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“毒親ママ”美香の断捨離&掃除機がけ Part2


 帰ってきたら颯太は、片付いたリビングを見るなり、驚いた顔で私に聞いてきた。

「僕のおもちゃどこにやったの?」

純粋無垢な颯太は、当然どこかにあるものと思ったのだろう。だが、私はそんなに甘くない。

「捨てたわよ。ここにあったのは全部。」

吐き捨てるように言った私に、颯太は驚きのあまり涙も出ない様子だった。しかし、それが過ぎたのか、次第に目を滲ませる。さすがにこの様子には私も辛い思いがあった。しかし、私は颯太のためにやったことだった。

「でも、颯太のためなのよ。ここにおもちゃがあると、お勉強の邪魔になるでしょう?ママは颯太にちゃんと合格して欲しいの。だからもう今日からは遊びもほどほどにしないとだし、今まで遊んでいたおもちゃとはお別れするの。」

 私がそういっても、颯太は泣きじゃくっていたが、あくまで私は颯太のためにやったのだということを主張したかった。

「お勉強のために、このおもちゃは卒業しましょ。ね?颯太のためなんだから。」

 そう言ったわたしはその後、颯太をなんとか寝かしつけ、次の日の朝を迎えた。

金曜日


 朝起きた颯太は、幼稚園に行く準備をし始めたが、私はそれを慌てて止めた。

「颯太、今日からは幼稚園に行かなくていいのよ。」

「え?」

「だから、今日から幼稚園も行かなくていいし、家でたっぷり勉強しましょ。」

「え、幼稚園に行かないの?」

「そう、止めるの。あんなところは颯太にあってないわ。だって颯太の周りにいる人は、颯太よりも全然ダメな人たちばっかりじゃない。あそこはやめて、来年の小学校入学までお家で頑張るの。いい?わかった?」

 その言葉に呆気に取られたような颯太を見て、私は子育ての難しさを痛感した。全部颯太のためにやっているのに、なんで私の思いはこんなに通じないんだろう。

「とにかく、今日からはお勉強よ。お友達ともバイバイして、いっぱい勉強しなきゃ。」

そう言いながら、わたしは半分くらい溜まっていたあのゴミ袋と掃除機を出してきて、

「颯太はこっちの部屋でお勉強しててね。ママは颯太の部屋のお片付けをしてくるから。」

 そう言ってわたしはゴミ袋と掃除機を持って散らかった颯太の部屋に行き、部屋のトビラ閉じて鍵をかけた。

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