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「勝ちたい気持ち」はどこからくるのか


10/8(土)に会長杯が行われました。

HKD FCはU12 のTOP teamが出場。

1回戦はシードのため、
2回戦からの登場となりました。

【結果】

vs AGGRE A
×1-4(0-4/1-0)

今シーズン1番といえる
「完敗のゲーム」でした。

何もできませんでした。

シュートも3、4本?くらいしか
しっかり打てた記憶がありません。

それくらい攻撃になんの光も見出せない
残念な試合をしました。


会長杯は6年生にとって最後の外サッカー。

全日少の敗退の悔しさを糧に
取り組んできたつもりでしたが
満足のいく結果は得られませんでした。


しかし、終わってしまった結果です。

結果に対して振り返る必要はありません。

しかし、この経験を次に生かす必要はあります。

それは俺も。選手も。


試合前のミーティングでは
「メンタル」のことをメインで伝えました。

8月下旬に練習試合をした日から
ふわふわしている雰囲気が
ずっと見受けられていたからです。


戦術的なことは
「地震が起きたら机の下に隠れろ」
「家の戸締まり確認しとけよ」
くらいシンプルなことしか伝えませんでした。

最後の最後、
6年生は底力を発揮してくれると信じて。

クラブとしても
色々と乗り越えなければいけない中での
久しぶりの公式戦、トーメント。


勢いや勝ちたい気持ちがある方が勝つ。

しかしその勢いをプレーで
はっきりと表現したのは相手でした。


うちのスタイルをある程度把握し、
ハーフラインでブロックを引いてリトリート。

でこぼこの芝にパスが引っかかったところを
超高速カウンター。

それ以外も体格差を存分に生かす
鋭いロングボール。

おまけに怖さのあるコーナーキック。

うちは前半でその迫力に飲み込まれ4失点。

前半組は動きも固く、
なんの爪痕を残せず…

ハーフタイムには

「自分達のやってきたものはこんなもんか!
体で吹っ飛ばされて悔しくないのか。
もっと喰らいつけるだろ!
自分たちが本当にサッカーが好きで
仲間を大事に思うならもっと
がむしゃらに戦えよ」

そんなことしか言えませんでした。

メンバーを大幅に入れ替えた後半、
少しは良くなり1点を返しましたが
遠く及ばず試合終了。

最後の大会は呆気なく終わりました。


なぜ、こうなってしまうのか…
そこまで勝ちたい大会じゃなかったのか…
自分の力不足が露呈したのか…
そもそも選手達はそこまでのレベルなのか…
ロバパン全道から成長していないのか…


色々なことが頭をよぎり
パンクしてしまいました。

2、3日経って
原因を根本から考えました。



そもそも
「勝ちたい気持ち」ってなんだ?
「勝ちたい気持ち」ってどこから来るんだ?


シンプルに
「勝ちたい気持ち」が根底に
なかったんじゃないか…?


僕の経験上、サッカー選手は
悔しさやハングリーさがある状態の時に
腹を括った勇気あるプレーができます。

例えばロバパン全道大会の翌日の裏パンでは
敗戦の悔しさから割り切ったのか
素晴らしいプレーを連発していました。

じゃあ今回も大会の直前に
どこかの強豪にボコボコにされたら
試合は勝てたのか?

結果は少し違ったかもしれませんが、
僕はそんな風に
選手をコントロールしたくありません。

何が言いたいかというと、

「勝ちたい欲や上手くなりたい気持ちは
常に自分の心から湧き出るもの」

ということです。


そして今後はそれを
自発的に出す力が必要だと。


試合後はそのようなことを選手に伝えました。

負けた結果は仕方ないけど
自分達のサッカーに対する思いや情熱を
その程度しか表現できないことが問題だと。



サッカーを頑張る子どもたちは
「楽しい」と思い
サッカーをやり始めたと思います。

それがいつの日か
「勝ちたい」とか「上手くなりたい」という
動機に変わり、選手として少しずつ
自立していきます。
これは悪いことではありません。

そして「勝ちたい」という意思は
「勝った経験がある」選手にしか
湧き出てこない感情です。

今回、うちの選手たちは
その内発的動機が少しずつ
弱くなっていたのかなと感じました。
これは中期的(2ヶ月くらい)な話です。


例えば
誰かに評価されたいからやる選手と
自分が上手くなりたいからやる選手。

何かご褒美が貰えるからやる選手と
自分が楽しいからやる選手。

誰かにやれと言われてやる選手と
ボールを持って家を飛び出していく選手。



全て雲泥の差があり
そこには内発的動機と外発的動機の差があり
本物と偽物の大きな差があります。

僕はその内発的動機付けを
もっと色んな工夫を凝らして
選手から引き出すことができたはずだと、
大きな責任を感じました。

もちろん全ての選手に対してです。


理想は、
「上手くなりたいから早く練習に行きたい!」
と選手に思わせること。


「コーチ、試合に勝ちたいから
 もっと色んなこと教えて!」

と心の底から選手が言ってくること。





これがピッチ上で継続的に、
選手が表現できないことは
まだまだ自分の力不足。


まあ俺だけの力では
完璧にできるものではないのですが…



そんなことを感じる大会でした。



例年この時期の6年生は
心の面や進路のこともあり難しい時期で、
関わり方が難しいと感じています。


それらを包み込む力や
落ちた選手を良くすることを含めて
俺には指導力や人間力がまだ足りない。

それを自覚しました。

じゃあどのようにそれを高めればいいのか。

この経験を生かす以外他にありません。


彼らに残された日々と大会、
今はまた吹っ切れた状態だと思います。


ここで彼らに宿る内発的動機を大切に
もう一度心に火を灯して
僕はできることを続けながら
選手と関わっていきます。



最後まで読んでいただきありがとうございました。

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