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ひらめき☆マンガ教室第5期 課題3 感想(ネーム)

こんにちは、荒井祐太です。ツイッターIDならびにシラスではyutaaraiです。

ひらめき☆マンガ教室第5期も、はやくも3回目のネーム提出締切となりました。3回目といえば『魔法少女まどか☆マギカ』ではマミさんが退場する回でしたね。みなさんは大丈夫でしょうか。面白半分でマミったりなさってないでしょうか。

3回目のネームと2回目の完成稿の締め切りはゲンロン総会の真裏となりました。総会に参加した人たちは吐くまで飲み、飲んでまた吐くような宴を楽しんだことでしょう。

しかし、みなさんが選んだ道は、仕事とも遊びとも別の孤独な戦いをする道。彼ら総会参加者より何倍も厳しい道ですが、締め切りギリギリまで粘ってがんばって、提出お疲れ様でした。

さて、今回の課題は「肉体的接触がキーになる話」

出題者である師走の翁先生による課題についての長文は以下のリンクから読めます。

今回の課題文を読んで思い浮かべたのが、J-POPのサビ、というかラスサビとか大サビとかいう最後の盛り上がりのところです。

つまり、読み手がそこ(肉体的接触)に差し掛かった瞬間にいい感じにエモい感じにしてほしい、そのための演出だと受け取りました。エロ漫画なら、シコっている僕が射精のため、フィニッシュ時に膝で抑えて開いた状態を維持する見開きというか、この作品ではここのためにすべてがあった、みたいな風に思わせてくれるページのことです。

ただ構造的に物語が成立している、というだけだと読んでもけっきょく「うぉおおおおおおおおお!!」という盛り上がりはないわけですが、やはりこちらの感情を盛り上げてほしいんですよね。読んだことの価値が欲しい。あえていうなら短編漫画にとっての商品価値が決定的なものとなるような一段上に持っていってくれる何か、それを求められているのではないかと。

課題文を読んだときに具体的に思い浮かべた作品がひとつありました。ひらマン第4期で、チームCが作った同人誌『「ふれたい。」』に収録の木ノ上万理咲「触れたい背中」という作品です。

作者はプロのエロ漫画家であり、この同人誌でもエース級の扱いを受けていると思うのですが、彼女の作品は、物語としてはたいしたことないし、べつに伏線がはられてるわけでもないのに、演出でなんかエモいシーンを見たかのような気持ちになってしまったんですよね。これはひとつのお手本だと思うので、以前お読みの方は再読したり、まだ読んだことない人はゲンロンショップで買うか、受講している誰かに借りて読むといいと思います。もしかしたらゲンロンカフェ内にも置いてあるかもしれません。ひとつ言わせてもらうなら、おっぱいなんか触ってもつまんねぇんだよ!! ってことですわ。

さて、各作品の感想ですが、課題はネーム(漫画の設計図)での提出のため、いわゆる完成原稿とは違います。島本和彦の『吼えろペン』では「漫画家と編集者はネームを完成原稿と同じように読むことができる」とされていますが、僕はそのどちらでもありません。ですので、ネームを読む能力がほんとうに低いです。なので、僕が各ネーム作品を適切に読めているのかは大変あやしいことをあらかじめご了承ください。

以下、課題の感想文。読んだ順です。ちなみに、タイトルをクリックしていただければ作品ページにとびます。実際の作品も読んでみたりなんかしちゃったりしてください。

泉ころろん「AIはプリンを食べない。」
AIというと現代的な気もするし、ブームが過ぎたような気もしますが、この作品で描かれているのは昭和のSF漫画に出てくるロボットに近い印象でした。ロボットアームと中枢のような機械の身体を備えている以上、実質ロボットでしょう。

となるとこれは精霊とかとも近い存在であり、恋愛要素からも異類婚姻譚の一種であるように読めます。こういうものが好きな人は一定数存在すると思います。そういう意味では大衆性もあるように思えます。少なくとも、テクノロジーをしっかり理解してハードSFとしてAIモノを描くよりも間口はずっと広そうに思います。

ネームに関するアピールにいっぱい設定が書いてありますが、必要なことは作品内でわかるようにしてほしいです。

あさかたこれ太郎さん「不動くんは、うごかない。」
現代の学園ものにしたのはすごく良かったように思います。

屋上で裸になりだしたところからは、なんというか、大学の友人の結婚式で5~6人の友人男性たちが女装してAKBや乃木坂を歌って踊る余興を見せられたときの気持ちになりました。

