【複雑機構】トゥールビヨンとは何?

こんにちは。yutaです。

今回は、高級時計に搭載されている機能について、
紹介していきます。

具体的には、複雑機構と呼ばれる高い技術力を
必要とする機能について、これから数回に分けて
紹介していきます。

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0.トゥールビヨンとは?

世界三大複雑機構と呼ばれるものの一つとなります。
トゥールビヨンの他には、
ミニッツリピーター、
パーペチュアルカレンダー(永久カレンダー)、
があります。

それら3つが世界三大複雑機構と呼ばれています。

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1.トゥールビヨン詳細について

トゥールビヨンとは、フランス語で「渦」という
意味となっています。
渦を巻くように回転することが由来となっています。
機械式時計の弱点であった重力による誤差を
極限まで排除した機構となります。

懐中時計など可搬で任意の姿勢をとりうる
(任意の方向に重力による加速度が掛かる)
機械式時計において、内部の一部の構造全体を
回転させることにより、姿勢差による系統的なズレを
キャンセルし、克服する機構となります。

もう少し分かりやすく言うと…

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

懐中時計は基本的に、必要なとき以外はポケットで
垂直方向に収められているものです。そのため、
常に一方向の重力が機械構造にかかり続け、
精度に影響を与えてしまうという問題があり、
それを解決するために生まれました。

それらを、
「回転により姿勢差をなくし、精度を保つ仕組み」が
「トゥールビヨン」となります。

この機構を発明したのはアブラアン-ルイ・ブレゲ※という
「ブレゲ」と呼ばれるブランドの創業者です。

※「時計界のレオナルド・ダ・ヴィンチ」、
「時計の進化を2世紀はやめた男」 などと称されています。

具体的には、通常の機械式時計で固定されている
ガンギ車、アンプルと振り子の役目を担うテンプなどを
特殊なキャリッジ(籠)に収め、キャリッジそのものを
回転させながら、同時に固定された歯車をも
駆動させ、重力を平均化し、精度を高める装置です。

※補足
ガンギ車、アンクル
→脱進機と言われる部分。
 一定速度で歯車が回転するための仕組み。

テンプ
→振り子時計でいう振り子のこと。
 振り子の仕組みを小さく持ち運びができるように
 したもの。調速機と呼ばれる仕組みの一部。

脱進機
→調速機が同じ間隔での往復運動を持続させるために、
 常に間欠的な力を与え続けながら、歯車を一定間隔で
 回転させる仕組み。

調速機
→機械において回転などの運動の速度を自律的に
 調整する仕組み。
 テンプ、ひげゼンマイなど

ゼンマイで巻き上げた力を定量化するパーツが
ガンギ車、アンプル、テンプなどの調速機、脱進機と呼ばれる
部分となります。

機械式時計で大事な部分です。

【備考】
・現在の時計製造技術ではムーブメントが姿勢差の
 影響を受けないと言われています。
 なので、今は装飾などとしての役目が大きいと言えます。

とは言っても、文章だけだと難しいと思いますので、
LEGOでトゥールビヨンを作っている方の動画があるので、
ご覧いただけたらと思います。

上記で紹介されているものは、大きいサイズのものですが
それを腕時計の盤に収めるとなると、素人目に見ても
高い技術が要求されるのが分かります。

そして、そこに装飾を施すとなると、ブランドによっては
1,000万円を超えてしまうのも納得と考えます。

ただ、1,000万円とは行かなくても、それよりも安価で
販売しているブランドもあります。

下記はその一例となります。

※WALDHOFF(ヴァルドホフ)社製トゥールビヨン
  こちらはクラウドファンディングとなります。
  現在終了していますが、参考として挙げています。

今紹介したものは一例となりますが、検索してみると
色々と出てきますので、ブランドなどにこだわりなどが
ない方・どんなものか一度見てみたい方は、調べてみると
良いものが見つかるかもしれません。

2.最後に

いかがでしたでしょうか。
内容的に難しいところはあったかと思いますが、
この機構を搭載した時計が高価となる理由については、
ご理解いただけたかと思います。

また、これを1801年には作っていたので、
「アブラアン-ルイ・ブレゲ」が「時計の進化を2世紀はやめた男」と
呼ばれるのもその通りだと言えます。

200年以上も前からこの技術があったことが凄いというのは
もちろんのことですが、時計に対しての情熱があったがゆえに
起こせた奇跡かもしれません。

今日もご覧いただきありがとうございました。

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