『クラシック音楽館』の「希望のシンフォニー オーケストラ・ショーピース」の持つ大きな意味と可能性

去る6月20日(日)、NHK教育テレビで『クラシック音楽館』が放送されました。

今回は「希望のシンフォニー オーケストラ・ショーピース」と題し、全国の楽団の公演の実況映像が放送されました。出演した楽団は、登場順に名古屋フィルハーモニー交響楽団、札幌交響楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団、群馬交響楽団、山形交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団の7団体でした。

『クラシック音楽館』が2020年7月19日(日)、7月26日(日)、8月9日(日)の3回にわたり「日本のオーケストラ特集」を放送し、同じく11月1日(日)から11月22日(日)まで4週にわたり「オーケストラでつなぐ希望のシンフォニー」と題して各地の楽団が生誕250周年を迎えたベートーヴェンの作品を演奏する模様を放送したのは、われわれの記憶に新しいところです。

「希望のシンフォニー オーケストラ・ショーピース」は「日本のオーケストラ特集」と「オーケストラでつなぐ希望のシンフォニー」の後を受ける形で、「コロナ下」での各団の演奏の様子を紹介しました。

2020年2月以降、新型コロナウイルス感染症の拡大により各団が公演の延期や中止を余儀なくされる中で、全国の楽団が経営的に苦境に陥っていることは周知の通りです。

また、観客数の抑制などの措置を講じながら公演を再開した後も多くの聴衆が会場に足を運べないという状況が続いています。

その様な中で各地の楽団の演奏の様子を映像とともに紹介することは、一面において各団の現在の活動の姿を視聴者に伝えるとともに、他面において不要不急の活動と見なされがちな交響管弦楽の取り組みの重要性をわれわれに訴える役目を持つと言えるでしょう。

とりわけそれぞれの本拠地では各種の媒体に取り上げられることはあっても他の地域では話題となることが少ないという各楽団の状況を考えれば、「コロナ禍」の中でも最大限の努力により演奏活動を維持していることを視覚的に伝えることが果たす役割は大きいものです。

それだけに、今後も『クラシック音楽館』が「希望のシンフォニー」の続編を放送するとともに、在京の各団体も含む日本全国の楽団の「ショーピース」を完成させることが期待されます。

<Executive Summary>
A TV Programme "Classical Music Hall" Shows a Possibility to Promote Activities of the Orchestras in Japan (Yusuke Suzumura)

A TV programme Classical Music Hall broadcasted by NHK Educational featured selected concerts of local cities in Japan on 20th June 2021. It is remarkable efforts for each local orchestra and it might be able to promote activities of the orchestras in Japan.

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