安倍晋三元首相の没後1年に際して考える「目的と手段の関係」

明日、2022年7月8日(金)に安倍晋三元首相が銃撃され逝去してから1年が経ちます。

現職の国会議員が選挙期間中に殺害されるという出来事が、日本国内だけでなく国際社会に大きな影響を与えたことは周知の通りです。

一方、安倍元首相に対する凶行の背景に、安倍氏と旧統一教会との関係があったとされたことから、旧統一教会が選挙協力や資金提供といった点を通して日本の政界に一定の影響力を行使していることが明らかになりました。

その様な経緯があったためか、一部に安倍氏への銃撃を許容する、あるいは同情の余地を認める意見があることも事実です。

しかし、目的が正しければいかなる手段を用いてもよいということにはならないのは論を俟ちません。

もしこうした謬見が受け入れらえるなら、そこに現れるのは無秩序と混沌に他なりません。

従って、われわれは安倍氏に対する怨恨は犯行を正当化するものではないこと、そして怨恨に基づく犯行を許容されないことを改めて銘記する必要があります。

どれほど鮮烈な印象を与える出来事であっても、時間の経過とともに記憶の中に沈潜するからこそ、われわれはこのような基本的な事柄に十分な注意を払わなければならないのです。

<Executive Summary>
What Is an Important Attitude for Us to Remember the Death of Former Prime Minister Shinzo Abe? (Yusuke Suzumura)

The 8th July, 2023 is the 1st anniversary of the death of Former Prime Minister Shinzo Abe who was the victim of the shooting incident. On this occasion, we examine an important attitude for us to remember his death.

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