見出し画像

必要最低限の持ち物


今日は撮影があった。
場所は山梨、僕は時間に追いかけられながら電車に揺られているところである。先程閉ざされた踏切に人が侵入したらしく電車が止まったのだが、いまは巻き返すべく動き出して東京に向かっている。えぐい冷や汗がでた。

一人で遠方の現場に向かうというのはいつだって緊張感が色濃く漂う。どこかの駅に停車する度に何度も乗換案内アプリを開いては自分を落ち着かせるという行為をカラクリのように繰り返している。

珍しい撮影だった。
この仕事をしていると新鮮な経験ばかりさせて貰えるから何とも面白い。もちろん、ただ「楽しい」という訳では無い。正解はないし、各部署がイメージと息を合わせて調整していく作業はとてもとても難しい。いくら自分が良くたって撮り直すし、その逆だって多々起こりうる。
今日なんて天候すらも協力しないと撮り得ないシーンばかりだった。
だから撮影の後はいつも全身が疲労し、腹が減る。
だが、そんな繰り返しを経た上で毎回「うわ〜面白かったなぁ。」と感じながら家に帰るのである。
知らない場所、会ったことないスタッフ・共演者の方、演じたことの無い設定、。
そんな緊張する空間で手探りしながらもがいてもがいて、もがいたその先で何かを掴んだ瞬間がたまらなく最高なのだ。
もちろん悔しいまま終わった経験だって何度もあるし、
経験は浅いからまだ分からないことだらけだけど。
とにかくそれを毎回、全力で探している。


そんな中で今日改めて思ったのは
そうやって少しずつ自分の弱さを知りながら
強さと自信を現場に持っていくことこそ
この仕事の必要最低限の持ち物だということ。
それをしなくなったら僕はもう「面白い」なんて思わなくなるし、そこが潮時な気がする。


もっと現場に行きたい。仕事をしたい。
今日もそう思える現場でした。
現場の皆さん、色々とありがとうございました。
また是非よろしくお願い致します。


p.s. 今日は爆睡するでしょう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?