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NHK交響楽団第2011回定期公演

本日、NHK交響楽団の第2011回定期公演を鑑賞しました。会場はNHKホールでした。

今回はメンデルスゾーンの『夏の夜の夢』から「序曲」「夜想曲」「スケルツォ」「結婚行進曲」と交響曲第5番「宗教改革」が演奏されました。指揮はファビオ・ルイージでした。

『夏の夜の夢』も「宗教改革」もいずれもメンデルスゾーンを代表する作品です。そのような2つの作品を揃えてメンデルスゾーンの特集を組むところに、ルイージの音楽的な幅の広さが示されていました。

実際、メンデルスゾーンが交響管弦楽の分野だけでなく木管五重奏や弦楽五重奏あるいは八重奏でも佳作を残し、室内楽の発展にも大きく貢献したことを思い出させたのが、今回の公演でした。

すなわち、『夏の夜の夢』では、木管楽器の素朴で滑らかな佇まいが演奏にまとまりと品性を与えるとともに、小回りの良さと丁寧に起伏を作ることで作品の持つ劇的な表情をよく引き出した交響曲第5番という、聞き応えのある仕上がりとなりました。

ただ、序曲『フィンガルの洞窟』でも見られるような、中間部で音楽が停滞しがちであるというメンデルスゾーンの作品を演奏する際に起きやすい現象が『夏の夜の夢』の「夜想曲」でも認められたことは、改めてその音楽の取り扱いの難しさを教えるものでした。

それでも、全体としてファビオ・ルイージの細かな指示が各曲に良い効果を与え、「宗教改革」の第1楽章の序奏の濃密さとしなやかさを併せ持った演奏がいわゆる「ドレスデン・アーメン」の印象をより鮮やかにするといった点に、今回の公演の妙味があったと言えるでしょう。

<Executive Summary>
The NHK Symphony Orchestra the 2011th Subscription Concert (Yusuke Suzumura)

The NHK Symphony Orchestra held the 2011th Subscription Concert at the NHK Hall on 17th May 2024. In this time, they performed four pieces from Mendelssohn-Bartholdy's A Midsummer Night Dream and the 5th Symphony. Conductor was Fabio Luisi.

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