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#2 コーヒー農家が抱える意外な課題

こんにちは!CHIMNEY COFFEE(チムニーコーヒー)の前谷です。
主にフランチャイズや法人事業、財務を担当しております。

前回に引き続き、
ラオスに行って知ったこと、学んだことを話していきたいと思います。
今回のテーマは、【ラオスのコーヒー農家が抱える意外な課題】です。

コーヒーの「2050年問題」


ラオスでコーヒー農園を運営している人たちは、多くの課題や不安を抱えています。
「気候変動がこのまま続けば、いつか自分たちはコーヒー豆を作れなくなってしまうのではないか」
「品質の低下や収穫量の減少による収入の減少」
「虫食いや突発的におこる病害による不作」
これらは、「2050年問題」と呼ばれるコーヒーの危機が訪れるとされる要因たちです。

キーコーヒー「コーヒーの2050年問題」より引用

これらに加えて、今回農家の方々に直接話を聞くことで知れた(ラオスの)コーヒー農家の以外な課題について話したいと思います。

コーヒー豆の販路


僕たちが訪れた農家には、大きくわけて2つの販路がありました。
「外国企業」と「農協(のようなもの)」です。

①外国企業
特に私たちが訪れた農家の方々は、外国企業へ直接販売しているところが多かったのですが、直接外国の企業に販売するということはロットや価格の交渉が発生します。彼らは各企業がいくらでどの品種をどれくらい買ってくれるのかを把握して販売を行っております。
その証拠に、ある農家のコーヒー豆の価格は2021年と2022年で2倍以上に上昇していました。これはクオリティの向上などの要因ももちろんありますが、それ以上にコーヒーの需要増大に連動した市場価格の上昇をしっかりと反映させた結果です。

当たり前ですが、彼らにとって僕らは交渉対象である外国企業の1つです。

②農協
一方で、農協に売るという選択肢も存在します。
村などの地域単位でコーヒー豆を集め、精製し農協を通して海外に販売するわけです。
ラオスでは、こちらのほうが一般的です。
コーヒー豆の精製も自分たちでやる必要がないし、企業との交渉も必要ありません。さらに少しの差ではありますが農協のほうが高い金額で購入してくれるとのことでした。

村にある精製場の様子

では、なぜわざわざ精製や交渉をしてまで外国企業に販売する農家があるのでしょうか?そこには意外な課題が存在していました。

ラオスのコーヒー農家が抱える意外な課題


それはずばり納品と入金の大幅なタイムラグです。

外国企業にコーヒー豆を販売する場合、納品からおよそ1,2ヶ月で入金されるのに対して、
農協にコーヒー豆を販売する場合、納品から入金まで約10ヶ月かかることもあるのです。
※正確には、納品時に一部(20%程度)入金され残りが10ヶ月後に入金される

これ、衝撃じゃないですか!?
商品を納品して、10ヶ月間はお金がもらえないんです!
当然、入金が10ヶ月遅れても問題ない裕福な農家はごく少数で殆どの農家がこれにより経済的困窮に追い込まれてしまうわけです。

今回訪れたいくつかの農家で聞いた話なので、ラオス南部に限った話ではあるのですが、入金がこれだけ遅れる理由を聞くと他の地域でも起こっているのではないかと感じました。

入金が遅い理由


では、なぜ農協に販売した場合入金が遅くなってしまうのでしょう。
僕は気になって、農家の方に直接聞いてみました。


「なんでそんなに入金が遅れてしまうんですか?」
農家の方
「明確な理由は知らないけど、取り扱う量が多すぎて農協が販売できる能力が追いついていないんだと思う。その結果、彼らがお金を得るタイミングが遅くなるので、農家に対する支払いも遅いんだと思う。」

なるほど。農家の代わりに販売を行っている農協にも苦労がありそうです。
企業と交渉が難しい農家からしたら、農協はなくてはならない存在です。
さらに、彼らはラオス国内のコーヒー豆市場を安定させるために、農家による価格差を無くそうという取り組みをしています。
これにより、不当に買い叩かれたり企業との価格トラブルを解決しようとしているわけです。
この活動は、多くの農家を救うことができるものだと思います。
しかしその反面、品質向上に力を注ぐ農家が減ってしまい「ラオスのコーヒー豆」というブランドが落ちてしまうという危険性を秘めている。
そんな話をいくつかの農家の方から聞くことができました。

これが、僕が現地に行って初めて知ることができた
「ラオスのコーヒー農家が抱える意外な課題」です。

『CHIMNEY COFFEE BASE』とは


そんな僕たちCHIMNEY COFFEEは、2023年2月2日より
"NFTを用いた海外のコーヒー農家支援プロジェクト"
『CHIMNEY COFFEE BASE』を始動いたします。

今世界中のコーヒー農家では、生活的困窮等をキッカケとした品質の低下や収穫量の減少により、さらなる困窮が訪れるという負の連鎖が数多く起こっています。
我々は、そんな負の連鎖を断ち切り高品質で高効率なコーヒー農園の運営を実現させ、コーヒー農家で働くひとりひとりが安定で不安のない生活を送ることができる世界を目指します。

~2023 0205~
現在99名の方にご支援頂いております!
本当にありがとうございます!
未来のコーヒーのために、コーヒー生産者のために、CHIMNEY COFFEEは「継続的なコーヒー農家の支援」を真剣に誠実に行っていきます。

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