暮らす平塚市民の会

平塚市の計画の進め方に対し疑問をもった地元住民はひとりまたひとりと立ち上がっていった。「海岸樹林帯を守ろう」と思いを等しくする者たちが自発的に集まり、自然環境を考え、暮らしを考え、海を大切にする自分たちの基本的な願いに到達する。自ずといくつもの市民団体が結成され、それらは同じ目標を掲げ、当然のように足並みを揃えていった。「豊かな海と暮らす平塚市民の会」もその一つである。

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自然災害から暮らしを守る海岸樹林帯の保全を訴える

湘南海岸一帯に広がる海岸樹林の植樹事業には、過去およそ100年が費やされてきた。それは昭和3年(1928年)の昭和天皇による植樹を起点とする「魚つき林」としての大地と海の肥沃化の機能に始まる。以降、生態系としての豊かさ、東日本大震災で証明された津波被害減災効果に至るまで、海岸林は多彩な役割を日々無言で担い続けている。市民団体らはその歴史を学び、理解し、尊重し、国土強靭化基本計画に紐づけられたグリーンインフラとしての海岸林を平塚市による開発から守ることを目標に掲げた。平塚市に対しプール跡地整備のみを実現するよう働きかけ、同時に、市民に向けてその協力が不可避であることも訴え続けている。

なぜ、プール跡地だけでなく隣接する海岸樹林帯まで切られなければならないのか。
住民たちの抱いた違和感は、市政への不安を増大させた。
そもそも市政に対し、地元住民がそのような違和感を覚えるということ自体、市政が市民の思いに寄り添っていないことを示している。市民団体らは、整備事業計画の背景と仕組みに迫り、次々と手順の不透明さや安全面での不備を暴いていった。市民の暮らしと安全を最優先に置いた活動を展開する中で、里山、河川、海岸、うみ、それらの繋がりとそこに生きる無数の生命への敬意をこめて、この問題を必ず解決に導かなければならないと日々奔走している。
地球規模でSDGs、ESGへの取り組みが社会的課題となっている昨今、緑を大切にする社会風潮を子どもたちに継承していく教育の傍らで、平塚市が実施しようとしている公園整備の在り方を問う。自然との共生の中にあって暮らしを豊かにする人類としての命題である。

プール跡地整備計画は2回の着工延期を判断

ひらつか海岸新聞 第7号整備計画は2度も延期されるほど不完全なものであった

平塚市の整備計画は、令和3年12月及び令和4年6月の2度にわたりその着工が延期された。安全面での事前確認やそのための準備期間設定が不完全なものであったことによる。国道134号線との連結と交通の危険性を指摘されるなど、平塚市が真剣に市民の安全と豊かさを考えればおよそ初期段階でクリアすべきであった課題について、議論が不十分なまま進められていた事実が明らかとなった。これにより、計画の請負い先の積水ハウスと平塚市との連携の浅さや周辺地域への安全面での配慮不足が露呈し、住民の不安は一気に不信感へ傾くこととなる。

地元6自治会主催の住民説明会の実施(2022年11月)

地元自治会会長らは、海岸林の大切さを理解し市民団体らの活動に共感したうえで、平塚市に対し樹林帯の伐採をやめプール跡地のみの再整備とするよう計画の見直しを求める意向を強く示した。中でも、市民団体らの活動に賛同した平塚市南側エリア6自治会は、自治会主催による地元住民を対象とした住民説明会を開催し(令和4年(2022年)11月)、樹林帯の機能と大切さ、望まれる整備対象は現在も廃墟である龍城ヶ丘プール跡地のみであることを再度確認し、その立場を明確にした。この住民説明会の開催に際し、主催者らは落合克宏平塚市長に郵送により出席を依頼したが、落合氏は調整がつかず欠席と回答した。

計画見直しを求める署名、一万筆を超える

「平塚海岸の樹林帯を切らないでください」

市民団体らは、平塚市に対し、市政において重要視されるべき市民感覚として海岸樹林帯保全の意向を種々の方面より訴え続けている。また、地域に対しても、計画への正しい解釈と海岸樹林帯保全への理解を求める認知拡大に継続して取り組んでいる。

「自治基本条例に則った平塚市のまちづくりを求める平塚市民の会」(住所:平塚市 東真土)は、落合克宏平塚市長に対し、これまでに海岸樹林帯の伐採をやめるよう2回に渡り署名を提出した。2023年3月現在、その数は一万筆を超え、勢いはさらに増し県外にも波及している。
住民の声を無視し、津波被害、台風時の高潮、毎日の塩・砂・風といった相模湾独特の厳しい環境に置かれる地域住民の暮らしを犠牲にしてまでもPark-PFI制度を活用した駐車場への16億円の血税の投入が、どれほど意味があることなのか、ESGの観点からも再考されなければならないことを強く指示している。
平塚市政の在り方が注目を浴びている。

整備計画の進め方の妥当性を市政関係者に聞く

2023年1~2月、「豊かな海と暮らす平塚市民の会」と他4団体は、整備の進め方についての意見交換や対話等に資する参考情報を広く市民へ提供するため、平塚市の市政関係者及び地方統一選挙立候補者に対し、公開アンケートを実施した。本計画の推進について前向きな議論が可能になることが期待されている。

龍城ヶ丘プール跡地の整備に関する公開アンケート実施報告 詳細版

(動画 3:36)公開アンケート結果を解析しました ダイジェスト版

ご支援のお願い



プール跡地だけの整備・整美を望みます。樹林帯は切らないで!

お読みいただきありがとうございます。

「龍城ヶ丘プール跡地」だけを整備・整美する。
これを可能にするため、わたくしたちは平塚市と共に創造する方向性を求めて、平塚海岸の樹林帯を伐採しない公園整備の在り方を尊重していきます。

美しい海岸と湘南の風との共存を可能にする平塚海岸の樹林帯

地元住民が望む「こうあってほしいな」というプール跡地整備・整美への想いが、どうか平塚市政へ伝わりますように。
そのために、市民一人一人ができるアクションがあります。



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