葉野赤さん「イットストーンドミー」
これ、めちゃくちゃ良かったです。たんなる好みもあると思いますが、今回のベストだと思います。

最終ページの大ゴマがすべてで、あのコマの急に真相が明かされるインパクトは綾辻行人の『十角館の殺人』における「〇〇です」に相当すると思いました。あの瞬間に姉の表情が見えないのも良い選択だと思います。

そもそも姉の淡々として人物像とキャラデが好みだし、ラストを引き立ててもいると思います。

最後の大ゴマに至る過程においても、ただなんとなく二人きりになれる場を作るのではなく、文明すら滅びるくらい時間を経過させるのも、軽くSF的でいいですよね。短編のストーリーとして、いろいろとツッコミは入れられるはずですが、もはやそんなことはどうでもいいような作品なんじゃないでしょうか。もちろん、指導をいかした方がいいとは思いますが。

作品世界と完成稿の絵柄もマッチそうだし。こういう漫画が商業の短編集にあってもおかしくない気がしました。

次回も楽しみにしています。

よこうたださん「空想 Brothers」
肉体的接触はあるといえばあるわけですが、話の上であまり意味を持っていないと思いました。もしかしたらよこうたださんの中では何かあるのかもしれませんが、少なくとも伝わるようには描けていないと思いました。そらみちゃんが恋をしたのなら、肉体的接触を印象的に使えるような話にもできると思いました。

そらみちゃんの描写が圧倒的に不足しているため、なんで好きになったのかもまったくわからないし、好きになったこと自体がうまく使えていない印象でした。

ネームに関するアピールに「一歳違いの一人っ子、たかとし君とソラミちゃんがイマジナリーブラザーを通して疑似兄妹になっていく話です。二人の間の恋愛感情はあることにしようか無いことにしようか迷いました。お互いちょっとずつあるものの、結局、この関係が続いていく事を選ぶ話にしました。」とありますが、ネーム作品からはいっさい伝わってこなかったです。

ゲームをやるよりも、課題制作がんばった方がいいように思います。

森紗はるきさん「猫神さんはもふりたい」
森紗はるきさんの作品は毎回楽しみにしています。今回も冒頭から可愛くって、そこは良かったです。2ページ目の困り顔も可愛いです。

ラストのクロスカウンターも漫画界のレジェンドのパロディで、しかも可愛いキャラでやっててこれも良かったです。インパクトもあったと思います。

ただ、話の流れはスッキリ読めなかったです。

まず2ページから3ページかけて。最初はなんで倒れたのかよくわからなかったので、読む順序がおかしいのではないか、と疑ってしまいました。もちろんセルフもふってなのだとは思いますが、いきなりはわからなかったです。

6ページ目下段の「猫神さんがグレた・・・!!」も、このコマの時点では元の猫神さんがどんな人物だったのかわからないため、また僕が読み飛ばしたのかと思ってしまいました。情報開示の順序を変えるなりしてもらえると、もっと読みやすくなると思います。

あと、ラスト2ページで元に戻りますが、クロスカウンターの勢いのあとにこの2ページでたんに元に戻られてもたいして面白くもないので、いっそ倒れたところで勢いのまま終わってしまってもいいように感じました。それか戻ったことに対するふたりの感想をひねるか。「肉体的接触がキーになる話」ということでいえば、肉体的接触で元に戻るわけですが、そもそも戻りたがってる描写もなかったので。

ネームに関するアピールの「ネコ耳ヤンキーバトルマンガ」というジャンルは大変魅力的で、みうらじゅんさんの「めがね番長」の上をいくと思いますが、そういう内容になっていなかったので、アピールとしてはじゃっかんズレている気がします。「ネコ耳ヤンキーバトルマンガ」にふさわしい内容にするか、批評の本の前書きを後付けで書くがごとく、できあがった作品にふさわしいジャンル名を考えて、いかにも当初の想定通りに制作した感出すほうが、この講座にふさわしい気がします。

あと、タイトルもけっしてふさわしくないように思いました。じゃあ最初に自分の耳を触り、後にクロスカウンターで迎撃したカネコさんはどうなのよ、って気もしますし、回想シーンのノーマル猫神さんが猫アレルギーで普段触れないから、抑えていた欲望が噴出したってことなのだろうと思いますが、これもあまりわかりやすくなく、スッキリ読めなかったです。

