今読んでいる本『ものまね鳥を殺すのは アラバマ物語』が素晴らしい
自分が何をやっているのかを理解してやっている人は、
この世の中にどれくらいいるのだろう。
この物語に出てくる登場人物の多くは、
主人公家族がしていることをあまり理解しようとしない。
そしてそのことがもつ意味、そこにある蔑視という存在に気付かない。
もちろん気づいてないということを単純に攻めることはできないが、
何かの出来事の背景には、人と人の関係が、
どこまでも続いているということを想像しなくてはいけない。
しかし主人公であるスカウトという少女は、
まさにそのことに気付こうとしている。
そして主人公の父親であるアティカスは、
自分が何をしているかを理解して行動できる人物だ。
多くはスカウトの目線で、兄のジェムと行動を共にしながら語られる。
そしてそれは常に登場人物の成長を目にするとともに、
読者自らも一緒に成長していくことができる。
そして一言アティカスが言葉を発するとき、
それはまるで天啓のように我々に降ってきて、
探し求めていたのはこれだと、
文章に触れ続ける理由を毎回見つけることになる。
それだけでこの物語は素晴らしい。
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