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俺の60のキーワード【14.事業サイドと受託業務サイド】

1984年アメックス新卒入社でビジネスキャリアが始まり、1996年にはアメリカの広告代理J.Walter Thompsonのダイレクト事業会社Thompson Connectを経て、1999年にMembersに入社、今にいたる。かれこれ38年働いてるわけになるが我ながらこの年数にびっくりな今日この頃である。三社を経験してとても良かったのは最初の13年間は事業会社、その後はマーケティング支援(受託業務会社)という相対する業務に従事できたことは大きかった。アメリカなどでは事業会社と広告代理店などは相互行き来するキャリアがあるが、日本ではまだまだ根付いていない気がする。キャリア採用は増えているがすごくワークしている状況ではない?特に上位クラスでのそれは希有かもしれない。
この経験が良かったのは、いうまでもなく双方のいいところ/悪いところを学ぶ機会を得て、かつ、事業会社の意思決定メカニズムを知った上で業務支援、提案することができることだと思う。WIN=WINを実現するには双方のことを知っていることがすごく重要なので、そういう意味で発注側と受託側の両方のメカニズムを経験していることは役にたった。

アメックス の時には自社で戦略を作り、実行し、改善することを行うわけだが、コミュニケーション業務ではマッキャン・エリクソン博報堂がパートナーで支援してくれて彼らのマーケティング・プロフェッショナルな仕事ぶりが大いに勉強になった。ただし、戦略を作るという重要なタスクは自社でやるしかないのでこれはやはり事業会社にいて経験できたことがその後の大きな財産になっている。特にアメックス はNYから大きな戦略フレームワークが降りてきてそれをローカライズすることが多く、ある意味世界の最新のマーケティング・フレームワークを実践で学ぶことができた。


アイデア出しには紙とペンとコーヒーに限ります

その後広告代理店、デジタルマーケティング支援会社とマーケティング受託業務に携わることになるが、事業会社目線を持つことでクライアントとのWIN=WIN関係が作りやすかったと思う。広告、マーケティング業界においてこのWIN=WIN思想は特に重要で、やはり一つのチームになり、お互いのことを理解し合い、叡智を出し合うことは成功要因の一つ(一番重要かも)で、そのためには双方を行き来した人がもっともっと増えるといいのではないかと思っている。

そのためにはマーケ人材の流動化はとても重要で、かつ、マーケティング業務トップクラスのそれが日本ではまだまだ事例が少ない。アメリカでは広告代理店出身者が事業会社のCMOにスカウトされたり、その逆も頻繁に起こっている。日本企業のマーケティング(特にコミュニケーション領域)が欧米に比べ弱い理由の一つにこれがあるのではないかと思っている。(怒る人いたらごめんなさい..)日米のマーケティング力の差が企業力の差につながる時代、この領域での人材交流の活性化を切に願ってやまない。


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