あとめっちゃ細部ですが、歯を磨いている最中にセルフもふって倒れ込んだなら歯ブラシが落下し転がっていたり、口周りがもうちょっと歯磨きの痕跡があるように思います。漫画だからべつにいいっちゃいいんですが、描いてもいい気がしましたし、多くの商業漫画が描く選択をしそうな気がします。

次回も楽しみにしています。

かわじろうさん「吉野山の話」
1ページ目は面白そうだったし、引き込まれる内容でした。話としても、昭和の伝説って感じがして悪くなかったです。

ただ、演出として「視覚がシャットアウトされると、触覚や聴覚が鋭敏に」「真っ暗闇での触覚を描く」が漫画表現として実現できているとは思えませんでした。相撲の世界のなにか重要な霊的なものを自らの内側に取り込む過程というか、儀式的なものとして読めました。そういうことでいえば、暗闇と明るい画面の二層が描かれていますが、暗闇は異界やあの世めいたものに見えていました。

7ページ目の「張り手した」の瞬間にも、何者かとの最初の接触なわけで、そこが特別に見える何かが欲しかったです。

ただ、漫画としては面白かったです。

次回も楽しみにしています。

千住ちはるさん「2人のマドンナ」
連載物の初回みたいな内容。

冒頭で無条件でモテそうな美人の後輩が出てきて、3ページ目で幼馴染の仕事できそうな美人が出てくるという作りはとても良かったです。「読みたい」と思わせるものがあります。大衆性と言い換えても良いでしょう。

ラストで後輩からお誘いがきますが、最初読んだときは唐突に感じました。よく見ると7ページ目があるから唐突じゃない気もしますが、7ページ目の最後にでも、後輩が一言「今度お礼させてください」的なセリフを言ってくれると、もっと読みやすかったような気もします。

あと気になったこととしては、なんか古いなって思いました。まずタイトルの「マドンナ」って。2022年現在通じなくはないものの、おっさんの語彙な感じがします。5ページ目中段の「バハハーイ」も、令和の世にまだこの言葉が残っているなんて思ってもみませんでした。

連載物の初回っぽい感じなのでこれをほんとうにひとつの短編として読めるかどうかはともかくとして、肉体的接触シーンが描かれているのが幼馴染側だけなので、個人的にはこちらが勝ってほしいように思ってしまいます。そもそも僕はドラクエ5ではビアンカ派だし。

2ページ目あたりに後輩との肉体的接触をさせて、2種の肉体的接触を描くというのもアリかなって気もしましたが、今回の課題の「肉体的接触」って、ポピュラー音楽における「サビ」みたいなものだと思うので、幼馴染との1回だけでもいいのかもしれません。

降原さん「はい おあ ろう」
1コマ目でサブカルクソ野郎感あふれる眼鏡男がオタくせー独り言言ってるところ見て、てっきり中古レコードでも漁ってるのかと思ってしまいました。ここ要らない気がします。タイトルのHighとLowで音楽の話かとも思ってしまいましたし。

話としてはよくわからなかったです。最後のコマはなんだったのか。妹らしき声が隣室から聞こえるのもちょっと不気味だけど、意図した不気味なのか。

肉体的接触のある漫画ではありますが、肉体的接触がキーにはなっていなかったようにも思いました。3キャラ描いてしまったことで余計にそう感じたかも。分散されてしまってますよね、読みどころが。

この漫画で個人的によかったのは3ページ目の霧崎さんです。いきなりありがたいセリフを吐いてくださるじゃないですか。前回のゲーマー女子みたいに、表情に棘のある美少女は降原さんの魅力だと個人的には思っています。個人的には。

個人的にはと言いましたが、6ページ目の上段の霧崎さんとか見ていると、この子のことがもっとわかる漫画の方が、多くの読者にとっても良いのではないかと思いました。読者が「読んでよかった」と読後に思うのは3人の断片よりもベタなツンデレな気はします。

