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小説同人誌が作りたいけど作れない人へその3/書式設定をどうしたらいいかわからない

最初に申し上げておきますがこの設問は幾つかの意味が読み取れます。一つは「余白のミリ設定や改行・字数をどの程度にすればいいかわからない」という紙面のレイアウトについての悩み、もう一つは「こういう設定にしたいのにWordのどこをどうすればいいかわからない」ケースです。

申し訳ないのですがWordの設定の解説については扱いません。Wordの使い方解説になると取り扱うポイントが多岐に渡りすぎてそれこそ本ができてしまうレベルですし、私自身がWordにさほど詳しくありません。

この項では紙面レイアウトの設定について私の知見をまとめたいと思います。

7.本当にどうしたらいいかわからない人でWordユーザーはとりあえず印刷屋さんなどのテンプレートを使ってみる

本を作るとしてまず原稿を取り扱うのにWordなど、なんらかのツールを使っている前提で話をしますが「自分で書式設定を変えられるかどうか」という所が最初の山場になるかもしれません。

原稿を印刷データとして作るにはまず依頼する予定の印刷屋さんの「入稿マニュアル」を確認します。そこで余白の設定などのルールを確認します。

小説セットなどのプランがある場合、多くはWord形式のテンプレートがあるのでそれをダウンロードしてそのファイルに原稿のテキストデータを貼って編集します。

こちらのページでテンプレート配布されている印刷屋さんや有志作成のWordテンプレートがまとめられていますのでチェックしてみて下さい。

8.書式設定を自作する場合は「塗り足し」+「ノド」に注意

大抵の印刷屋さんの場合印刷用テンプレートとして余白の指定が入ったデータが配布されていますが漫画用のPSD形式のテンプレートはあっても小説本のテンプレートが無い場合、自作しなければなりません。

前段で紹介した配布テンプレートを利用する他、自分で書式設定が触れる人は書式設定を変更して数字を印刷用に調節する事になります。

文庫の書式設定についてはこちらのまとめが参考になるかと思います。

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またこの画像ですが、私が作った経験から言えば、2万字程度でゆったりした紙面にする場合、文字サイズが10.5pt、長編は8.5ptにしていました。ページ数を削って薄くしたいかどうかなどで字の大きさと行数と文字数を替えているので一概に「これがおすすめです」という組版指定が出せないのですが、原稿の書式設定をする場合、注意が必要なのは字の配置以上に「原稿サイズ」と「余白の取り方」があります。

特に原稿サイズは間違えると印刷データとして使えません。

例えばA5の本を作りたい場合、ワープロソフトのレイアウト設定でA5を選択した物はそのまま使えません。例えば仕上がりをA5にするための原稿は上下左右に各3mmずつ大きくしなければならないのです。(もしかしたら違う規格の所もあるかもしれませんが私が見た限り、どのサイズも規格寸法+周囲3mmという設定になっています)このため、ユーザー設定で紙のサイズその物を変更する必要がありますのでご注意下さい。

また、小説本で大事なのが「ノド」の設定です。要するに本を閉じている側の余白なのですがここが狭いと本を大きく開かないと中央側が読みにくくなるので余白は左右均等ではなくノド側を広く取るように設定するのが一般的です。

Wordで同人誌を作る方法についてはこちらの方の記事も参考になるかと思います。


9.ぶっちゃけ一太郎を買うのが一番の時短

私、ことある毎に一太郎を布教しているのでフォロワーさんに「ゆすらさん業者みたいww」と言われる事があるんですが事実、一太郎を使うと同人誌の原稿作る作業が一気に簡単になるんですよね…(Macには対応していないらしいのでMac使いの人はごめんなさい)

というのが印刷原稿作る人はWordを使ってる比率がかなり高いと思うんですが、Wordって元々横書き前提のワープロとして作られている(そもそも英語圏の人が開発してる)ため縦書きに対応しきれていない部分が多いのです。

例を挙げるとキリが無いのですが横書き→縦書きに変えると句読点がズレるケースや複文が複数のページにかかると勝手に改行を入れてしまうので謎の余白が発生する現象、そして一番こまるのがルビの文字の位置が設定によってはずれ、隣の行の文字に重なるのに修正ができない仕様(なにか解決作があるのかわかりませんが私には無理でした)

これが一太郎だと日本で開発されたため縦書きの配置が綺麗に収まるだけでなく文庫や新書のテンプレートが多く設定されていてワンクリックで原稿サイズを塗りたしの3mm+に変えられるようになっています。

Wordを使ってる人だと優待版があり、ダウンロード版だと8000円ほどなので予算が取れる人は導入おすすめします。※「バージョンアップ版」がお安いように見えますがあれは「既に一太郎を使っている人が新しくなった一太郎の機能を追加するための上書き用」なので一太郎を使っていない人が買っても使えません。

フォロワーさんが「どれ選べばいいの?」と途方にくれていたので解説画像作りました。

コメント 2020-07-28 143119

10.Word以外でも原稿が作れるツールはある

一太郎以前にWordがない、という方でiPadやiPhoneをお持ちの場合、「縦式」という縦書き用ツールを利用する方法があります。

私はWindows&Androidユーザーなのでレポができないのでこちらの記事を紹介させていただきます。

書式設定の悩みについては私は一太郎のテンプレで解決してしまったので「これじゃわからない!」という方もあるかと思いますがなんにしろ、最後は自分で調節して好みややりたい仕様に合わせる事になるので自分で紙面のレイアウトを見て決めるしかないんですよね…

データ作成時の注意も色々あるんですが長くなるのでそれについては別のページにします。


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