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【AISTS #36】 31週目 外出自粛11週目/医学モジュールと東京2020延期に関するIOCの説明 (2020/5/25-31)

スイスではロックダウンが段階的に緩和されており、5月30日からは公共スペースでの30人までの集まりも解禁されました(これまでは5人まで)。
6月6日には全てのレジャー・観光施設、大学などの授業も再開予定で、AISTSは教室での出席とオンライン配信を並行していきます。

いよいよ最後のモジュールである Medicine の講義が始まりました。
チームプロジェクトのレポートは無事に提出でき、一安心です。

Medicineの講義

6月中旬まで続く最後のモジュールは医学 Medicineです。

ちなみに全6モジュール(Management, Technology, Law, Medicine, Sociology, Transdisciplinary)の一つです。
個人的には、他のモジュールと並ぶ位置づけで重要視されていることが意外でした。
アンチドーピングはLawやTransdisciplinaryでカバーされており、Medicineのモジュールではアスリートの健康、パフォーマンス、怪我などが主なトピックです。

 シラバスでの大きなくくりは以下の通り。

1. Sport Medicine Project
2. Managing Health
3. Managing Performance in Sport
4. Managing Injury and Illness in Sport

1のプロジェクトは、2〜4の講義を踏まえて、2人組で対話形式のPodcastを録音するというものです。
昨年のプロジェクトはこちら

また、火曜日は通常の講義ではなく、生理学的な機能(physiological functions)について、4〜5人のグループで45分間で概要を整理して10分のプレゼンをするというものでした。

具体的なトピックは以下の通り。

• Muscle Function(筋肉機能)
• Nervous system(神経系)
• Heart and Cardiovascular system(心臓血管系)
• Respiratory system(呼吸器系)
• Endocrine system(内分泌系)
• Energetic Metabolism(エネルギー代謝)

内容的にあまり馴染みがないことに加え、専門的な単語が多く出てくるのでなかなか大変です。
45分間だけの準備では自分が自信なく発表しているので、他のグループのプレゼンもどこまで信用していいものか悩ましいところでした。
もちろん、プレゼンの後には講師からのフィードバックと補足があるのですが、個人的には理解を深めづらい形式でした。

東京2020延期について by IOC

木曜日は通常の講義は休みで、東京2020の延期について、IOCのOlympic Games Executive DirectorであるChristophe Dubi氏によるOnline Chatがありました。

まだまだ不透明な部分が多く、IOCとしてポジティブなメッセージを発信する必要があることを踏まえる必要がありますが、責任者の直接の声を聞くことができたのは興味深かったです。

以下、内容のメモです。

延期の意思決定
・日々状況が変わり、単発ではなく継続的な対応が必要なクライシスで、意思決定が難しかった
・3月23日にWHOが「パンデミックが加速している」との表明を出すまでは実施の方針で進めていた
・延期決定に対する国際競技連盟の反応は、抵抗 resistance ではなく安堵 relief だった(アスリートのトレーニング継続、公平な選手選考、十分なドーピング対策などの懸念)

延期決定後の対応
・2021年にどのような状態での開催(final product)を目指すのか
・そのために必要なシステム整備(追加予算確保、会場/日程調整、増員済みスタッフの処遇など)
・3つのシナリオの準備
 A:世界でアンダーコントロール
 B:日本ではアンダーコントロール
 C:日本も含めてコントロールできていない

追加コストの負担
・開催都市契約で、IOCを含むオリンピックファミリーと開催都市が負担すべき項目がそれぞれ定められている
・追加コストについても、その範囲でそれぞれが責任を持つ

オリンピックファミリーへの財務面の影響
・オリンピックを含む各種大会の延期/中止により収入が大きく減少
・IOCとしては、各国政府からの支援を得られるように助言
・各組織のベストプラクティスの情報プラットフォームとなる

スポンサーへの影響
・スポンサーは非常に理解があり協力的で脱帽 "Hat off"
・日本国内スポンサーも、出向者の期間延長などに快く応じてくれている(組織委員会との信頼関係とオリンピックの重要性が窺える)

中止の可能性
・議論するにはあまりにも時期尚早で悲観的
・2021年開催に向けて150%で動いている

今後の大会への影響
・北京2022は東京の半年後(2月開催)で、ロジスティクスは効率的にできる
・アジェンダ2020に基づき(コロナとは関係なく)、パリ2024からは開催都市や競技連盟の裁量が大きくなる
・東京2020の経験は、今後の全ての計画に反映されていく

オリンピックの価値
・様々な国、文化、社会階層の人々が一つの目的のもとに一堂に会する
・2021年の大会は、人類の危機の克服という強いメッセージに

一連のプロセスからの学び
・各国で様々な活動が規制される中で、心身の健康のためにスポーツが重要な活動として位置づけられた
・業務の効率化(リモートでのコミュニケーションの確立)
・集団的責任(collective responsibility)の重要性の気付き

動画が公開されているので、ご興味のある方はどうぞ。英語です。

チームプロジェクトのレポート

6月1日が締め切りとなっていたチームプロジェクトのレポートは、無事に提出できました。
先週の合宿の成果もあり、比較的余裕を持って締め切りを迎えられました。

最終的に、本レポート(66ページ)と付属資料(33ページ)になりました。
テキスト部分は重複を除いて、実質50ページくらいです。

クライアントに依頼していたパートがなかなか送られて来ず、最後の数日に少し焦りましたが、結果的には週末にも細かい修正に応じてくれました。
それができるならもっと早くやってくれ、というのが正直なところですが、なんとかなったので良しとしましょう。

あとは6月29日のプレゼンを残すのみとなりました。
最後までクライアントといい関係を保って、満足してもらえるように頑張ります。

久しぶりの再会

先週はチームプロジェクトのメンバーだけでしたが、今週は何人かの誕生日が重なったこともあり、多くのクラスメートと再会しました。

湖畔では、もはや夏のような光景が広がっています。
この季節は晴れると気温は20度台前半。湖の水はまだ冷たいですが、泳いでいる人もちらほらいました。

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レストランやバーも、1テーブルに4人まで、テーブル間隔は2m以上という制限で営業を再開しているので、久しぶりに飲みにも行ってきました。
やっぱり直接会って話すのはいいものですね。まだあまり頻繁に行くつもりはないですが、たまにはいいかなと。

来週の予定

月曜日は聖霊降臨祭でお休み、火曜日からはまたMedicineの講義です。
チームプロジェクトのレポートが終わったので、個人の卒業研究と就職活動に力を入れていきます。

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