ひらマンは各講師が設定した課題をこなしレベルアップする仕組みになっていますが、それと同時に世の中の読者に読ませる作品なことも忘れない方がいいというか、なんなら後者の方が最終的には重要な気がします。課題にひっぱられて物語作りがうまくいかなった、あるいは読者目線でどう見えるかの客観視をすることを忘れているように思えました。ひらマンやカルチャーお白州とは無関係なところの人たち(すなわち、ひらマン課題を肯定的に読もうというバイアスがかからなさそうな人たち)に課題提出前に読んでもらってもいいかもしれません。ただし、そのためにはスケジュールをさらに厳しくする必要があるので困難だとは思いますが……。

ラストは「実際の高校生活はこうだった。ヒロイン3人が登場する方は妄想だった」ってことなのかもしれませんが、もしそうだとして、そこに至る何も提示されてなかったので、ただのダメなアイディアを見せられた感しかなったです。

次回も楽しみにしています。

鷹鯛ひさしさん「見たくない顔」
良い漫画だと思いました。

漫画的教養にに乏しい僕がいうとぜんぜん的外れかもしれませんが、鷹鯛ひさしさんの作品は、かつてつげ義春などのような「文学的」と評された種類の漫画なのではないかと思いました。

短編として良いと思ったのは、コーヒーをうまく使っているところですね。物語って始まりと終わりでなにか些細なことでも変化が欲しいものなのですが、温かくてうまいコーヒーが冷める、とい変化が短編にふさわしいと思いました。主人公の内的なにかが「冷めた」ようにも受け取れますし。

同じようなコマを連続して使うことで、時間が重く粘っこくなるのも、主人公の主観を表現しているようで、すごく効果的に思えました。

あえていうなら、最後のページでコーヒーを飲むまでが早すぎて「そんなにすぐ冷めるか?」と思ってしまいました。もし、呆けたように蜂矢先輩を見送って、思い出したように日常性を回復させるためコーヒーに口を付けたから冷めているのだとしたら、コマ構成を少し弄って欲しいです。

アピール文の「「蜂矢先輩」の左手を強調してみようと思いました。パンを握りしめる描写で、嫌な感じが伝わるといいのですが」についてですが、ネームからはそもそもパンを握りしめていることに気が付けなかったので、完成稿次第かなと思います。

タイトルも無理なく付けていていいと思います。タイトルが出るコマで先輩の顔が初めて見えるのも演出の基本に即していると思います。

次回も楽しみにしています。

中西ゆかりさん「夢はあきらめたけど」
良い漫画だな、と思いました。今回のベストのひとつ。

アイドルと人事という仕事を対照的な関係でつなぎ合わせたりとか、なんか批評みたいですらあると思いました。

そのシーンでおんぶをしていること自体、意味を深読みできそうですらあります。

次回も楽しみにしています。

御園ほけさん「君との夢」
こういうことはもっと腕前を上達させてから取り組まないと、せっかくの向上の機会、指導をいただける講座を無駄にしてしまうのではないかと思いました。

nonakaさん「瞬き」
思春期っぽくて良かったです。
バドミントンの話とかいいですよね、勝ち負けじゃない達成感の話は共感できる人も多いのではないでしょうか。

序盤妙に隠してるなとは思ったけど、実体化していないという設定は予測変換外でした。

思春期っぽくて良かったけど、この漫画が最終的に何を描いているのかわからないままでした。例えば実体化の年齢を考えれば、実体化することが何かの喪失を意味しそうですけど。なので設定が何の比喩なのかもっとわかるように描くとメジャー感が出ると思いました。

タイトルの意味も、もうちょっと分かりたかったです。

KenTaさん「ハッピィ・ホーム」
話があまりにも短いので、とくに言えることはなかったです。絵は上手くなり始めているように思います。
2ページしかない作品で何か1ネタ読んだ感を出すには、最後のコマをギャグにするって方法があると思います。ただ、赤ちゃんの手の柔らかさを伝える初期の目標からは出てこない発想かもしれません。

元ネタが好きで使ってみたかったにしても、別の機会に持ち越すという判断は有ってもいいかもしれません。あくまでも主目的は読んでもらえる面白い漫画を描くことなわけですし。

あと演出して欲しかったです。

俗人ちんさん「ラブコメ霊のレイちゃん」
まず気になったのが、タイトルとモノローグが、横書きと縦書きの違いがあるにせよ、同じ形式で書かれていること。なんらかの効果を明確に狙いそれに意味があるならともかく、そうでないならやめた方がいいのではないかと思いました。

