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防災の日:防災計画は自分の特性を

私は東日本大震災で体感した衝撃で、
何もできなかった自分を忘れることができない。

私は地球科学を勉強していた。
地震の構造には興味もあったし学んでいた
防災のことも人よりも知識はあっただろう。
だが、地震の瞬間、大学の研究室にいた私は立ち尽くした。

横からいつもは冷静で明晰な留学生のアニスくんの慌てた声が聞こえた。
Abe-san! shall we hide under the desk?
(アベサン!机の下に隠れた方がいいよね!)
...Yes...
(...そうだね...)
私にも最善のことが何かわからなくなった。
体験したことがないからだ。
学校での防災訓練ではあまりに習慣づけられた行動に疑問符だった。
ちゃちな机の下に隠れる意味が解らなかった。
そのあとに校庭に整列させられる意味も解らなかった。
だが、人生初めての震度6以上に遭遇し、
アニスくんの提案に従い2人で大きな体を小さな机にねじ込んだ。

揺れが収まった後も呆然と立っていたら、
またアニスくんの声が聞こえた。
Abe-san! Let's go outside!
(アベサン!外に逃げよう!)
......Yes...
(......そうだね...)
ここで少し頭が回ってきた。
でも出てくるのは役に立たない知識だけだった。
地震の直後に外に出るのは危険なんじゃなかったっけ?
いや、それは都市部の高層ビルに限ったことか?
そんな問答を頭でしながら、
暗い廊下を先走るアニスくんの背中を追った。

外に出てアニスくんの判断が正しかったことを実感する。
2度目の地震が建物をギシギシと揺らしているのを呆然と眺めた。
余震なのに本震と同じぐらいスゴイ・・・。
後に熊本地震でなくなる余震と本震という固定概念を考えていた。
アニスくんは留学生なので、
「地震があったら机に隠れて、揺れがおさまったら外に出ましょう」
という基本を忠実に守った。
というより、それしか知らなかっただろう。
でも、それが正しかった。

とにかく、私は緊急時にフリーズするタイプだ
ということがよくわかった。
なので以後、私の防災避難計画は逃げることを優先に考えている。
まず、アパートであれば倒壊の可能性があるので、
ネコを捕獲、安全を確保の上、避難。
その際の防災リュックなどは用意しない。
しばらくして家に取りに来る作戦。
とにかく逃げる際にあまり考えない。
考える余地を与えない。
その方が、私と家族の生存率が上がると思っています。

正しい知識は必要です。
でも、自分の特性に応じた防災計画も重要です。

あ、備蓄品は日ごろ食べているもののみです。
いつも食べてた安いお菓子とかが非常時をちょっと消してくれるそうです。