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60歳になったらどんな服を着る?どんなことをする?

60歳になるということは、他の年に比べ重大なことなのでしょうか?

日本には還暦と言う言葉もありますね。海外では誕生日のお祝いをするということは、年毎に一大行事の様です。ノルウェーでは30歳、とか40歳と言うような10年毎の誕生日が特に大事みたいです。

そして60歳・・・ノルウェーでは別に他の誕生日と大々的に違うような特別なことでもないようですが、イギリスでは、特別なのでしょうか。

イギリスの詩人、Jenny Josephが書いた詩がここにあります。私はこの詩を初めて読んだ時大きな衝撃を受けました。どんな衣服を着る、とかそんな細かいことは60歳になったら、と言うことで考えてはいなかったのですが、何か私の心の中を表している、と感じたのです。

彼女はイギリス生まれのユダヤ人です。次にあげる詩は、彼女の一番有名な詩だと思います。
タイトルは『警告』
60歳になったら紫色の衣服を着衣し・・・などとあります。

60歳になったらどんな色の服を着る・・・なんて考えたことがありますか?
ある程度の年になったら衣服の色にも気を付ける必要がある?

そして、紫色ってそんなに気を付けなければならない色なのでしょうか?

この詩のことでイギリスの友人などに色に関して聞いてみましたが、気になるコメントはいただけませんでした。

ある人は、この詩の中の紫に対しての意見は単にこの詩人が持っている思いだけだろう、などと言っておりました。

オーストラリアの友人は自分は紫色が好きで周りの人には「紫夫人Lady Purple」と呼ばれていると言っていました。

私も紫色が大好きなのですが、最近はあまりその色の服は着ていないような…。年とともに好みが変わったということでしょうか。若い時の方がもっと紫色を着ていたような気がします。

この詩を読むとイギリスでは紫色は気がおかしくなった人が着る色か、と思ってみたりもしました。

さて、『警告』と言う詩です。

When I am an old woman I shall wear purple
With a red hat which doesn't go, and doesn't suit me.
And I shall spend my pension on brandy and summer gloves
And satin sandals, and say we've no money for butter.
I shall sit down on the pavement when I'm tired.
And goggle up samples in shops and press alarm bells
And run my stick along the public railings
And make up for the sobriety of my youth.
I shall go out in my slippers in the rain
And pick flowers in other people's gardens
And learn to spit.

You can wear terrible shirts and grow more fat
And eat three pounds of sausage at a go
Or only bread and pickle for a week
And hoard pens and pencils and beermats and things in boxes.

But now we must have clothes that keep us dry
And pay our rent and not swear in the street
And set a good example for the children.
We must have friends to dinner and read the papers.

But maybe I ought to practice a little?
So people who know me are not too shocked and surprised
 When suddenly I am out, and start to wear purple.

by Jenny Joseph
1982

私が年を取ったら、紫色の服を着、それに似あいもしない赤い帽子を着てやる。

それから、ブランデー、夏の手袋、サテン製のサンダルに年金を費やし、バターのお金なんてない、と言ってやる。

疲れたら歩道に座り込み、お店の試供品をパクっと食べ、警報ボタンを押し、手すりに杖を這わせ、それで私の若さをうめあわせるんだ。

雨の中、私はスリッパで外に出てやる、そして、他人の庭の花をむしり、ツバキをはきかけることを習う。

ひどいシャツを着て、もっと太っても構わない、一度に3ポンドものソーセージ、それとも一週間に食べるのはパンとピクルスだけだったり、買いあさったペン、鉛筆、ビールのマットなどもろもろのものを箱に入れるんだ。

しかし、今は自分たちを快適にしておくよう乾いた衣服を着ておく必要があるね、そして家賃を払い、通りで悪態をついたりしてはダメ、子供たちにいい模範を示さなければならないなだ。

食事に友人を招いたり、新聞を読んだりしなければ。

しかし、今、少しばかり、たぶん練習をする必要があるのではなかろうか?

そうすれば、私のことを知っている人たちは、突然、私が紫色を着るようになってもあまりのショック、驚いてしまうというようなことはないだろうから。

YUtaka訳

やはり60歳と言う年は何か特別な年なのでしょうか?

私はとっくの、ずいぶんと前にその歳は越えてしまいましたが、実際その年を迎えた時、確かに何か特別な感慨がありました、「年寄」の仲間入りをしたように感じました。61歳になった時には同じような感慨はなかったのです。

みなさんはいかがでしょう?


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