吊り革と反芻

電車が揺れるたびに
誰も掴まっていない
吊り革が
一斉に揺れる

その吊り革を
見ている

揺れているのは
電車や
吊り革ではなく

私の心

今日
私に向けられた言葉

私の中で
何度反芻したことか
しかし
未だに
消化できていない

噛み切れない肉
砕ききれない塊
落としきれないシミ

どんなふうに
その言葉を
表現しようとしても
うまく表現できない

吊り革が揺れている

揺れる電車に乗って

私は家に帰る

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