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【AISTS #6】 4週目 初めての試験と財務会計 (2019/10/14-20)

今週は初めての試験がありましたが、講義は実務経験のある財務会計だったので、まだ引き続き余裕がある日々でした。自分なりにテーマを持って、もう少し追い込んでいかないとなと思っています。スケジュールを見ると、1ヶ月後にはそんなことも言っていられなくなりそうですが。

初めての試験

AISTSのプログラムで初めての試験は、Strategic Management of Sports Organisation の試験でした。A4のレポート用紙に英語で記述する形式で、持ち込み不可、時間は60分間でした。

参考までに設問は、

オリンピックシステムに関して、
 1. 主なステークホルダーを答えよ。
 2. よりよいガバナンスのために、新たに認識すべきステークホルダーを答えよ。
 3. 戦略の議論をする上で、なぜステークホルダーが重要か。
 4. 戦略とガバナンスはどのような関係にあるか。
 5. 国際競技連盟のガバナンスはどのように評価すべきか。

先日の記事に書いた講義の内容ですね。

最近の日本での動き

試験の設問の「ステークホルダー」に関連して日本の話題に触れると、ちょうど今週、体操の内村航平選手、陸上の大迫傑選手が相次いで大会創設を表明しました。
選手が参加者としてだけでなく、運営側にも直接関わるステークホルダーとなってきています。

最近の流れとしては、競技連盟の旧態依然とした体質が批判され、アスリートやファンの思いが蔑ろにされている、という論調が目立ちます。この大迫選手のツイートに対しても、現役選手を含めて多くの賛同や応援の声があがっています。

そういう面があることは事実だと思いますが、特に育成・普及活動を中心に、スポーツの持つ「公共性」「社会性」といった観点からは、連盟が果たす役割は重要です。
今回のような見えやすい動きだけに反射的に反応して、「選手はすごい、連盟はダメ」といった単純な二元論にならないことを期待します。それぞれが持つ力を活かして、役割分担していくことが、競技の発展につながると思います。

選手個人で広く情報発信ができる時代になり、特に知名度のある選手は、大きな動きを作り出すことができるようになりました。
一方で、早速このような報道が出たように、「煽り」によって意図しない議論に発展するなど、発信力の増大に伴ってトラブルが起こるリスクも大きくなり、悪いケースでは選手としての活動に悪影響をもたらす可能性もあります。それに対して個人で責任を負えるのか、どのように対応できるのか、新たな課題として浮かび上がってくるものと思われます。

いろいろと書きましたが、基本的には歓迎すべき新しい動きであり、試行錯誤の中でよりよい形が具現化されていくことを期待しています。

Accounting & Finance

プログラムの内容に戻ります。
Accounting & Finance の講義が始まりましたが、取引が発生した時の仕訳に始まり、貸借対照表 Balance Sheet、損益計算書 Income Statement、キャッシュフロー計算書 Cash Flows Statement を作りましょう、という基本的な内容でした。
個人的には、仕事で日々触れていたので、(不遜ながら)やや退屈な内容でしたが、クラスメイトの半分くらいはゼロからのスタートで結構苦戦していました。多様なバックグラウンドの学生を集めている難しさですね。

できることを単純にこなしているだけではもったいないので、スプレッドシートを共有したり少人数の勉強会を開催したりして、コミュニケーションを取る機会として活用しています。

スポーツ関連の内容としては、選手の移籍金の扱いが話題にあがりました。
基本的には、支払った移籍金は資産として貸借対照表に記載され、契約期間で償却されます。

例えば、

10億円の移籍金を払って獲得して5年契約の場合は、10億円の資産が計上され、毎年2億円を減価償却。
3年目の末には資産の帳簿価額は 10 - 2*3 = 4億円となっており、その選手が他のチームに移籍して50億円の移籍金を受け取った場合、差額である46億円の売却益を計上。

選手は移籍金がなければ資産計上されないので、クリスティアーノ・ロナウドはユベントスの貸借対照表に100億円くらいで載っていますが、下部組織出身のメッシはバルセロナの貸借対照表には載っていないということですね。

課外活動(遊び)

週末はトリノに行ってきました。ロンドンとフランクフルトにいる大学の同期と現地集合。
メインは土曜日夜のセリエA ユベントス対ボローニャの観戦でした。ボローニャ所属の冨安は、先日の日本代表での負傷で残念ながら登録外。
クリスティアーノ・ロナウドのここぞという時のプレーは圧巻でした。世代的に、ブッフォンの活躍を見ることができて嬉しかったです。

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日曜日はスポーツバーでのラグビー観戦と、軽く市内観光。日本代表の敗退は残念でしたが、ベスト8は立派な結果ですね。
初めての決勝トーナメントで戦ったこの1試合の経験は、4年後に向けた大きな最初の一歩になるはず。今後の人気定着に向けたラグビー界の取り組みが楽しみです。

ローザンヌからトリノはバスで片道5時間半、2,000円。行きはたまたま隣になった日本人と語らって(これはラッキーでしたが)、帰りはしばらく爆睡した後、この記事を書いていてあっという間だったので、長旅のつらさはほぼ無かったです。陸続きのヨーロッパを堪能しています。

来週の予定

前半は Business Strategy in Sports の講義。興味のあるエリアなので楽しみです。
後半は法律の講義で、そこから2週間半くらい続きます。
今更ですが、月曜日の1限目は法律、というように決まっているわけではなく、1ヶ月分のスケジュールが順次配布されます。テーマによって、数日〜数週間続けて同じ内容の講義が続くことが多いです。

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