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3-17という香り

香りの説明をしようと思う。

軽いものからひとつずつ紹介していく。

まずは、3-17について。今回リリースする4本の中では、一番軽い仕上がりとなっている。

以前も説明したが、この数字の意味は、3というタイプの香りの、17番目の試作品、という意味だ。この数字が、そのまま香水名となっている。

この香りのインスピレーションは、下記のような情景だ。

ある冬の朝目覚めると、冷たい部屋に窓から暖かい光が差し込んでいる。
シンプルな木造の小さな部屋、畳の香りがする。
春がもうすぐそこまできていることを知る。

この香水には、ちょっとした“使命”がある。

2年ほど前、日本に久しぶりに一時帰国をした際。朝の通勤電車に乗ったのだが、その時のサラリーマンのにおいが…押し並べてひどかったのだ。

何が原因なのかはよくわからないが、スーツに染み付いているにおいなのではないかと思っている。体臭や飲み会でついたタバコ等のにおいが、何層にも積み重なったような、そんなにおいだった。

そして、ひどいにおいだったこと以上に、そのにおいに無関心であることに衝撃を受けた。

フランスで生活をしていると、確かに体臭がひどい人に出会うことは多い。メトロの中で、近くにそういう人がいると、本当に地獄のようだ。

しかし、スーツを着ている人は、においには非常に敏感で、衣服もきちんと手入れをしているような印象を受ける(スーツを着ている人口の数は日本に比べるとだいぶ少ないと思われるので、単純比較はできないが)。

そこでこの香水は、香りに無関心なサラリーマンでも、「とりあえずこれ使っておけばなんとかなる」というようなものにしたかった。だからこの香水は、人を選ぶ、個性の強い香りではない。また使うことを通して、少しずつ香りに敏感になっていってもらえるような、そういう香水をçanomaとして提供したいと考えていたのだ。よって、çanomaの香水の中では、一番手が出しやすいものとなっている。

香りの系統としては、

ウッディ・アロマティック ・ムスクフルーティ

となっている。

松、シダーウッド、ベチバーなどのウッディノートと、ラベンダーやセージを中心としたアロマティックノートが中心にあり、それらを青リンゴ調のムスクが包み込んでいる。

最初は青リンゴを中心とした柔らかい香りが広がり、肌にのせて少し時間が経つと、アロマティックな香りがより前面に出るようになる。とても気持ちがいい爽やかな香りだ。晴れた日の朝につけるとすっきりした気分になる。

ユニセックスで使える香水だが、強いて言えば、私は男性向けの香水だと考えていた。

しかし、多くの人が、この香水をどちらかというと女性向けだと捉える傾向にあるようだ。

なぜこのような違いが生まれるのか考えてみたが、フゼア調の香水に近いと感じた人には男性的、そうでない人には青リンゴ調の香りを感じて女性的、と判断しているのではないか、と思われる。

いずれにしても、ユニセックスで使える、清潔感のある香りとなっている。

日本でもフランスでも、今のところの反応を見る限りでは、これが一番人気の香水となりそうだ。

「迷ったらとりあえずこれ」という一本となっている。

私は気温が高くない晴れた日は、だいたいこの香りを使っている。全体的にはひんやりとした、透明感のある香りなのだが、どこかほのかな温かみを感じる。それが涼しい晴れた日の雰囲気にピッタリなのだ。

ん?トップの写真は何か、って?それは、また今度詳しく説明するので、その時までのお楽しみ…


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8月22日(土)、日本時間20時〜22時、京都の香水店“Le Sillage”とインスタライブやります。ぜひ観てください!

@canoma_parfum


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