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ビジネスと日常生活で使える行動経済学の基礎

・ビジネスやプライベートで自分の意見を通したい。

・高いモチベーションを保ち生産性を上げたい。

・今まで以上に商品やサービスを売りたい。

行動経済学について知りたいと考えている方の中には、以上3つのような願望を持っている方が多いのではないでしょうか。

行動経済学の基礎を知ることは、この3つ実現するために非常に有用です。

今回はビジネスと日常生活で今すぐ使える行動経済学の基礎を紹介します。


行動経済学とは

一言でいうと、行動経済学=心理学+経済学のことです。

従来の経済学では人は合理的に消費活動を行うことを前提としていました。ただ実際の人の消費活動は必ずしも合理的というわけではありません。

ダイエット中に買ってしまうお菓子、セールだから買ってしまった洋服など
日々の買い物に非合理的な行動はつきものです。

そこで心理学(不合理的な考え方)と経済学(合理的な考え方)を兼ね揃えた実用的な行動経済学が誕生しました。この行動経済学を知ることで、人の思考のクセを知り、そこにピンポイントでアプローチできます。

言い換えれば、行動経済学を知り、活用することで、自分や相手の判断に影響を与え、結果をコントロールできるということです。

人の思考の特徴

行動経済学は人の思考、つまり判断に影響を及ぼします。そのため、まずは人の思考について知っておくべきです。その人の思考には、「ヒューリスティック」と「システマティック」の2つがあります。

ヒューリスティック

ヒューリスティックとは、物事に対し時間をかけず、直感的に判断することをいいます。

具体例をあげると、スーパーやコンビニでの日常的な消費活動を行うときの判断です。またこのヒューリスティックは大きく3つに分類することができます。

利用可能性ヒューリスティック

利用可能性ヒューリスティックとは、普段から触れている情報に依存し偏った判断してしまうことです。代表的なものとしては「選択的知覚」というものがあります。

選択的知覚とは、興味関心が高いものを無意識的に見聞きしてしまうことです。自分と同じ服を着ている人が周りに多いと感じるときや、同じものを使っている人が多いと感じているときありませんか?

実際には、そんなことはなく、あなたが関心のあるものしか目に入っていないだけかもしれません。

代表性ヒューリスティック

代表性ヒューリスティックとは、物事の性質や特徴で判断してしまう、典型例が全てと思い込んでしまうことです。代表的なものとしては「固定観念(ステレオタイプ)」があります。

固定観念とは、先入観をもって判断してしまうことです。具体的には公務員というだけで、真面目だろうと思い込む、学歴がいいから仕事ができそうに見えてしまうなどの先入観が挙げられます。

固着性ヒューリスティック

固着性ヒューリスティックとは、自分の都合がいいものを正しいと判断してしまうことです。

代表的なものとしては「プラシーボ効果」があります。プラシーボ効果とは、思い込みだけで効果を感じてしまうことです。

具体的には、実際の素材等にかかわらず、値段が高いものの方が安いものより価値が高いと感じることが挙げられます。また薬を飲んだという事実のみで、その効果に関わらず病気が治るだろうと思い込んでしまうことも一例です。

システマティック

システマティックとは、物事に対し時間をかけ、合理的に判断することをいいます。高い物を購入するときや、仕事での重要な決断など絶対に間違えたくことなどです。他にも車、家など非日常的な消費活動を行うときの判断もこれに該当します。

行動経済学が役立つケース

行動経済学とは、人の思い込みであるバイアスを利用する経済学です。熟考するより直感で判断するケースの方が、時間をかけず非合理的に考えてしまう傾向が強いため、思い込みであるバイアスは起きやすくなります。

つまり、直感的な判断が必要なヒューリスティックに対しての方が行動経済学の与える影響は大きいです。

では合理的な判断が必要なシステマティックには影響を与えないのかと言われると必ずしもそうではありません。

合理的な判断が求められるシステマティックな場面においても、仕事であれば納期、買い物であればセール期間など、限られた時間の中で判断しなければならないことが大半を占めます。

そのためどんな物事でも現実的には100%合理的に考えることは不可能です。つまり効果の大小こそあれ、行動経済学はどんな場面でも役立つといえます。

ビジネスと日常生活で使える行動経済学

行動経済学の中でもビジネスや日常生活でより実践的で効果が高いものについて3つ紹介します。

極端の回避効果

極端の回避効果とは、人は極端な意見や選択肢を避ける傾向にあることをいいます。例えば外食で500円、1000円、1500円といった3つの選択肢が合った場合、真ん中の1000円が選ばれやすいと言われており、これが極端の回避効果の一例です。

極端の回避効果は、自分の意見を通したいときにも活用できます。例えば自分の通したい意見Bがあるとしましょう。他のA,C案を極端にすると、B案だけで提案したときに比べ、意見が格段に通りやすくなります。

アンカリング効果

アンカリング効果とは、最初の印象がのちの判断に影響を与えることをいいます。

例えば、元々1000円で入場できるイベントがあったとします。それが400円に割引されたとします。元々400円と言われるよりお得に感じると思います。これがアンカリング効果です。

この効果を、ビジネスで仕事をお願いしたい時に活用事例を1つ挙げてみます。ただ仕事をお願いするのではなく、最初に自分の仕事量の多さ、例えば100枚の書類が溜まっていることについて話します。その後に一部である10枚の書類を手伝ってほしいとお願いしてみて下さい。

最初に伝えた仕事量が相手の頭のイメージに入っているため、いきなり仕事をお願いするより、手伝ってくれる可能性が上がるはずです。

締め切り効果

テスト前日に慌てて一夜漬けした経験一度はあるのではないでしょうか。一言でいうと、これが締め切り効果です。締め切り前になると、その焦りからやる気が出ることをいいます。

これを普段の仕事や勉強に活用してみましょう。締め切りを設定することによって、作業効率が格段に上がると思います。

とはいえ、一つの物事に対し、締め切りを設定しても締め切りまでの期間が長く、その直前までだらけてしまう可能性が高いです。そこで細かく締め切りを設定することをおすすめします。

例えば、今日の数学の課題があるとします。そのとき20問を60分以内に終わらせるとするより、5問を15分以内に終わらせるようにしましょう。締め切りまでの期間が短いため、締め切り効果を高くすることができます。

まとめ

今回は、行動経済学の基礎とビジネスと日常生活で使える行動経済学を紹介しました。

まずは、その行動が「ヒューリスティック」「システマティック」のいずれに該当するか判断しましょう。「ヒューリスティック」に該当する場合には行動経済学がより効果的に活用できます。

具体的にビジネスと日常生活に使える行動経済学として、「極度の回避効果」「アンカリング効果」「締め切り効果」を紹介しました。

いいなと感じたものについては、いますぐ実践してみて下さい。実践することで行動経済学への理解や納得感が記事を読んだときの数倍高まるでしょう。

行動経済学は全ての事柄に対して万能なものはありません。今回紹介したものをまず実際に試してみて、自分に合ったものを継続して活用してみましょう。


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