漫画としては好きですけど、たしかにうまくいってない気がしました。

3キャラ目が4ページ目に登場することはまったく気にならなかったです。むしろ自然なタイミングに思えました。

ネームに関するアピールの「想定読者 ラブコメギャグ好きな方」というのは、まぁそうなんだろうと思いますし、俗人ちんさんの作品としては一貫していると思いますが、見ようによってはたんにジャンル名を書いているだけと言えるので、今〇〇って媒体に載っている〇〇って作品を読んでるような人、とかもっと具体的なことを知りたいなーと思いました。ネームに関するアピールに名前が挙がった作品を買って読んでみることはこちらもありますし。

谷なすびさん「成仏代行人」
内容の把握は困難ではなかったですが、なぜこういう内容なのか、読んだ読者にどんな気持ちになって欲しいのかがまるで分からず疑問符が多く浮かびました。説明が足りないのではなく、内容の検討が足りない気がします

羽海野チカさんの真似というのもなんかわからなかったかな……。「特に回想シーンで背景が黒で左から右に読ませる演出が羽海野先生の作品で印象的」とありますが、他のページでも白い背景で横書きがいっぱい出てきますし、「p10-11, p13で使用」したところで特別な効果を発揮しているとは感じませんでした。

はねむらさん「つくも神の扇子さん」
扇風機の首振り機能をうまく使って落としているし、短編として悪くないと思いました。

ただ、キスをしようとするところのコマ構成が気になるというか、寸前までこっちは「キース! キース!」ってなってるんだから、本当にキスをしそうな大ゴマを使った構成(演出)にしてもらえると、オチへの落差ももっと生まれる気がします。

たにかわつかささん「照れさせてくる照島さん」
ツイッターでよく見かけるタイプの漫画だなーって思ったら、実際にそこを参考にしていたんですね。

エロい要素がちゃんとあるのが良い点だと思いました。他の人は描いてないですからね、意外と。その点は勝利していると思います。

次回も楽しみにしています。

晃てるおさん「恋の挑戦、その極意とは」
話としてはわかるものの、それ以上のものではなかったように思います。

柔道を通して相手を理解するって内容なら、恋愛要素を排して、主人公も柔道部員にすることで研ぎ澄まされた世界を描く方が良かったのかなぁって気もしますが、16ページでそれができるのが、僕にはよくわかりません。

途中に出てきたおっさんのデザインがこの漫画で一番特徴的でキャラの識別がしやすかったです。

qjinさん「とこしえのきみへ」
序盤はすごく引き込まれたのに、後半がよくわからなかったです。店員に手を握られてアイドル握手会の記憶がフラッシュバックしたのでしょうか。

小林煌さん「鬼ごっこ」
キャラデとか含めて、設定はけっこう魅力的だと思いました。

キヨが鬼になるところは、パッと気がついた時にはもうなっていて戦闘を始めていないといけないのだとは思いますが、「どくんっ」のあとにもう1コマは欲しかったところです。

ネームよりも、完成稿の方がよくなるんだろうな、と思いました。

個別の感想とはべつに思ったこと。
・みなさん疲れてきてるんだろうな、と思いました。これまで出せていた人が出せなかったりとかしてますし。ネームと完成稿の締め切りがこれだけハイペースにやってくるんだから仕方ないことですが。しかしプロはこういう大変なスケジュールを10年20年とこなしているのもまた事実……。

・毎回ゲスト講師から課題が出て、それをこなすためにがんばるのは良いと思うのですが、その向こうにあるのは一般読者に読んでもらうこと。課題をこなすにしてもそれを意識して、漫画誌の表紙のおっぱいに釣られて買った非モテ大学生とかが単発で読んでなんらかのポジティブな感想を抱けるような作りの作品にしてほしいなーと。極端な話、それが出来ていればひらマンなんか受講しないで連載をしていればいいわけですし。

さやわかのカルチャーお白州「理論編(ノウハウ #25)「考え方」⑪~仕事や勉強や趣味や創作で、「好きなことをやる」とはどういうことか」という回が参考になると思います。

・タイトルはもっとちゃんと付けてほしいです。作品を自分で客観視して、ふさわしいものをつけてほしいです。なんとなく思いついて気に入ったものがあったとしても、次回以降に使うことにしていったんおいておき、内容にふさわしいものにしてほしいです。本来は感じなくてもいい違和感を与えるだけで、損でしかないように思います。キレがある、針の穴を通すような絶妙なものだとなおよいです。

以上です。

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