カンヌ即日記⑤雑でごめんなさい

スクリーニングで見ていて、心が動いたものリスト、パート2。

Unilever - Vaseline「TRANSITION BODY LOTION」
「トランスジェンダーならではの肌悩み」という着眼点が本当に素晴らしいと思いました。自分がそうでなくとも、確かにそういうことあるんだろうな、と分かる切実さがある。開発に費やしたのは約2年。しかも、そこにはもちろん当事者であるトランスジェンダーのみんなが関わっている。授賞式の際、壇上には、おそらくトランスジェンダーであろう人も登壇していた。雰囲気は最高。ひと際歓声が大きかった。

DP World「The Move to -15」
脱炭素(デカボ)に関する様々な受賞作があるなかで、最も難解で、最も広告的でなく、最も世界規模で影響力のありそうだったのがこちら。正直ぼくもよく分かっていないのですが、一旦、概要を和訳したものを以下に貼ります。

Move to -15℃ イニシアチブは、コールドチェーンの各段階における利害関係者を団結させ、食品の安全性や品質を損なうことなく、世界の冷凍食品の標準温度を変更し、脱炭素化を加速させ、世界の将来の食料需要に対する強靭性を構築することを目的としている。

https://www.youtube.com/watch?v=3ta8Fy0lN10

つまりは、今までは冷やしすぎてたところを、もうちょっとだけ冷やすのを控えることで環境負荷って全然違うよね。さぁ、みんなでそうしませんか?ということらしい。アイデアのスケールが異次元すぎてとんでもない。

Apple「Fuzzy Feelings」
こういうのめっちゃ作ってみたいオブザイヤーだった。Fuzzy Feelings という読後感のゴール設定がすばらしすぎる。主人公の女性にも、嫌味なおじさんにも、かわいいところもあるし、人間っぽい嫌味なところもあって、それが別に解決もしないまま、ちょっとだけ歩み寄って終わるような物語。最高だなぁ。こっちがグランプリという説もあったなぁ。

Sammakorn「Sammakorn Not Sanpakorn」
冒頭のセットアップからツッコミどころ満載のケースフィルムだが、いつでもどこでも自虐ネタはおもしろいってことでしょうか。Self-mocking = 自虐 というのを覚えました。構造的にはすーぐに真似できる。

Uber「Trains, now on Uber」
Uberで電車の切符が買えるようになったよ、というCM。企画としてはストレートで、「電車をUberみたいに使っているというチグハグさ」を面白く演出している感じ。「駅の近くで降ろしてくれたらいいよ」「駅まで行きますけど?」みたいな。英語があんまり分からなくても、何回も見るとじわじわきます。確かに、これはゴールドかも。

Orange「WoMen's Football」
ケースビデオが力強い。ぼくの周りではこのグランプリに対して賛否ありましたが、サッカーファンのぼくとしては賛否よりも前に驚きが勝りました。だってマジでグリーズマンにしか見えなかったから。自分のなかにあった無意識のバイアスを恥じました。「女子」サッカーとかではないんだな、と。男女関係なく、フットボーラーなんだと。そう思わせてくれました。

H2OH! Sin gas「Si, sin gas」
会社の後輩に教えてもらって見ました。めっちゃ身振り手振り激しく話しているその人の手には、いかにも炭酸ジュースっぽいボトル。いざ開けようとすると、みんなに止められるけど…「炭酸入ってないよ?」というオチ。商品として訴求するポイントはそこでいいのか謎だけど、おもろくてカワイイです。

Grab "汗かきおじさん"
これも会社の後輩に教えてもらって見ました。今年一番やばいやつです。内容は、見ればわかります。

一気に4つ。どれも自分たちのロゴを起点にしたクリエイティブたち。どれも素晴らしいものばかりです。こういうの、ちょっとしたトレンドというか、よく見るようになった&良いものが増えたなと思っています。

最後にオマケのように。調べている中で見つけた、最近あったらしい?キャンペーン。ほんとにあったのなら、これ最高。来年獲るのかな?というか、日本人が作りたかったな、これ。


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