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柚木呂高
2022年7月27日 02:36
僕がまだ高校生の時分のことだ。その日は大雨で、まるで滝が地面から生えているようだった。夜の雨は家の窓からの灯りを反射して黒々とした中に白い光を放っていた。空から垂れた大量のビニールテープが揺れるようで少し幻想的な気分に浸っていると、階下から姉が上がってきて、何だかじめじめして嫌な気配だから今日はエアコンのある二階の僕の部屋で寝ると言ってきた。僕は眠る前だというのに、階下に降りてミルクたっぷりのコ