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この身が果てるまで何度だって輝く

そうさ 舞い上がれ 流星よ
一度だけ 輝いて ふたりを照らして

大人になった今でも、小学校から仲の良い友人がいる。特に友達が多い訳ではないボクにとっては大切な存在だ。

彼(ココではK君と呼ぶ)は小さい頃からとても絵を描くのが上手だった。ボクも絵を描くことが好きだったので徐々に仲良くなっていった記憶がある。

K君はボクと違い、絵を描く時はほとんど何も見ずに完成させる。何を描くにも、隣に対象物がないと何も描けないボク、だから素直にK君のことが羨ましかったし、今でもそう思っている。

ボクらは高校から別々の道を歩みはじめ、久しぶりにあった成人式後の同窓会で将来のことなんかを話した。

そこから数年後、ボクは画力が足りないけれどデザイン系の大学、K君は都内でも有名な美大に進学した。

K君にはつくづく思い知らされる。人の見ていないところで努力をする人間がココにいるよ、いつもK君の進捗状況を知る度に。

今になってはっきり分かったこと。ボクは気付かないうちにK君を目標に追いかけていたんじゃないかと。

昔から多くを語らず、ほとんど必要最低限の発言しかせず、気がつけば重大な場面で自分の強みを惜しげもなく発揮する。いつもボクの手の届かない場所にいる。それがK君。

そんなことを言ってもボクたちはもう立派な大人だ。学歴も年齢も関係ない、対等な関係にある。

今でもK君は頑張っている。口では謙遜ばかりだけれど着実に前に進んでいる。滅多に更新しないSNSには一回一回の投稿に重みと力強さがこもっている。

そんなK君ともう1人の友人とリモートで久しぶりに話した時だった。仕事やこれからの将来設計について話している時、ふとK君がボクの話の最後に「悠左も頑張ってるんだな...」そう言った。

きっとK君からしてみればなんてことない発言、むしろ独り言に近いかもしれない。でもこの時、ボクの心に何かがハッキリと直撃した。今までに感じたことのない嬉しいような恥ずかしいような、なんとも言えない感覚だった。

お互いの進む道が同じわけがない。K君は小さい頃から宮崎駿を敬愛していてアニメ監督になることが目標であり夢だと語ってきた。そして、今に至る道のりまで全てをその一点に注いでいる。

ボクは正反対かもしれない。小さい頃はシェフを目指して挫折し、画家も諦め、自分の中に何が「在る」のか、その一点に集中してきた。

まだはっきりとした答えは出ていない、でもなんとなく正体のようなものは見えてきた。今まで培ってきた経験や技術だったり知識が色を帯びはじめてきた。

きっとこれは、K君がこの世に今でもちゃんといる、頭で考えたりなんかしなくても、無意識のどこか奥深くで確信しているせいだったりするかもしれない。

K君は都内で懸命に仕事に没頭しているそうだ。デザインや作画だったり、厳しい業界と言われている中で一生懸命に輝いている。

だからボクも輝ける。この地球上のどこかで必ず、誰よりも強く光り輝こうと懸命になろうとしている、その存在だけがボクを呼び起こすから。

運命の空を 駆ける 一筋の光が
ふたりを 変えていくよ

(追伸:山下穂尊さん今までありがとうございました。これからも応援しています。)

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