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小説同人誌が作りたいけど作れない人へその4/表紙データが作れない

最初に結論を言うとある程度はお金で解決します。

11.自分でどうにかするか人に頼むか

同人誌の表紙が作れない問題はまずここで道が大きく分かれます。自分でどうにかする場合、適当な画像編集ソフトを利用する事になります。

印刷屋さんでは複数の形式のテンプレートが用意されている事がありますが基本は「PSD」という拡張子のファイルです。これは「Photoshop」で作成したデータ形式である事を示しています。

字書きさんの場合「Photoshopなんて持っていない……」という方が多いかと思います。ですが、あきらめなくても大丈夫です。このPSDというファイルを編集出来る高性能なソフトは無料で使う事ができます。

おそらく最も有名なのがこちらのメディバンペイントです。パソコンだけでなくiPadやiPhone、Androidでも使える画像編集ソフトです。

もう一つがファイアアルパカ。

どちらも印刷屋さんの配布しているPSD形式のファイルを編集する事ができます。

この二つは「ペイントツール」と呼ばれる「お絵かき用ツール」なので普通にイラストを描いたり漫画の原稿もつくれます。

12.お絵かきソフトだけど、とりあえず「文字入れ」を覚えれば表紙は作れる

「お絵かきソフトが無料でも絵が描けなければ意味が無い」と思われるかもしれませんが、画像作成初心者が表紙を作ろうと思った場合、最初に覚えるべきは「文字の入れ方です」

くも

こちら、Twitterと別名義のアカウントで作った画像ですが、ほぼ字しか使ってません。色もモノクロに差し色として赤か黄だけです。配置がほぼ同じでも色とフォントが違うとかなり雰囲気が変わります。

メディバンやアルパカの文字入れはWordで言うとテキストボックスを使うのと同じ様な感覚です。これができるだけで出来る事がかなり増えます。

大きいサイズで見たい方はこちらからどうぞ


でんえん


こちらはフリー画像の上に文字を載せたり「クリッピング」という機能で文字に色を入れたりした物です。

これらの表紙は基本的な操作ができれば作れるので慣れれば作業時間はほとんどかかりません。(デザイン案と素材探しには時間がかかります)

13.「解像度」が理解出来れば表紙作りの最初の基本はマスターできる

無料のペイントツールは機能をフルで使いこなそうと思うと大変ですが表紙作りに必須の基本操作だけなら直感的なUIなのでそれほど難しくありません。多分最初にひっかかる山はサイズの「px」と「解像度」を示す「dpi」ではないかと思います。

印刷データとして画像を作る場合、「○センチ」では指定出来ない

ここ、大事なので覚えておいて下さい。

解像度は簡単に言うと「画質のレベル」です。印刷データで言われる解像度は、1インチ(2.54cm)の中にどれだけドット(ピクセル)の粒が入っているか、という事で数が大きいほど高画質になります。

同人誌の印刷データはカラーとモノクロで解像度の指定が違っていて、大体カラーは350、モノクロは600になっています。

解像度の指定を間違えるとどうなるかというわかりやすい例はこちら

モノクロなのでわかりにくいかもですが、解像度600で出すべき所を(多分)350で作ると右の大きさで作ったつもりが左のようになります。解像度が高い物ほど情報量が多いのです。この表紙については「600字書かなければ埋まらないスペースなのに350字しか書いていないので埋まらなかった」状態と言えるかもしれません。

コメント 2020-07-30 000226

これは同じハガキサイズの原稿ですが、左が解像度600、右が解像度350設定です。pxとはいわばデータを書き込むマス目の数ですが、同じハガキサイズりデータを作るために解像度が高い物ほどマス目の数が多くなります。

このため「ハガキサイズで作る」という指定では「どの解像度(画質)で作るのか」という肝心な事がわかりませんね。

印刷用画像データを扱う場合、まず「どの解像度で作らなければいけないか」という事は忘れないようにしましょう(私がな)

14.「自分で作るのは無理」と思ったら予算の範囲でどんどん外注する

「表紙が作れない」という悩みがある場合、周囲に作れそうな人がいるならお願いできないか相談してみるのが一番てっとり速いのですが「友達だから無料で作って」問題の学級会を目にした経験があると二の足を踏む方も多いかと思います。そんな場合、お金を払って素材を買ったり表紙全体の作成を依頼する方法があります。

BOOTHを「表紙作成」で検索すると「一から相談してオリジナルを作ってもらえるフルオーダー」や「既存の有料表紙素材にタイトルなどの文字入れをしてもらえるオプションサービス」など色々な商品があります。

フルオーダーの場合、制作期間が長いので数万円くらいの予算が必要となるケースが多いようです。既存の有料の表紙素材データを購入した上でタイトルやサークル名、成人向け表記などの文字入れを追加でお願いできる場合、素材とオプション合わせても高くて数千円以内に収まる出品者さんもいらっしゃいますので予算に合わせて探してみましょう。

SKIMAでも表紙作成依頼を受けている出品者さんもいらっしゃいます。予算に合う方を探して相談してみましょう。

ただし、自分で作るにしろ依頼するにしても、表紙を作り始めるのは「本文が完成して本の仕様と依頼する印刷所さんが確定してから」です。ページ数が確定しても使う紙や印刷屋さんで背幅(厚み)は微妙に異なります。印刷屋さんによっては自社のテンプレートでの入稿が指定されている事もあるので「まだどこに頼むか決まってませんがA5で○ページの幅でお願いします」という指定をされても頼まれた側は困ります。

印刷屋さんが決定した上で印刷屋さん背幅表やサイズ計算ページなどを使って「背幅は○ミリ」とはっきりした数字が出来てから作成します。(絵描きさんが本文のペン入れ前に表紙を描いているケースもありますがあれは表紙用イラストを先に作っただけで背幅が決まらないと出来ない表紙データが完成したという意味ではありません)

文字入れまで頼むと予算がかさむ、という場合は背幅が確定した時点で背幅指定が入った表紙素材を買って文字だけ入れる、という風にできる範囲は自分でがんばる方法もあります。

表紙については多分もっと違うポイントで躓いてる方がいると思うんですがとりあえず自分がめっちゃひっかかった所はこんな感じです。(後日他の困ったポイントと合わせてまた追加で書きます)


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