
スタッフとスポンサーと登壇とワークショップをしたフロントエンドカンファレンス福岡の振り返り #fec_fukuoka
フロントエンドカンファレンス福岡(以下FECF)2019の開催にあたり、スタッフ、スポンサー、スポンサーセッションの登壇、ワークショップの講師の4役を担当した。
まだスタッフ・実行委員会での反省会や、その他関係者との振り返りを行ったわけではないので、完全に個人的な意見・感想となるエントリーとさせてもらいたい。
新しい視点
ご参加いただいた方々には、新しい視点を見つけていただけただろうか。ちょうど一年前くらい、昨年末に「フロントエンドエンジニアの多様性」という記事を書いた。
記事に書いたとおり、僕自身はフロントエンドのすべての領域を把握したりスキルセットとして持ち続けることに限界を感じていた。それでも興味や関心自体は広くあって、浅くても情報は常にキャッチアップしたいと思い、今回の「新しい視点を見つけよう」というテーマにとても共感して、賛同したのを覚えている。
今すぐ役に立たなくても、きっと点と点が繋がって線になるのを期待している。参加者・関係者にとって近い未来でそうなってもらえたら嬉しい。
アクセシビリティ率の高さは狙っていて狙っていない
アクセシビリティ率という不思議ワードにしてしまったが、アクセシビリティに言及していたセッションの割合が多かった、と言い換えよう。
これは数人に言われたりツイートで見かけたことだけれど、これは僕がコントロールしたわけではない。ゲストスピーカーやCfP(一般登壇者公募)の選定はあまり関わっていない。関わってはいるけどメンバーの多数決で投票をしたくらいだ。
なぜこうなったかは明白で、まず、実行委員メンバーにアクセシビリティに関心が強い人が集まっていたからだと言える。これはとても嬉しいことで、去年から@38_mot主催のAccessibility Stepの活動や彼女と一緒に他のフロントエンド関連の勉強会に顔を出したり、前回のFECFで@tockriさんと@Garyutenさんで話したアクセシビリティセッションなどが実を結んだのかなと思っている。
そしてそれとは別に、実際に集まったスピーカーの方々はすでにWebやUIの本質としてのアクセシビリティがナチュラルにあって、フロントエンドのそれぞれの分野を極めていっている人たちにとってはアクセシビリティは欠かされない「当たり前」になっている。実行委員のメンバーが自然とそういった人たちを選んでいたとも言える。
つまり、今回開催であえて狙ったことはしていなかったけど、長い目で見て狙っていた「当たり前」が予想よりも早く訪れていることに感動している。今後はさらにいろんな人へ「当たり前」が広がるように活動したい。
デザイン視点
自分のスポンサーセッションでは「デザイナーにエンジニアから10の質問」というトークセッションをやらせてもらった。スポンサーであるため、わりと好き放題こちらの都合で大丈夫ではあったのだけど、先に書いたとおり「新しい視点」を見つけたり、知ってもらいたい気持ちはスタッフとして大きく持っていたので、半ば強引にデザイナーの@kekeikeiを引っ張ってきた。
最近はデザインエンジニアやUXエンジニアがデザインとエンジニアリングをつなぐ架け橋として活躍される方が増えている一方で、そういったことを知らなかったり、どうやったらお互いが近づけるのかを模索している方の何かのキッカケになってもらえたら嬉しい。
名だたるスポンサーに紛れて
ネームバリューでは圧倒的に劣っていた(スポンサー一覧を見ていただけると一目瞭然)のはしょうがないとして、もうちょっと事前準備と社内担当者への情報共有をしていればよかったな、という反省点は多い。(それでも昨年のブースにパンフ置いてだけで担当者0人、よりかは100倍マシだったんだけど。去年はスポンサーセッション枠を金で買っただけみたいなことになってた。)
そもそもこういったイベントでの振る舞いを知っている会社が多かったというか、学ぶことが多かった。ブースでの配布物や企画や、誰がブースにいるのか、など各社完全にデザインされていたので、今後参考にしたい。
まあ、今回の反響次第で次回もお金を出してもらえるのかわからないのだけれども。だから、是非とも何か、お声掛けいただければな、と!採用もお仕事も是非!
アクセシビリティワークショップ
今思い出せば、ほぼその場のノリで二つ返事で「やろうか」と決まったワークショップで、そのくせほとんどの準備を@38_motに任せしまって申し訳なかった。ネタとしては、以前からAccessibility Stepでやりたいと温めていたものだったけど、カンファレンスへの最適化とブラッシュアップが大変だったと思う。
内容としては「とっても香ばしいコード」(見る人が見ると頭を抱えてしまうようなソースコード、という意味)を参加者に改善してもらうハンズオンで、時間が限られていてすべてはできなかったけど、ある程度ベーシックな指摘事項の改善解説ができたかなと思う。
参加者の反応もよく、参加者の理解度に合わせて解説の粒度をアドリブで調整できたので、ガチガチに準備せずにも対応できたのは(運がよかったかもだけど)自信になったし、今後の参考になった。是非Accessibility Stepで別バージョンをやりたいね。
音楽と数学と美しさと
数あるセッションの中で、これだけはどうしても感想を書きたいのは、シフトブレインの@terkelさんのセッション「音楽、数学、タイポグラフィ」だ。たぶん今回に限らず今までで見た中で最高に楽しいセッションだった。
内容の結論的なことはしばらく前にブログで公開されていて、自分も興味深く読ませてもらっていたにも関わらず、そこまでに至った流れを順序よく丁寧にストーリーが補足されて、思いがけず鳥肌するほど感動したのがこちら。
調和数列の結果がこれ、ってマジで美しすぎて鳥肌たつ。 #fec_fukuoka pic.twitter.com/fbJPh7HuH5
— ゆうてん💯markuplinter (@cloud10designs) November 16, 2019
一度ブログで公開している情報を、公演で丁寧に補足していくタイプのアプローチはあまり見かけなかった点も面白かった。そんでもって、これが初登壇だというんだから参っちゃうよね🤣
僕自身が音楽にのめり込んだキッカケが数学的な面白さの音楽理論だったので、大好きな音楽理論とWebのエンジニアリングのそれぞれの一部がクロスオーバーしている現象は、ワクワクを飛び越えた感動と、「新しい視点」によって点と点が線になった瞬間だった。
ちょっとだけ与太話をすると、こういった音楽とグラフィックのロジカルな共通点を使って、お互いの美しさをコンバートできなかと考えてしまう。音楽を聴けない人に音楽の美しさを。グラフィックが見えない人にグラフィックの美しさを。健常者の傲慢な考えかもしれないし、それにそういった研究は誰かがしているかもしれない。少し、そういったことが気になった。
最後に
ご存知のとおり次回の開催宣言もあったので、懲りずにまたいろいろと出来る限りやろうと思ってる。なんだかんだ、少なくともあと1回は同じワクワクと感動をしたいと思ってしまったので、心の声に従いたいと思う。また4役やって迷惑かけてしまうかもしれないので、そのへんは要検討。
主催のみなさま、ボランティアスタッフのみなさま、登壇者のみなさま、スポンサーのみなさま、本当にありがとうございました。そしてお疲れさまでした。次回も是非いっしょに楽しみましょう。
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