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【品種/Sidra】ネクスト・ゲイシャ シドラについて

以前からWBC(ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ)などでは多くの競技者にゲシャ種が使用されてきましたが、最近ではあまり知られていない品種のコーヒーを選ぶ競技者も増えてきています。
そのひとつがシドラ種(Sidra)です。
この品種は、WBC2019年優勝者のJooyeon Jeonや2022年優勝者のAnthony Douglasがこの品種を使用したことで世界中にその名を轟かせました。

出典:PERFECT DAILY GRIND , What is Sidra coffee? URL:https://perfectdailygrind.com/2020/10/exploring-ethiopian-heirloom-coffee-varieties-nardos-coffee-export/

YouTube:Anthony Douglas, Australia — 2022 World Barista Championship: Finals

YouTube:Jooyeon Jeon (SOUTH KOREA)- World Barista Championship 2019 Boston - Final Round - (Champion)

シドラの原産地について

シドラはエクアドルのピチンチャ州が原産地であると言われています。
シドラの起源は、この地域に存在していたネスレ社のコーヒー育種施設で、エチオピア原種とブルボン種の交配種を開発したとする説があり、ネスレが開発した「未発表品種」の1つであったと考えられています。
後に一部の農家やロースターがシドラのサンプルを研究機関に送り、遺伝子検査を行った結果、エチオピア原種と遺伝的に類似していることが判明しました。
一般的にエチオピア原種は花や果実のような風味を持つと言われており、シドラもそれに近い風味や甘味を持っています。

出典:PERFECT DAILY GRIND , What is Sidra coffee? URL:https://perfectdailygrind.com/2020/10/exploring-ethiopian-heirloom-coffee-varieties-nardos-coffee-export/

シドラの栽培条件

エチオピア原種と遺伝的に類似しているにもかかわらず、シドラは南米(主にエクアドルとコロンビア)の主に標高1,650~1,800mの間で栽培されてます。
シドラを最初に商業栽培した農園のひとつが、コロンビア クンディナマルカ県のラ・パルマ・イ・エル・トゥカン農園です。生産者は2012年に約1,800本のシドラを植え、スペシャルティコーヒーの分野で人気が出た後、2015年に4,300本のシドラを追加で植えました。
シドラは、幹が太く、高さが4mにもなる独特の品種です。濃い緑色の葉をつけ、細長い花を咲かせ、その枝に沿ってチェリーが密集して生えています。また他のアラビカ種よりも果実は大きくて丸く、先が尖っており、種子の形は細長く、ゲシャに似ています。
シドラは収穫量が多く、いくつかの病害虫に強いのですが、さび病には弱いという欠点があります。
さび病とは、コーヒーの葉の光合成を阻害する菌 ハミレア(hamileia vastatrix)の通称であり、葉の裏に黄色い斑点ができた後、葉が黄橙色の粉末となり、他の植物に感染しやすくなる病気です。
また、ラ・パルマ・イ・エル・トゥカンの生産者によると、シドラにはセラトシスチス・フィンブリアータやコーヒー果実病といった、植物の成長とコーヒーの品質に悪影響を及ぼす病気が発生しやすい特徴があると言います。

スペシャルティコーヒー業界での人気

コーヒー業界においてシドラに関する情報は未だ十分ではないものの、ここ数年、その高いカップクオリティを中心に人気が高まっています。
カナダ・アルバータ州にあるフォワード・スペシャルティ・コーヒー・グリーンインポーターズのコーヒー・オペレーション責任者、コール・トロデは次のように述べています。
「シドラは、最もエキサイティングなコーヒー品種の一つです。また、オレンジやオレンジの花のような柑橘系の香りもあります。白ブドウやワインのようなニュアンスもあります。何百ものシドラのサンプルをカッピングした結果、植物やミントのフレーバーがあることがわかりました。」
しかし、他の品種と同様に、精製処理方法は風味、アロマ、マウスフィールに大きな影響を与えます。
以前、ラ・パルマ・イ・エル・トゥカンで働いていたアルトゥーロ・アレバロは、「シドラにどのような精製方法を用いたとしても、風味の特徴は蜂蜜、モルト、赤リンゴの香りを伴う甘いものです。酸味は穏やかですが、柑橘類のような風味があります。口当たりはまろやかでベルベットのようです。」と述べています。

出典:PERFECT DAILY GRIND , What is Sidra coffee? URL:https://perfectdailygrind.com/2020/10/exploring-ethiopian-heirloom-coffee-varieties-nardos-coffee-export/

シドラにはもっと広いマーケットがあるのか?

スペシャルティコーヒーの分野で人気が高まっている結果、シドラがいくつかのイベントや大会で使用されるようになりました。2019年のワールド・バリスタ・チャンピオンシップでは、Jooyeon Jeonが優勝、Coleが3位でシドラを使用しています。
シドラは現在、他のアラビカ種よりもはるかに小規模で商業栽培されています。主に標高1,700m以上で栽培すると最高のカップ品質になるためです。
しかし、一部のコーヒーの専門家では、数年のうちにシドラは、エクアドルでもっと一般的に栽培されるようになるかもしれないと考えられており、シドラが単なるトレンドのコンペティションコーヒーにとどまらないと考えられています。
シドラは単なるコンペティションコーヒーではなく、様々なフレーバーが楽しめるため、今後数年間で消費者の需要が高まると予測されています。
スペシャルティコーヒー業界は、ユニークな品種を珍重していることは周知の事実であり、シドラはそのカテゴリに属しています。
サードウェーブのロースターやコンペティターの間で人気が出てきているのは間違いないでしょう。
今後、多くの大会やイベントでもシドラのロットが使用されることが予想され、スペシャルティコーヒーショップのメニューにも登場するかもしれません。しかし、今後数年の間に生産量がどの程度増加するかは未知数のままです。

最後に

SNSもやっているので、ぜひ覗いてみてください!

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参考データ

・PERFECT DAILY GRIND , What is Sidra coffee? , 最終閲覧日:2023.2.17  
 URL:https://perfectdailygrind.com/2020/10/exploring-ethiopian-heirloom-coffee-varieties-nardos-coffee-export/

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