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【AISTS #31】 26週目 外出自粛6週目/リスクマネジメントWebinarと面接対策 (2020/4/20-26)

先週はイースター休暇でした。
今週からオンライン講義が再開しましたが、チームプロジェクトや卒業研究用の時間、面接対策などが多く、本格的な講義に戻るのは明日からです。

スイスでは、これまでも外出"禁止"になってはいませんでしたが、明日(4月27日)から段階的に制限が緩和されます。

大学については、6月8日の第3段階でキャンパスでの講義が再開という政府発表でしたが、AISTSは6月末までキャンパスでの講義は行わないとの連絡がありました。
もともと、7月以降は卒業研究とインターンシップの期間だったので、通常通りの講義に戻ることはなく、個人単位の活動期間に入り、12月の卒業式を迎えることになります(卒業式にはみんなで集まれる状況になっているとよいのですが…)。

イースター休暇の過ごし方

チームプロジェクトや卒業研究など、やるべきことはあるものの、普段より時間があることは事実なので、就職のことを考えたり、自分に向き合う時間を意識的に持ちました。
新卒のときのエントリーシートを引っ張り出してみたり、自分のTwitterをさかのぼってみたりするのも面白かったです。

とはいえ、振り返ると、この1週間で生活リズムは崩れましたね。
もともと夜型なので、朝に講義がないとなると、夜は延々と本を読んだり動画を見たりしてしまいます。ダラダラしている時間も多かったです。
チームプロジェクトは変わらず動いていたので、そのミーティングに合わせて起きることもあり、やはり自分にはある程度の外部の力が必要だなと実感しました。

今週も毎日講義があったわけではないのでまだ引きずっていますが、明日からは毎朝9時スタートなので仕切り直します。

面接対策

火曜日は、就職活動における面接対策の講義を受けました。
一般的なマナー、頻出質問と回答のポイントなど、よくある内容ではありましたが、このタイミングで一通り整理できたのはよかったです。

土曜日には、オンラインでの模擬面接(Mock Interview)がありました。
面接官は、実際にスポーツ組織で働く卒業生です。

火曜日の講義の内容を踏まえて準備をし、もちろん英語でやるわけですが、このプロセスは有意義でした。
このような内容に限った話ではありませんが、英語で話そう(書こう)とすると曖昧な表現ができないので、自分の考えをより正確に言語化する必要があります。
具体的には、主語と述語、述語と目的語の関係がはっきりさせることが必要です。
日本語では曖昧な表現ができるので、同時に、思考も曖昧な状態で止まっていることが多いと感じます。
あと、英語力の問題でアドリブに不安があり、より入念に準備することも、結果的にはいい影響があると思っています。

当日は、概ね考えていることを伝えることができ、少し自信になりました。
自分でこういう機会を作るのは得意な方ではないので、プログラムで半強制的にやってもらうのは、自分にとっては一つのメリットです。
キャリアコーチもいるので、もっと積極的に活用して「伝える機会」を作っていこうと思います。

リスクマネジメントのWebinar

木曜日は、外部からも聴講可能なオンラインセミナーがありました。
テーマは「新型コロナウイルスと(スポーツイベントの)リスクマネジメント」です。
講師は、オリンピックやFIFAワールドカップのリスクマネジメントを担当し、現在は保険仲介会社に勤めるPatrick Vajda氏でした。
国際競技連盟の職員をはじめ、世界80カ国から500人以上が視聴していたとのことで、国際スポーツ界におけるAISTSのプレゼンスを示すものだったと思います。

内容として興味深かったのは、今後の感染症リスクに対する保険制度の見通しです。
結論としては、感染症リスクを対象とする保険市場は縮小し、半年程度で加入は可能になるものの保険料は高く、当面は肺疾患(pulmonary syndrome)による損害を補償対象とすることは不可能だろう、とのことでした。

そもそも、損害額が大きく、加入者の母集団が小さいという特性上、保険として成立しづらいということが前提にあります。
(今後、感染症リスクの認識が高まり、母集団が大きくなることは想定されます。)

引き合いに出して説明されていたのがテロでした(以下の記述は、講義内容に加えて、私自身で調べた内容も含みます)。
大きな契機となったのは2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件です。
当時はテロリスクの認識が高くなく、引き受け対象と免責のいずれにも明記されていないケースも多かったそうですが、結果的には多くの保険会社が保険金を支払い、保険会社と再保険会社の経営に大きな影響を与えました。
その後は、再保険会社がテロリスクの引き受けから撤退し、保険会社はテロリスクを免責とする、あるいは多くの制約と高い保険料をかける結果となりました。

一方で、スポーツイベント主催者を含む関連産業(建設、交通、旅行など)では、各国における格付けや許認可取得のためにテロリスクへの対応が求められるようになりました。
しかし、上述の通り保険料は非常に高くなってしまったので、国としては自国企業の競争力を維持するために、共同でテロリスクを引き受けて保険料を引き下げるテロ保険制度が設立されました。
競争法の特例適用や、最終的には政府による補償が組み込まれています。

専門的な内容は割愛しましたが、テロリスクに対する保険はこのような経緯で、事業として現実的な保険料でカバーできる仕組みが構築されました。
感染症リスクについても、今のまま保険会社に対応を求めることは難しく、より高いレベルでの仕組みづくりとそのための時間が必要ということです。

来週の予定

Transdisciplinary(分野横断的な)モジュールで Innovation & Business Design の講義があり、木曜日にグループプレゼンです。
週末には、チームプロジェクト、卒業研究ともに最初のドラフト提出です。
引き続き、前向きに、今できることをやっていきます。

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