NHK交響楽団第1951回定期公演

昨日は、NHK FMでNHK交響楽団の第1951回定期公演の実況中継を鑑賞しました。会場は東京芸術劇場コンサートホールでした。

今回は、いずれもシューマンの作品が取り上げられ、前半に『序曲、スケルツォとフィナーレ』の序曲とピアノ協奏曲、後半に交響曲第2番が演奏されました。ピアノ独奏は小林愛実、指揮は下野竜也でした。

小林のピアノは表情の豊かさが抒情的な作品によく合い、前に出すぎることも後ろに下がりすぎることもない伴奏と相俟って、聞き映えのする演奏となりました。

また、下野の明晰な指揮は第1曲目と第3曲目、とりわけ交響曲第2番で力を発揮し、細やかな旋律を丁寧に磨き上げて一つの大きな流れに仕立てる手腕が作品の魅力をより一層明瞭に描き出しました。

第1951回定期公演は本来であればパーヴォ・ヤルヴィが指揮を務め、イゴール・レヴィットが独奏者となる予定でした。しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や政府による水際対策の強化により、いずれも来日がかないませんでした。

レヴィットの力強く洗練された演奏や、NHK交響楽団の首席指揮者として最後の出演となるヤルヴィの指揮に接することが出来なかったのは残念なことでした。

しかし、小林と下野が充実した公演を実現したことは大きな収穫であり、今後に繋がる重要な機会になったと言えるでしょう。

<Executive Summary>

Stage Review: NHK Symphony Orchestra the 1951st Subscription Concert (Yusuke Suzumura)

The NHK Symphony Orchestra held the 1951st Subscription Concert at the Tokyo Metropolitan Theatre on 5th February 2022 and broadcasted via NHK FM. In this time they performed Schumann's Overture from Overture, Scherzo and Finale, Piano Concerto, and the 2nd Symphony. Solo piano was Aimi Kobayashi and conductor was Tatsuya Shimono.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?